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『オノマトペがあるから日本語は楽しい : 擬音語・擬態語の豊かな世界』 小野正弘著(平凡社新書)平凡社

もしも、オノマトペ(擬音語・擬態語)がなかったら…ビールの「ぐびぐび」という旨さも、憧れの人に会う「ドキドキ」も、どう表わせばいいのだろうか?生き生きした“感じ”が伝わるオノマトペは、実は『古事記』や『万葉集』にも登場している。オノマトペは日本語の「へそ」、日本人はその達人なのだ。“感じる”言葉を探ってみたら、日本語が、日本人がもっと面白くなる。 (Amazon.jp)


日本でだけ、なぜ、こんなにマンガが文化として(サブカルチャーであるとはいえ)根付いたのか、という理由の一つに、わたくしは日本語のオノマトペの豊かさが絶対にある、と信じておりました。
(もちろんそれ以外の理由も多くを占めているとは思いますが。表音文字と表意文字が混合の文章を自在に読みこなせるように幼いころから訓練された脳も、理由の一つである、という説も。)
ウソだと思ったら、バットマンでも"PEANUTS"でも良いので、そのへんで手に入るメイド・イン・USAのコミックを読んでみてください。ほとんど定型です。(なおかつ「そんな音には聞こえませんが」という擬音も多いのですが、これはまた別のお話ですね)

かのオノマトペのマエストロ・宮沢賢治を生んだ岩手からオノマトペの研究者が生まれるというのが、なんだかおもしろいなあと、著者の方の略歴を拝見して思いました。
この著者の方の『オノマトペ辞典』が出たときにすごく欲しかったのですが、さすがにそんな本、持っていてどーすんだ、と思いとどまりました。
思いとどまりましたが、その後もぐるぐる欲しいな欲しいなあと思っていたら、こんなお手軽かつすてきな本が!

著者の方は大学の先生のようですが、この先生の講義はさぞかし(すべりまくっているのが目に見えるようなオヤジギャグをも含め)楽しい講義だろうなあと思いながら読みました。

日本人のオノマトペへの半端でない情熱は、史書を記し始めた『古事記』から始まるというのが、もう、どんだけ好きなんだよ、日本人、擬音。という感じで、ご先祖様につっこみつつも微笑ましい親近感を覚えます。

この本はオノマトペがもちろんテーマなのですが、表意文字を勝手に日本語の音で読んでしまったご先祖さまのミラクルというか非常識というか「何でそうなる!?」という感覚のおもしろさの解説や、オノマトペに付随した簡単な国語史(言語史)にもなっていて、こんなことならもっと国語の時間に文法もきちんと勉強しておけば良かったなあと思いました。(笑)

もちろん、オノマトペへの切り込み方もとても愉快です。
「ぐっちゃり」をめぐる東海林さだおさんとの攻防や、「シュボッ」をめぐる『ゴルゴ13』の研究(?)などなど、本当に笑えます。

今度は、今回は見送られたという歌謡曲の歌詞のオノマトペや、ポルノ小説のようなアダルトな世界のオノマトペに切り込んだ内容の著書に期待しております(笑)。ぜったい、笑えると思うんですよね。
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by n_umigame | 2009-07-27 21:31 | | Trackback | Comments(0)

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