『モンタギューおじさんの怖い話』クリス・プリーストリー作/デイヴィッド・ロバーツ画/三辺律子訳(理論社)

「うさぎの昼寝」さんでご紹介されていた『船乗りサッカレーの怖い話』が、「わー、おもしろそうだなー」と思い本屋さんに買いに行ったのですがこれはなく、この前の作品しかなかったので、とりあえず順序どおりに読み始めました。

のが、この『モンタギューおじさんの怖い話』です。

著者が「クリス・プリーストリー」とあったので、一瞬、あのクリストファー・プリースト(『奇術師』『双生児』等々の)がジュブナイルを書いたのかとびっくりしたのですが、全然別人でした。(苗字が違うじゃん)

内容は、短篇集なのですが、個別のお話が最後に全部ひとつところに流れ込む形式で、どれか一つ(最後のお話除く)を選んで読み始めても良いし、最初から順番に読みすすんでも良いと思います。
ですが、非常に構成が練られていて、階段を一段一段上がるように、一話ごとに恐怖のレベルが上がっていきます。

最後まで読んだ感想は、わたくしのトラウマ本『ねないこだれだ』を集めたようなお話集、といった感じでした(笑)。
一話一話は、「子どもがひどい目にあう。完。」
それも、「ええ、ここで終わるんかー!!」というところでお話が終わるものばかりです。
児童書なので、「悪い子」がひどい目に遭うというお説教くささを、大人が読んでいると感じなくもないのですが、作中ひどい目に遭う少年少女たちが、ではここまでひどい目にあわなければいけないほど悪い子か問われると、そういうわけでもないんですよ。一人、ひどいのがいましたけど(笑)。
大人が同じことをやったら「自業自得だ」と言われるでしょうが、子どもにそんな判断力を求めてもなーと思いますしね。分別がないから「子ども」なんであって…。
そういう意味では「大人の守りが十分でないと、子どもはこうなっちゃいますよ」という、大人に対する警告とも読める作品集です。

子どもが読んだら、じゅうぶん怖いのではないかと思われます。子どもは怖いお話大好きですしね。

カバー絵と挿し絵を描いているイラストレーターさんも良いですね。エドワード・ゴーリーからだいぶ毒を抜いて子ども向けにしたような感じの絵ですが、この作品世界とマッチしていますし、けっこう怖いです。

ジュブナイルなのであっという間に読めてしまったのがもったいないです。
次の『船乗りサッカレーの怖い話』もぜひ読もうと思います!
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Tracked from うさぎの昼寝 at 2010-06-04 00:31
タイトル : 『船乗りサッカレーの怖い話』クリス・プリーストリー
 コーンウォールに住むイーサンとキャシーの兄妹。オールド・インを営む父だったが、母の死亡後経営は傾き父は精神状態が不安定になってくる。嵐が来て父はますますおかしくなり、イーサンとキャシーは病気になぎ..... more
Commented by atsuko at 2010-06-04 00:02 x
TB&コメントありがとうございます〜
よかった、私一人が異常に怖がってるわけじゃなくて…。確かにこの話悪い子がひどい目に遭う勧善懲悪ではないですね。だから余計に怖いのか、と納得。
呪いはなかったですか?サッカレーにはお気をつけて(笑)
クリスティ展も行っておいでたのですね。私もパンフは割高だと思ってしまいましたが「アジア初」記念と思って購入しました。しょうがないので地元のクリスティファンに回覧しています。でもパンフだと今イチ展示のよさが伝わらない…。
Commented by n_umigame at 2010-06-04 21:16
呪いはなかったですね~今のところ?(^^) サッカレーのときは気を付けまっす! 最初はなめてましたが、だんだん怖さグレードアップで、「おじさんのはなし」の一つ手前のお話は先が読めるだけに(笑)怖かった…!
クリスティー展、平さんもいらっしゃったんですよね。わたしが行ったときは会期末だったのでグッズもないものがありましたしお客さんも少なかったです。
パンフは「うう~高い~」と思いますよねー。でも「アジア初」と言われたら「じゃあ買うよ…」ってなりました。また来てくれるといいですね、展覧会。
by n_umigame | 2010-06-03 22:14 | | Trackback(1) | Comments(2)

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