*さいはての西*

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『カールじいさんの空飛ぶ家』(2009)

冒険好きな少年と少女だったカールとエリーは夢を語りながら成長し、19歳で結婚。幼い日の思い出がつまった廃屋を買い取り居心地のいい我が家に改築する。喜びも悲しみも分かち合い、つつましく生きてきた2人にも、やがて悲しい別れが訪れる。ひとり残され偏屈な老人となったカールは78歳で一世一代の冒険に旅立つ。無数の風船と共に大切な家ごと飛び立ったカールが目指すのは、かつてエリーと夢見た冒険の地だった。(goo映画)


これは評価が分かれるだろうなあ…。

ネタバレにつき、もぐります。↓
















カールとエリーの人生を俯瞰して見せた冒頭10分が評判通り、すばらしかったです。
(平均的なデータからいうと、男性の方が先に死ぬ確率が高いにもかかわらず、なぜ、映画や小説では先立つのは女性なのか、誰か物語論などの観点から研究している方がいらっしゃったら教えてください。
「お話」としては「置いて行かれるのが男性」の方がおもしろくなる可能性が高いということがあるのでしょうけれども)
カールがエリーと一緒に過ごした人生がどれだけ(カールにとって)すばらしかったかということが良くわかり、絵本『ちいさいおうち』みたいになった二人の家が強い説得力を持ちます。
(カールにとって)としたのは、エリーがどう思っていたかはエリーにしかわらかないからですが(笑)、きっとエリーも幸せだったことでしょう。

けれども、出会ったときからエリーのペースに乗せられっぱなしのカールを、きっとエリーは心配していたと思います。
冒頭の結婚式のシーンで、陽気なエリーの親族と比べて、暗い、固そうな、くそまじめそ~なカールの親族の対比からも、カールの人柄がしのばれます。だからこそエリーを、それこそ死の瞬間まで絶えることなく一生愛することができたと言えるでしょう。
冒頭のカールは、エリーが想像した、自分がいなくなったとき「カールのことだからやっちゃうだろう」とおりのカールだったのではないでしょうか。
つまり、エリーとの思い出の象徴である「家」とその中身(家具やら家電やら)にしがみついたまま、文字通り丸ごと持って行こうとする。二人の、と言うよりは主にエリーの夢だったパラダイス・フォールの上に家を建てるために、どんなにたいへんでも全身に背負って行こうとする。2階から1階へ降りるのも昇降機を使っていたような人がです。
カールのまじめで一本気な性格がある意味裏目に出てしまったことから始まった冒険は、けれどもエリーの残したメッセージの意図する「新しい冒険」ではなかった。

「ありがとう。新しい冒険を始めて。」というエリーのメッセージが本当にカールに伝わったのは、家も家具もただのモノで、エリーとの本当に大切な思い出はモノではないということにカールが気づいたとき、死んだエリーとの思い出のモノより、生きている冒険の相棒ラッセルを救うために家からごんごん家具を捨てたとき、だったのでしょう。

お話は、途中お供が次々と増えてゆく冒険の旅で、老人と子どもという反則技級最強のタッグにより展開されます。
楽しいはずなのに、全編に漂うもの悲しさはいったい何なのか、考え込んでしまいました。
途中笑えるシーンもたくさん盛り込まれています。
あとからついてくるケヴィン。犬の「ドッグ・ファイト(空中戦)」(しかも複葉機!)(何時代だよ)(てゆうかあの冒険家は何歳だ)。宮崎駿作品を彷彿させる空中での大バトル(ただし78歳と+?歳のおたっしゃバトル)。
何よりすごいよそのバウリンガル。

ただ、あの冒険家はああいう末路でなくてはいけなかったのでしょうか…。あれだけはちょっとなあ。
(ディズニー映画って人を殺しちゃいけないんじゃなかったの???)

見終わってからwebであらすじを読んで何よりびっくりしたのは、カールが78歳だったことです。
すごいよカールじいさん。『天空の城ラピュタ』のパズーも真っ青だ!

あと最後にこれだけは言わせてください。
良い子のみんなは図書館の本を破かないようにネ!
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by n_umigame | 2010-06-14 21:19 | 映画・海外ドラマ | Trackback | Comments(0)
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