*さいはての西*

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『ウォレスとグルミット ベーカリー街の悪夢』(2008)

奇想天外な発明でいつも大騒動を巻き起こしてしまうウォレスと、そんな主人を守るためいつも大活躍の愛犬グルミット。パン屋“トップ・バン”を始めたこの名コンビが、ふっくら焼けた美味しそうなパンを配達してまわる。でもよく見ると、働いているのは、やっぱりグルミットばかり?!ウォレスは、街で出会ったかつてのCM女優パイエラ・ベークウェルに恋をして、仕事に熱が入らない様子。おまけに、街で起こっている“パン屋さん連続殺人事件”の犯人にウォレスが狙われていることを知ったグルミットは、あの手この手で主人を救おうとする。それでも能天気なウォレスはまったく気づいてくれず…。


「チーズホリデー」「ペンギンに気をつけろ」「危機一髪!」も併映。
驚いたのですが、先に新作の「ベーカリー街」が上映されました。見終わって何となく納得しました。

先日、『ノウイング』を見に行った日は実はこれが見たかったのですが、別の所用があったため出かけてから映画の始まる時間を調べたら、なんと字幕版は1日1回、しかも21時~というアダルトな時間のレイトショーのみというじゃありませんか。というわけでその日はあきらめ。
そして30分前に劇場へ行ったらば、なんとミニシアターなのに子どもで一杯、なんじゃこりゃー、子どもは寝る時間だろうが! と驚いていたら全員『エヴァンゲリヲン』の方へ流れましためでたしめでたし。最近の親御さんは夜に子どもだけで映画を見に行っても叱らないんですねえ。子どもの立場としてはうらやましいような、大人の立場としてはだめじゃんと思うような…。かの名作トラウマ絵本『ねないこだれだ』を立ち読みしていたら、おばけが「こんな時間に寝ない子誰だ」といって出る時間は9時でしたよ。わが家も小学生の頃は子どもは9時になったら寝ないとだめだったので、21時以降はおばけ出ると思ってましたが、そんな話はどうでもよく。(まったく。)

以下、ネタバレあります!


















さて、今回のいつもの名コンビ、鞍替えしたるは、パン屋さん。
家の改造度がえらいことになっていて、シリーズ全作を見てきた身には、この画像だけで大爆笑でした。
パンがおいしそうでした。


「野菜畑で大ピンチ!」がかなり垢抜けて間口が広がった半面、毒が抜けてしまい、そこが残念だったのですが、今回の新作はアダルトな時間帯になった理由も納得のブラックオチ。
元々ホラータッチで描かれることが多かったし、それがまた巧いのですが、今回も13体のトルソーのシーンなどは秀逸でした。怖くて。忍び込むのがグルミットでクレイアニメでもこんなに怖いのに、これ、ふつうに人間で撮ったらめちゃくちゃ怖いですよね。(これ何かのパロディじゃないかなと思っていたら『サイコ』だそうです。見直そう。)
また、短篇なので仕方がないとはいえ、レギュラー陣+新キャラクター、以上、というラインナップだったら、犯人は見る前からこいつしかいないだろうという、清水義範の『主な登場人物』かってな具合になっています(笑)。

グルミットが爆弾を捨てようとするシーンでは、もしかして人間よりも動物好きだよね?なイギリスの人の面目躍如といった印象で、大笑いでした。
また、毎回必ず映画のパロディが入るのですが、『サイコ』以外に『ゴースト』(ここも大爆笑。いろいろなところでパロディにされているあのシーンです)『エイリアン2』なども。

今回はウォレスがまた恋に落ち、その意中の彼女には飼い犬がいて、という「危機一髪!」と同じシチュエーションなのですが、最初から怪しいことをグルミットは見抜いていることを自転車のブレーキを確認するシーンで上手に表現していました。彼女の飼い犬が始終おびえているのも巧いですね。ワニもちゃんと伏線になっています。(笑)

また、今回はウォレスがまたたくまに婚約まで行ってしまうのですが、グルミットが主人(と言うよりもう相棒)のピンチを救おうとしているのに、口がきけないばかりにうまく伝わらなくて、かえって疎まれてしまうというところが、今までの作品よりずっと切実でかわいそうでした。

しかし、ウォレスって惚れっぽい上に、女の趣味がよくないですよね(笑)。
パイエラは確かにシリアルキラーとは言え、とんでもない最期です。
男同士のコンビやコミュニティに闖入してきて、今までの快適な関係が壊れる原因となる女性に対しての辛辣さ、と言うのなら、パイエラの飼い犬フラフルスも去って行くのならわかるのですが、二人仲良く失恋させたかに見えたのに、グルミットには彼女ができましたというオチ。
ウォレスも基本的にいいやつなので、相棒にできた彼女を「カワイイ子は大歓迎だ」と言って快く迎えてくれるのですが、この先どうなるのかちょっぴり心配でもあるラストシーンでした。


旧作はすべてデジタルリマスター版でよみがえったのですが、こうやって通して見ると、この20年で技術面では飛躍的に進歩してきたことがわたくしのような素人にもよくわかります。
作品としては「ペンギン」が何度見ても笑えますね。ペンギンのかわいいルックスと腹黒さ、クールさのギャップが最高です。メジャーの使い方とか、汗を拭うシーンとかびっくりするくらいスタイリッシュですよね、ペンギンのくせに(笑)。
また、何度見てもやはり列車のシーンは、過去の映画の列車アクションシーンをすべてちゃぶ台返しにするくらいの、名シーンですね。ポイントの切り替えとか列車の上を這っていくとか「お約束」をきちんと押さえながら、グルミットが列車に乗ったまま追加のレールを継ぎ足しながら追う、という「実写ではできまい」というワザもすばらしいです。(以前NHKか何かで放送していたのを見ていたら、いつのまにか横で父も見ていて、終わったら「これの続きは来週やるんか?」と聞いてきて、たまげた思い出があります。オヤジ心にもヒットしたようですが、「来週」はありません父上。)


「チーズホリデー」は初めて見たときすごいシュールだなと思ったのと、手作り感あふれる感じでそこがいいと思っていたのですが、こうして久しぶりに見ると、これは『禁断の惑星』のパロディなのでしょうか…?
「危機一髪!」はサイドカーが飛行機になるシーンは何回見ても笑えます(笑)。初めて見たときは『ターミネーター』のパロディの印象が強かったのですが。
この映画からスピンアウトした『ひつじのショーン』も現在ディズニーチャンネルなどで見られます。

なお、今回から吹き替えのウォレスの声が津川雅彦さんに代わったそうで、実際に見た方の感想は賛否両論のようであります。
「トシ食い過ぎ」との感想もありましたが、いや、お年のことならピーター・サリスは1921年生まれですから。
欽ちゃんのイメージが強いので、わたくしも微妙なところです。津川さんのイメージもありますので。
てゆうか、ウォレスっていったい何歳くらいという設定なんですか。
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by n_umigame | 2009-07-31 22:27 | 映画・海外ドラマ | Trackback | Comments(0)
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