『恐怖と愛の映画102』 中野京子著(文春文庫) 文藝春秋

「電話」「恋」「乗り物」「家」など9つのテーマで102本の映画を紹介するエッセイ集。主題の考察に加えて、ふとしたシーンの意外な発見も満載。『ゴッドファーザー』の母の役割とは?『マトリックス』の電話の皮肉とは?『間宮兄弟』の怖さとは?古今東西の傑作をめぐりながら、映画の新たな楽しみを案内。 (Amazon.jp)



『怖い絵』で大(?)ヒットの中野京子さんによる、テーマ毎に章を分け、1作品を3p程度のコラムにまとめた映画エッセイ。
『怖い絵』の著者らしい表紙絵(「フランツ・フォン・シュトゥック”スフィンクスの口づけ”)がステキで、内容はこんな内容なのかなあと思って手に取ったら、至ってふつうの映画評。(どんな内容だと思っていたんですか)

かと思い、立ち読みで済ませようとしたところ(すまん)、たった3pに、「著者の目線」すなわち、この著者にしか書けない映画評になっていて、「そんな見方もできるのか」とか、「タイトルしか知らなかったけど、その映画見たいです!」とか、うわーもうあと5分で昼休み終わる!(そうです。昼休みに本屋さんで立ち読みしていたのです)けどこれ全部読みたい!…と、結局買ってしまい、その日寝る前に全部読めてしまいました。もったいない……。

しかし、それくらい読みやすくておもしろかったということであります。

内容紹介にもありましたが、あの男くさい映画『ゴッドファーザー』について、「女も悪いというお話」であると喝破されたのはこちらも目からウロコがぼろぼろ落ちました。

未見の作品ではやはり『見知らぬ乗客』が見てみたいです。
ヒッチコック、いろいろ考えだすとほんとに怖いからなあ……。直球で怖い『サイコ』や『鳥』といった作品より、そうでない作品の方が人間の壊れかたが深くて重篤と申しますか。
ハリウッドの作品は、「父と子」というテーマが何重にも何層にも描かれて、なんで監督が代わっても時代が変わっても同じモチーフが繰り返されるんだ、と思うこともあるのですが、ヒッチコックはなぜか「母」を、しかも作品世界全体におおいかぶさるような「非常に怖い母」を描く監督だなあと思います。
大して本数を見ていないので、「そんなことないよ」というご意見もあろうかと思われますが。
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by n_umigame | 2009-07-27 21:00 | | Trackback | Comments(0)

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