『ソーセージ・パーティー』(2016)と『クルードさんちのはじめての冒険』続編中止etc.(後編)

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(画像はAWN.comより。)



***

この記事は後編です。

前編はこちら。→

映画『ソーセージ・パーティー』の結末に触れていますので、ネタバレをさけたい方は、ここで回れ右でお願いします。


***

了解済みの方は↓からどうぞ。









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# by n_umigame | 2016-12-05 00:03 | 映画・海外ドラマ | Trackback | Comments(0)

『ソーセージ・パーティー』(2016)と『クルードさんちのはじめての冒険』続編中止etc.(前編)


***

今回の記事は、前半は『ソーセージ・パーティー』の感想、後半は最近のドリームワークス・アニメーション事情について思うことなどです。
長くなりましたので、記事を前後編に分けました。

後半のために、『ソーセージ・パーティー』のオチについても触れています。
映画未見で今から観る予定の方は、ここで回れ右推奨です。

***



まずは映画『ソーセージ・パーティ』の感想から。


スーパーマーケット「ショップウェル」で、ソーセージのフランクは恋人であるパンのブレンダと結ばれホットドッグになることを夢見るなど、食材たちは人間に買われることを望んでいた。ある日、ついに一緒にカートに入れられ喜ぶフランクとブレンダだったが、アクシデントが発生し店に取り残されてしまう。一方、夢がかない購入された食材たちは……。
(シネマトゥデイより)



監督は『劇場版きかんしゃトーマス』シリーズのグレッグ・ティアナンと『マダガスカル3』などのコンラッド・ヴァーノン。音楽はアラン・メンケン。主演と製作はセス・ローゲン。




以下ネタバレですよ~。







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# by n_umigame | 2016-12-04 23:58 | 映画・海外ドラマ | Trackback | Comments(0)

スマートイコちゃん@新大阪キッズイベント


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スマートイコちゃんの着ぐるみ、はじめましてなのです!!!

きゃー! かわいいいいいい!!!! スマートイコちゃんもかわいいな!!!

やっぱりイコちゃんはかわいいですね。
かわいいですね。
かわいいですね!!!

というわけで、移動中にたまたま新大阪駅で見つけたこちらのイベントにちょこっと行ってまいりました。

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クイズラリーと、子ども制服を着てイコちゃんと写真撮影ができます。

とのことで、土曜日だし、さぞかし大人気イベントで、イコちゃんなんて子どもさんたちに登られほうだい、それをぼうぜんと半笑いで見つめる自分を想像しておりましたが、


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……空いてた。

このチャックが見えてる哀愁の背中……。

パニエみたいなはりぼての骨組みが浮いて見えてるころっころの我がままボディ。

かわいい。
かわいいからなんでもええねん。
次。

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お客さんに愛想を振りまくスマートイコちゃん。

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相手にされなくてもめげずに軽快なステップを踏むスマートイコちゃん。

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どないでっかー。写真撮影はどないでっかー。


駅員さんも大勢の方が投入されていまして、左側に見えるのは非常ボタンのようでした。
小さいお友だちが押すのを教えてもらっていましたよ。
キッズイベントに配置される駅員さんは、やはり子どもさんの扱いが上手な方が狙われるのか、
ちゃんとしゃがんで子どもの目線に合わせてにっこにこ話してはって、めっちゃなごみました。
ええなあ…。

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これが「子ども制服」か!
初めて見たわ。制帽まで揃えてあって、しかもちゃんと男性用と女性用がある。すごい。
わたしが小さいお友だちだったら男性用をかぶってみたいな、やっぱりかっこいいしな。
写真撮ってもらうとき、みんな敬礼してポーズ決めてて、かわいかっこよかったです。
敬礼したくなるよね、この帽子かぶったら。

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駅員さんに「イコちゃん慣れてきた」言われてたスマートイコちゃん。
よかったね……。

そして今日いちばん驚いたのは、このがま口が
ちゃんとリアルにバッグとして使えるものだったということです。
写真撮影したお子さんは、このがま口の中から何か出してもらって
持って帰らしてもらってましたよ。
うらやましいーい。

うらやましいので、JR西日本さんは可及的速やかにこのバッグを商品化して売ってください。
「旅行×斜めがけバッグ」、必須アイテムですやん。

これイコちゃんが下げてるから小さく見えてるけど、0歳児の赤ちゃんやったらすっぽり入りそうやからな。
ママバッグとして、メッセンジャーバッグとして、受け狙いとして、
コーデに投入すればこれであなたもオシャレ上級者。
「はずし」アイテムとして今シーズン(いつ)大活躍まちがいなし☆

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うふうふふ。

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うふうふふ、うふふふふ。

…てな具合に一人でずーっと写真撮ってました。
空いてたからときどきいたたまれへんかったわ。

ついに駅員さんに声かけられて「よかったらいっしょに写真撮りますよ~❤」って
言ってくださったんで、お願いしました……。はずかしー。でもええねん。
イコちゃんと握手してもらったら、もう、お手て、ふっかふか!!
ふっかふかやでーーーー!!!!

お名残惜しかったですが、ちょっと用事済ませて、帰りもちょこっとだけ見学して帰りました。

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いただいたもの。
新幹線のティッシュとメモ、うれしい❤

いつもお世話になってるJR西日本さんの回し者じゃないですけど、このかにカニエクスプレス行った人の話によると、
すっごいいいらしいので、これも行ってみたいです。







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# by n_umigame | 2016-12-03 22:14 | ICOCA/イコちゃん | Trackback | Comments(0)

『ヒックとドラゴン』12(上・下):「最後の決闘」クレシッダ・コーウェル作/ 相良倫子・陶浪亜希共訳(小峰書店)

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ついに人類の命運が決まる〈運命の冬至〉の日となった。このままでは、〈失われし十の宝〉を手に入れたアルビンが新王になってしまう……。ヒックは、それを阻止して、みんなを救うことができるのか?
(Amazon.jpより・画像も)


完結。
11巻までの感想はこちらです。→







以下、ネタバレです。映画についても触れています。
特に今回の最終巻は、内容を知らずに読んだ方が単純に楽しめると思いますので、未読で今から読む予定のかたはここで回れ右推奨。








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# by n_umigame | 2016-11-27 23:10 | | Trackback | Comments(0)

ブラナー・シアター・ライブ「冬物語」

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(画像はAmazon.jpより、白水社(白水Uブックス)『冬物語』ウィリアム・シェイクスピア著/小田島雄志訳)


ブラナー・シアター・ライブ「冬物語」
Staff
作:ウィリアム・シェイクスピア 演出:ケネス・ブラナー 演出・振付:ロブ・アシュフォード
舞台・衣装デザイン:クリストファー・オラム  
照明:ニール・オースティン サウンドデザイン:クリストファー・シャット 
​作曲:パトリック・ドイル 
Cast
ポーリーナ:ジュディ・デンチ 
マミリアス:ピエール・アトリ
マミリアス:ルディ・グッドマン
カミロー:ジョン・シュラップネル
アンティゴナス:マイケル・ペニントン
クリオミニーズ:アンス・カビア
ダイオン:スチュアート・ニール  
ポリクシニーズ:ハドリー・フレイザー
リオンディーズ:ケネス・ブラナー
フロリゼル:トム・ベイトマン
アーキデーマス:JAYGANN AYEH
老羊飼い:ジミー・ユール
道化:ジャック・コルヴレイヴ・ハースト
ハーマイオニー:ミランダ・レイソン
パーディタ:ジェシー・バックリィ
エミリア:ゾエ・レイニー

11月に一週間限定で映画館で公開されていた「ケネス・ブラナー・シアター・ライブ」の『冬物語』を観てきました。
ナショナル・シアター・ライブの、ブラナー・シアター版です。舞台を撮影して臨場感あふれる舞台の様子を、映画館の大画面で楽しめるように、という企画です。
舞台の尺そのままなのでインターバル(休憩時間)もそのまま、トータルでだいたい3時間以上あるので、映画館でずっと座ってるのはなかなか大変なものがありますが(しかも何を思ったのか月曜日に観に行ってしまい…その後一週間長かった…)、3時間という長尺を感じさせない舞台でした。観に行ってよかったです。


『冬物語』はW.シェイクスピアの戯曲で、ブラナー・シアターでは18世紀から19世紀頃の衣装なのかな? 比較的近代的なデザインでした。ケネス・ブラナーはシェイクスピアの戯曲を現代的な解釈で語り直す作品を一時期映画でも何本も製作していて、今回の『冬物語』はコスチュームのイメージからブラナー版の映画『ハムレット』に近いように感じました。

ポーリーナ(ポーライナ、と聞こえましたが)役のデイム・ジュディ・デンチは81歳というご高齢ですが、変わらぬハスキーで低い声は艶と張りがあり、立っているだけでも堂々の荘厳さと貫禄がすばらしかったです。確かお目を少し悪くされていて、台本を読むのがたいへんだとか。そんな中でも滔々とセリフを述べられていて、演技を観ているだけで勇気づけられます。
『冬物語』には時間を擬人化した人物が登場して、物語のコーラス(案内役・狂言回し)の役目を務めるのですが、この時間の役もデンチさまがされていました。舞台の冒頭からデンチさまが「さあ冬のお話をしましょう」と言って登場するので、この舞台はあたくしが牛耳ったわ感すごい(笑)。そんなに出ずっぱりの役ではありませんが、要所要所で重要な役割を演じます。

このど迫力のポーリーナ(ポーライナ)にビッシビシしかり飛ばされるのが、ケネス・ブラナー演じるリオンティーズ。ケネス・ブラナーは、自分の演技が映える役というものを本当に良く理解しているなと、観るたびに思います。(けっこうナサケナイ役が似合うと思います(笑)、ヴァランダーのときも思いましたが。)
演技も言うまでもなくうまいですしね。ただ、わたくし、昔からこのナルシシスティックなブラナーさんの演出がちょっと苦手でして。演技ではなくて、演出です。
俳優なんて大なり小なり自己陶酔的でないとできない仕事だと思うので、演技がナルシシスティックなのはいいのですよ。でも彼の場合は演出や監督も兼任されていることが多いですよね。そうすると、ご自分の演じるキャラクターも「そう見えるように」演出されているわけで、それがね、ちょっとあざといなあと感じてしまったのです。映画の『ハムレット』や『オセロ』のときに。今回の『冬物語』でもそれを感じました。

存じ上げない俳優さんの中では、リオンティーズの妻のハーマイオニ役の俳優さんがよかったです。
リオンティーズから、リオンティーズの幼なじみで親友のポリクシニーズと不義密通を働いたという根も葉もない嫌疑をかけられるのですが、夫からそう告げられたシーンの、「藪から棒に何を言い出したんだ、このオッサンは」みたいな表情が秀逸でした。本当にこんな「( ゚Д゚)」顔。笑うシーンではないのに吹き出しそうになってしまいました。わかるよ。

俳優さんで言えば、羊飼い役のジミー・ユールさんを久しぶりに拝見できてうれしかったです。ひところイギリスの刑事ドラマにはよく出てらっしゃいました。

以下、お話ネタバレですので、知りたくない方はここで回れ右してください。

***


『冬物語』は原作未読で、「喜劇だったかな」というようなあいまいな記憶だけで観に行ったので、展開を知らず、純粋にお芝居としても楽しめました。
見終わって「なんちゅーひどい話だ」と思ったので、すぐ原作も白水社版で読んだのですが、原作もこんな話で、どう理解したらいいのか感想が迷子になりました。
シェイクスピア、これ、前半は鬱状態、後半は躁状態のときに書いたんかなと思いましたね。


前半冒頭で、リオンティーズは、自国に親友のポリクシニーズが遊びに来て、大歓迎しています。
ポリクシニーズがもうそろそろ帰るわと言い出したので引き止め、妻のハーマイオニにも「おまえも引き止めなさい」と水を向けるのですが、そのくせ、唐突に(と見えるのですが)リオンティーズは、自分の妻がポリクシニーズと浮気をしていると思い込むのですね。
原作を読むと、お芝居が始まった時点でそもそも疑っていたのかなと感じるのですが(だったらそんな友だちを自分ちに呼ぶなよとも思ったのですが)、証拠をつかんで首根っこ抑えるつもりだったのなら、まあ理解できます。
でもお芝居の方は本当に、何か元々リオンティーズには精神的な疾患があって、妄想と現実の見分けが付かなくなってしまったのかなと言う風に見えました。ポーリーナ(ポーライナ)にもはっきりそう言われています。あなた頭おかしいですと(身も蓋もない)。

不幸にもリオンティーズは王様だったので、自分の国のことではやりたい放題でした。ですが忠実な良い臣下たちに恵まれていて、ポーリーナのように耳の痛い直言をずばずば言ってくれる人もいます。ですがもうすっかり自分の妄想の虜になってしまっているリオンティーズは聞く耳を持たず、妻のハーマイオニを投獄するわ、それを見た幼い息子はショックで亡くなるわ、生まれたばかりの娘を捨ててこいと命じられた臣下(ポーリーナの夫)も、娘はボヘミア王の子だと信じたせいか唐突に熊に食われて死ぬわ、シェイクスピア劇らしい人死にが続きます。

後半は、その16年後。
リオンティーズの狂気が支配する冷ややかで陰鬱だった前半から打って変わって、明朗快活な、ちょっと明るすぎて怖くなるくらい陽気な舞台となります。リオンティーズに捨てられた娘パーディタは父王の親友が治めるボヘミアで羊飼いの娘として美しく育ち、ボヘミア王ポリクシニーズの息子と恋仲になりました。間にいろいろあって、結婚を言い交わした二人は父王の反対を策略でリオンティーズの国シチリアに逃げ、リオンティーズは親子の再会をとげ、死んだと思われていたハーマイオニもポーリーナの機転で生きていたことがわかり、大団円で幕となります。


が、これ、大団円で片付けていいのでしょうかねえ…。と考え込んでしまいました。

舞台が始まる前に、リオンティーズの、人間の過ちと許しについて考えるというようなナレーションが入るのですが、リオンティーズ、だめでしょう、これは。
ケネス・ブラナーさんの泣きの演技があまりにも達者で見ている者の胸をえぐるので、情に流されて「もういいよ」と言いそうになります。
ですが、幼い息子が父親の妄想のおかげで死んでますし、「16年経過しました」とあっさり言われても、無実の罪をきせられて、幼い息子も娘も失い、ただ一人残った家族であるはずの夫はある日突然別人のようになりはててしまったハーマイオニが、その16年間どんな気持ちで生きてきたかを考えると、これは他人があっさり「もう許してあげて」って言ったらあかんやつやと、すぐ考え直してしまいます。
DVの人は、暴力をふるった直後は本当に泣いたり土下座せんばかりに反省しているかのように謝るけれど、また何度も同じように暴力をふるうそうです。治らないんですね。そのうち暴力をふるうのは、こんなひどいことをさせるおまえが悪いと言い出したりして、もうつける薬がありません。
そう思うと、『冬物語』は非常に普遍性のある物語です。
このあとリオンティーズがまた妄想が再発しないとは限らないのです。
実際、ハーマイオニが夫と娘に再会する場面で、リオンティーズは感極まってハーマイオニに、あふれるように俺が悪かったと言うのですが、そこでハーマイオニは表情一つ変えず、夫には一言も言葉をかけずにくりると背を向け、すぐ娘のパーディタの方へ向き直るのです。
百万遍泣いて謝ってもらったところで、幼い息子も、ハーマイオニのつらかった16年という歳月も、共有できたはずの娘との時間も帰ってきません。
ハーマイオニ役の俳優さん、すばらしいなと思いました。
この解釈がなければ、こんな芝居見るんじゃなかったと思ったかもしれません。


リオンティーズの言っていることやっていることは、客観的に見たら百歩譲ってもDV夫のそれで、バカにしか思えないのですが、家庭の問題って当人どうしにとっては大問題でも、はたから見たらそんなもんなのかもしれませんね。
逆に、やはり家族の問題はその家族にしかわからないし、家族以外の人間が「反省しているようだし、もう許してあげたら」と気軽に言うべきではないということかなと、そんな感想にまとまりました。
シェイクスピア、こわい。

そんなお芝居ですが、ところどころ笑えるシーンもありました。後半は全体的に明るいのでもちろんですが、前半の「不幸にも親そっくり」とか「妻の口をふさいでおけない男が死刑なら、お国の臣下は全滅です」とか。
字幕は映画用にかなりかりこんでありましたが、おかげでお芝居を観るのにすっと物語が頭にはいってきやすい、読みやすい訳でした。
シェイクスピアのセリフはとにかく回りくどいので、これくらい刈り込んである方が純粋にお話として楽しめました。しかも絶妙な刈り込みの訳だったと思います。


『冬物語』は『テンペスト』と並ぶシェイクスピア晩年の傑作と言われているそうです。
許しと再生の物語と解釈すれば傑作なのかもしれないですが、まだ簡単に「もう何もかも許す」と言えないわたくしが未熟者なのでしょう。





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# by n_umigame | 2016-11-22 00:03 | 映画・海外ドラマ | Trackback | Comments(0)

『ねこたん。』3 大橋つよし著(講談社コミックス マガジン)講談社

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(画像はAmazon.jpより)




「完」。

ってことで、終わってしまいましたあああああ(号泣)。

まさかこんなに早くに終わってしまうとは思っていなかったので、夏からねこたん。ロスでしばらく感想書けませんでしたよ。
大橋つよし先生の新作も数年ぶりで、それもとてもうれしかったので、数年ぶりの連載がこんなにあっけなく終わってしまうなんてえええええええ。(ノД`)おおおおおん。

はーーーー。

あとがきに「フタを開けてみたら少年誌の読者は青年と大人でした。」とあり、このあとがきが敗北宣言のようになっているのが、さらに悲しかったです。
担当者も4人も変わって、たった3巻でしたが途中いろいろと工夫というか迷走というかされているのが目に見えて、それもちょっと心配ではありました。

大橋先生ご自身は「子ども向けにマンガを描いてみたい」ということで、今回このお仕事を受けられたようなのですが、1巻目から「いや、先生、それ、きっと今の子どもさん、わからないです」というネタも満載でしたので(笑)、わかっててやってらっしゃっるのだなと思っていたのですけれどね。

わたくしは大橋先生の、こういう、4コママンガやマンガに対する真摯な姿勢が大好きです。

それだけに、とにかく残念なのですが、また大橋つよし先生の新作を心待ちにしております!




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# by n_umigame | 2016-11-21 00:10 | コミックス | Trackback | Comments(0)

惣領冬実さんの「マリー・アントワネット」本・2冊

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『マリー・アントワネット』惣領冬実著(モーニングKCDX)講談社
史上初、ヴェルサイユ宮殿が衣装、建築、そして王宮儀礼のすべてを監修。壮麗なロココを紙上に再現した惣領冬実の最高傑作!はじまりはヴェルサイユ宮殿の離宮プチ・トリアノン。絢爛豪華な宮殿の喧噪を離れたその場所は、王妃が求めた家族の理想郷だった。21世紀に発表された衝撃の事実をもとに描かれる、全く新しいフランス王妃マリー・アントワネットと国王ルイ16世の物語。この漫画は、歴史に革命を起こす。
(Amazon.jpより・画像も)

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『マリー・アントワネットの嘘』惣領冬実,塚田有那著(講談社)
夫はチビでデブの気弱な国王、不能の夫に欲求不満でフェルセンと密通、「パンがなければ、お菓子を食べればいいじゃない」発言、離宮は王妃の淫らな社交場だった…etc.その歴史、ぜんぶ嘘でした。ヴェルサイユ宮殿、そしてマリー・アントワネット協会が監修した史上初の漫画企画『マリー・アントワネット』。その作者である惣領冬実が「真実のマリー・アントワネット」に出会うまでの製作秘話のすべてがこの一冊に。
(Amazon.jpより・画像も)





『マリー・アントワネット』はヴェルサイユ宮殿からの依頼を受けて描かれたマンガ、『~の嘘』(もうちょっと何とかならなかったのかな、このタイトル)は、マンガの方が描かれるに至った経緯と、惣領冬実さんがいかにこのマンガを制作されたかという苦労話・裏話がメインの本です。前の方に少しだけ(第一章のページにして50ページ弱分)歴史秘話的なテーマで描かれている部分があります。

どちらの本もおもしろかったです。
「ベルばら」の影響が根深い日本においては特に、この惣領冬実さんの『マリー・アントワネット』は、文字どおり画期的な作品だと思います。
残念なのは1巻で完結してしまっていることですが、なぜコミックス1巻分しか描かれなかったのかについては『~の嘘』を読むとわかるようになっています。
(なっていますが、やっぱりとても残念。いつかぜひ続きが読みたいです。『チェーザレ』の続刊見ないなと思っていたら、そういうことだったのか……。)

ルイ16世については、こちらの本(→)の感想でも当ブログで記事にしましたが、最近ではルイ16世とマリー・アントワネットの実像については再考証が進んでいて、かつての二人の姿は見直されてきているとのことです。
ですので、「ベルばら」で描かれたような、小太りでさえない愚鈍な王というルイ16世のイメージは、フランス革命当時、革命派が悪意をもって広めたゴシップなどから派生した歪んだ姿で、世が世なれば賢君として歴史に名を残したであろうということがわかってきています。
歴史はいつでも勝てば官軍ですから、勝者の声の方が大きく、自分たちにとって都合の悪いことは書き変えてしまいます。後世の人間はいつもそこに嘘がないかどうかを見極め、よくよく熟慮する必要があります。
タチが悪いのは、書き変えられた歴史が全部が全部嘘ではなく、そこに一部事実が混じっていることで、嘘がよりいっそう真実みを帯びて見えるということですね。


「ベルばら」はツヴァイクの伝記の影響が大きく、もちろんそこへ池田理代子さんの創作が加わっています。
好きでもないのに嫁がされた夫が愚かで男性的な魅力に乏しく、それでほかの男性と恋に落ちたが、その恋は悲恋に終わった、という展開は、少女漫画としては燃えるシチュエーションだと思いますが、史実から見ると、それはあまりにルイ16世に対して公正な見方でなかったばかりか、マリー・アントワネットに対しても失礼だったのではないですか、というのが、最近の見方になってきているようです。
これは以前からわかっていたことですが、フェルゼンは確かに一生独身を通しましたが、マリー・アントワネット以外にもヨーロッパ各地に何人も恋人がいて、股がいくつあるんだと思うような男性だったようです。フェルゼンはそんな感じで恋愛巧者ですから、マリー・アントワネットとの関係がそんなに純粋で単純なものだったかと考えると、かなり疑問です。二人ともいい大人ですし、正式な結婚以外に愛人をもつのが当たり前だった当時の宮廷や貴族の文化を考えても、そうだろうと思います。

そのために、必要以上に滑稽に描かれた「ベルばら」のルイ16世は、やはり気の毒だったと思います。人間は視覚から得る情報が大きいですから、「絵」で見せられてしまうとそれが強いイメージとしてすり込まれてしまうのですよね。
惣領冬実さんの描かれるルイ16世は、その分の揺り返しが来たみたいなデザインになっていて、『~の嘘』でもフランス側の担当の方に「ここまでルイ16世がハンサムだったかどうかはわかりませんけれどね(笑)」と言われていますが(笑)。

ただ、マンガ作品(フィクション)としてどちらが単純に「おもしろい」かと問われると、依然「ベルばら」に軍配を挙げざるをえないと思います、というのが正直な感想です。
惣領さんの作品は「ベルばら」に比べると時代考証などが非常に緻密で、何倍も正確であるであろうということはわかります。キャラクターどうしの繊細な心の交流なども、惣領さんの作品はすばらしいです。
ただやはりとても短いということもあって、優れた歴史同人誌を読んでいるような印象が、どうしてもぬぐえませんでした。
惣領さんは聡明で理知的で、まじめな方なのでしょうね。絵にもそれが強く表れていますが、逆に言うと隙がなくて崩れないのです。いいかげんなところがない。勉強したことが画面の隅々まで行き渡っていて、ちょっとお行儀が良すぎるという印象も受けてしまいます。
「嘘」が混ざっていても、フィクションはそもそも「作り話」なんだから、華麗に風呂敷を広げて楽しんだもの勝ちよ!と、ある意味、バカになって舞台の上で踊った「ベルばら」が、大勢の人を惹きつけるのは、よくわかります。「ベルばら」の方はオスカルという男装のキャラクターが、あの時代に女性にとって生きるとはどういうことかというテーマも内包していることが大きかったと思いますが。

だから、両作品は競合しません(笑)。
エンタメに徹した「ベルばら」の方は、確かに史実という点では正確さに欠けるところが多かったかもしれませんが、純粋にあの時代に描かれたマンガとしておもしろいです。
惣領さんの『マリー・アントワネット』は、「ベルばら」しか知らなかったと言ってもいい(本当は『イノサン』とかいろいろ出てるんですけれどもね、最近も)イメージを「そろそろ見直した方がいいんじゃないですか?」という問いかけになっている作品として、すばらしいです。
もちろん、正確で緻密な時代考証で描かれた作品世界は、言うまでもなくすばらしいです。

「ベルばら」原理主義者みたいな熱心なファンの方にも、食わず嫌いや脊髄反射的に否定してしまうのはあまりにももったいない作品です。
この画期的で意義深い作品も新鮮な目で楽しめるのではないかと思います。おすすめします。


…ところで『チェーザレ』って、結局どうなったのでしょうね…?
もう再開されないのかしら。コミックス派で飛び飛びに読んでて、長い間があいてしまったので、すっかりお話忘れてしまいました。(それでなくてもあの辺りの歴史に素養がない身の上ですのに…)




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# by n_umigame | 2016-11-21 00:03 | コミックス | Trackback | Comments(0)

『ラスト・ウェイ・アウト』フェデリコ・アシャット著/村岡直子訳(ハヤカワ・ミステリ文庫)早川書房

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テッド・マッケイは自分の頭に向けて拳銃をかまえた。妻と娘が旅行中の今日、とうとう自殺を決行するのだ。引き金に指をかけたそのとき、玄関の扉が激しく叩かれた。リンチと名乗った突然の来訪者は、ある「組織」からテッドへ依頼を伝えに来たと語りはじめる。その内容はあまりにも常軌を逸したものだった…。迷宮のごとき物語の果てには何があるのか。異様なるイメージと予測不能の展開が連続する、南米発の“奇書”
(Amazon.jp・画像も)


何を話してもネタバレになってしまう種類の本ですので、未読の方は回れ右でお願いします。








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# by n_umigame | 2016-11-20 00:15 | | Trackback | Comments(0)

英国ITV版「メグレ警視」シリーズ1"Maigret Sets a Trap"(メグレ罠を張る)

ローワン・アトキンソンがメグレ警視を演じるテレビシリーズって、そう言えばどうなったかしらーと思っていたら、今年(2016年)の5月末頃にシーズン1の放送は終わっていたようですね。
シーズン2は来年の模様。
シーズン1は『メグレ罠を張る』だったようです。

日本未公開の海外ドラマの情報を知りたいときにいつもお世話になっているIMDbをちらっと見に行きましたらば…!


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画像はIMDBより。



ちょ、誰ですかこのイケオジーーーーー!!!

ローワン・アトキンソンさんです。

うそでしょーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!(←ちょっと。)


いやー、化けましたね、見事に!
この画像を見ているだけでも、控えめに言っても最高じゃないですか。

最初ちょっと心配していたんですよ。ローワン・アトキンソンさんのメグレって。
しかも今ごろ、しかもイギリス人がメグレ警視に手を出すってどういうこと? って。
自国が刑事もの含めてミステリーの宝庫で、よその国の作品までドラマ化するほど不自由していませんわ、ほほほほほ!(ヴァランダーは) 傑作がなければ名作を食べればいいのに?ミステリー文学貧乏の国はとか思ってるでしょ(なにその僻み)、ふだんフランス語文化圏のあれこれだって小馬鹿にしてるくせにって思ってたんですよ。(←偏見)文句があるならバッキンガム宮殿にいらっしゃいくらいに思ってるかなって。(だからなにその僻み)

フタを開けたら、何ですかこれ、すんごいいい感じなんですけど!!! 目、覚めたわ。

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どや、このイケオジっぷり。(鼻血)


英国人俳優、心から改めておそるべし。
このお年を召してからの化けっぷりがはんぱないです。

だって、どうしたって日本では(世界でも?)彼のイメージはミスター・ビーンでしょう? 英国の人にしたって『ブラックアダー』とかコメディシリーズのイメージなんじゃないですか? 知らんけど。
でもコメディ畑出身の俳優さんたちは演技が達者で頭のいい方が多いので、本気出したらこんなもんなのかもしれませんね。
失礼しました。

脚本の Stewart Harcourtさんはデヴィッド・スーシェ版『オリエント急行の殺人』の脚本なども担当された方のようで、脚本の方も期待できます。ぜひぜひ見てみたいです。


ほかのキャストも見ていたらとってもいい感じで、ますます見たくなりました。

以下、画像が多くなってしまったので畳んでおきます。

メグレ警視シリーズファンのネタ萌えもやかましいですよ。覚悟はよくって。
「よくってよ。」と言う方はお入りください。









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# by n_umigame | 2016-11-19 23:30 | 映画・海外ドラマ | Trackback | Comments(0)

『狙った獣』マーガレット・ミラー著/雨沢泰訳(創元推理文庫)東京創元社

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(書影はAmazon.jpより)



莫大な遺産を継いだヘレンに、友人を名乗る謎めいた女から突然電話がかかってきた。最初は穏やかだった口調は徐々に狂気を帯び、ついには無惨な遺体となったヘレンの姿を予見したと告げる。母とも弟とも断絶した孤独なヘレンは、亡父の相談役だったコンサルタントに助けを求めるが……米国随一の心理ミステリの書き手による、古典的名作の呼び名も高いMWA最優秀長編賞受賞作。解説=宮脇孝雄/訳者あとがき=雨沢泰
(出版社HP)


『まるで天使のような』もタイトルから想像していたものとまったく違うおもしろさの作品でしたが、こちらもおもしろかったです。
「おもしろい」と言いましたが、読んでいる間、厭で厭で仕方がなく、こう、真綿で首を絞められるような何とも言えない不愉快さ、通勤途中の電車の中で走り出したくなりました。

原著は1955年に刊行されたということを頭においておく方がいい作品だと思います。
人によっては、こういう描かれ方はかなり不愉快に感じる方もいると思いますし、解説も含めて「今どきそれかい」というツッコミを入れざるを得ない部分があります。

マーガレット・ミラーの代表作などについての紹介は、こちらの記事がわかりやすいと思います。






長年邦訳が手軽に手に入らなかったと言うこともあり、マーガレット・ミラーを読むのはこれが2冊目です。


以下、ミステリーとしてのトリックも割っていますので、未読の方は回れ右推奨。






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# by n_umigame | 2016-11-19 23:13 | | Trackback | Comments(0)

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