『死刑執行人サンソン : 国王ルイ十六世の首を刎ねた男』安達正勝著(集英社新書)集英社

敬虔なカトリック教徒であり、国王を崇敬し、王妃を敬愛していたシャルル‐アンリ・サンソン。彼は、代々にわたってパリの死刑執行人を務めたサンソン家四代目の当主であった。そして、サンソンが歴史に名を残すことになったのは、他ならぬその国王と王妃を処刑したことによってだった。本書は、差別と闘いながらも、処刑において人道的配慮を心がけ、死刑の是非を自問しつつ、フランス革命という世界史的激動の時代を生きた男の数奇な生涯を描くものであり、当時の処刑の実際からギロチンの発明まで、驚くべきエピソードの連続は、まさにフランス革命の裏面史といえる。(Amazon.jp)


年末年始フランス革命とその周辺祭り(自分内)企画、第2弾。

なぜか、荒木飛呂彦さんの男前な絵の帯が(笑)。
『王立警察ニコラ・ル・フロック』を見て、読むことにしました。

サンソン家がなぜ、代々の死刑執行人の家になったのか、そのルーツから、社会的差別と戦いながら、最終的には4代目当主シャルル・アンリが死刑制度自体に疑問を感じ始めるところまで描かれます。

新書という軽い体裁のせいもあってか、ちょっとセンチメンタルに流れがちな部分もあり、帰結の部分はサンソンの、というよりも著者の死刑への考え方が披露されているといった感もありますが、読み物としておもしろい本でした。
歴史書というよりは、一部フィクションも交えつつ、「物語・サンソン」という印象を受けるところも(笑)。

ただ、うっかりしていたのですが、非常に残酷な描写もふくまれておりまして、そのあたりはちょっと走り読みしました。すみません…。
走り読みにも関わらず、ギロチンが「これまでの刑より人道的な処刑方法」として編み出されたということが納得できるくらい、ギロチン以前の刑がいかに残酷であったかがよくわかりました。
そして、「より人道的」であるがゆえに、容易に処刑されてしまうという矛盾。

実在したサンソンという人物を通して、死刑制度を考えるという点でも興味深い1冊でした。
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by n_umigame | 2010-01-03 17:46 | | Trackback | Comments(0)

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