『船乗りサッカレーの怖い話』クリス・プリーストリー作/デイヴィッド・ロバーツ画/三辺律子訳(理論社)

「あわれな船乗りを助けてくれないか」 嵐の夜、その男はやってきた。全身ずぶぬれで、まるでたったいま海からあがってきたみたいだ。 「恩に着るよ……嵐がおさまるのを待つあいだ、物語を二つ三つ聞かせるというのはどうだ? ただおれの話は子どもには残酷すぎるかもしれないが……」 『モンタギューおじさんの怖い話』待望の姉妹編登場!ますますコワくて、ますますオモシロイ! (Amazon.jp)


『モンタギューおじさんの怖い話』、おかわり。のつもりで読みましたが、今回は「怖い話」というより、グロい……。

今回は、「痛い」「スプラッタ」「グロい」「ぬらぬら」「ねちょねちょ」「べとべと」といったキーワードがダメな人にはオススメできません。
カタツムリのお話なんて朝から電車の中で軽く気持ち悪くなり、帰りにエスカルゴが食べたくなりました(えええ)。エスカルゴはおいしいけど、だいたい、ボーリングの球くらいあるカタツムリって、おかしいだろ!!

言ってしまうと、そういったキーワード(?)で表現されるような直截さが勝負のお話であって、人間世界にあふれる理不尽さ、怖さ、という点では、前作に軍配が上がると思います。
物語の主人公の年齢も前作より高いので、前作が小学校中学年くらいからいけるとしたら、今回は中学1年生くらいでしょうか。
そして明らかに悪意のある少年たちが、自業自得の結末を迎えるお話になっています。

ですが、著者の物語に対するテンションがものすごくゲージが上がっているのは、間違いなく、こちらです(笑)。趣味なんですねえ。
著者はこわい話が大好きでいろいろと読んだ子ども時代だったそうですが、今回は、ポーの黒猫、ブラッドベリの刺青、W.H.ホジスンの『夜の声』などなど、「ぼくの大好物をてんこ盛りにしました。イエイ!!」という感じでした。

今回も短篇で最後に全体で一つのお話でまとまるというオチで、モンタギューおじさんも登場します。
短篇集は直截なお話が多いのですが、大ゴマの部分では「人生の理不尽」をこれでもかとつきつけた悲しいお話になっています。
この作品世界全体はイーサンの目線で語られるのですが、イーサンが、とても愛情深い両親だったと思っていたがそれは自分がそう思いたかっただけなのではないか、と考えるところがやるせないですね。



著者のブログはこちら。→Chris Priestley
『モンタギューおじさん~』の表紙が、フランス語版だけおばあさんの絵に変えてあるのが不思議(笑)。
日本語版も載っていますね。
ウェールズの写真が美しいです。
お住まいはケンブリッジなんですね。
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by n_umigame | 2010-06-07 22:04 | | Trackback | Comments(0)

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