*さいはての西*

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"Ellery Queen" #12: The Adventure of the Black Falcon;「黒い鷹の冒険」

サイモン・ブリマーがラジオ番組のゲストに生出演のためナイトクラブに招かれた。ラジオは公開録音で、ナイトクラブのお客たちが大勢いる中へ、ブリマーのいつもの捜査妨害に業を煮やしていたクイーン警視とエラリーもやってくる。
ラジオ番組が始まり、いつもの調子で警察の捜査をこき下ろし始めたブリマーだったが、そこへ経営者の一人ニックが殺されたという報が入り、クイーン警視とエラリーは呼ばれていく。ブリマーは放置されてラジオ番組はなし崩し的に中断。
死因は毒殺だったが、ニックが死の直前にワインセラーから抜き出して割れていたワインからは毒物は検出されず。それは、「黒い鷹」がデザインされたラベルのワインだっだ。

というようなお話です。

クイーン大好きダイイング・メッセージものです!

…なのですが、今回は(わたしにしては)めずらしく、エラリーの「視聴者への挑戦」の手前で犯人がわかってしまいました。
1947年という時代設定が生きた回でもありました。

さて、ナイトクラブにやって来て、「ハンバーガーが75セント? 外だったら半ポンドも買える値段だ」ばかばかしい、といきなりご不満なクイーンパパ。『アメリカ銃の秘密(謎)』でも「上流階級なんてくそくらえだ、フンガー(# ゚Д゚)=3」と庶民を代表してご立腹だったクイーンパパですが、わたくし「アメリカの上流階級」という概念がよくわかりませんでした。建国200年程度ということは長く続いている家でもそれくらいということで、よくよく読んでいると「上流階級=お金持ち」という程度の意味らしいということがわかってきました。それは日本ではかつては成金ってゲフンゲフン。
で、ナイトクラブでハンバーガー出るのかという素朴な疑問はさておくとして、「半ポンドのハンバーガー」という表現にひっかかりました。アメリカではハンバーガーは量り売りなんですか?
で、「半ポンド」=230gくらいのハンバーガーというと、マクドナルドのチーズバーガーが110gくらいだそうですので、マクドのチーズバーガー2個強が買えるお値段ということになります。最近マクドに行かないので調べたら今チーズバーガーは120円だそうです。 当時の75セント≒今の日本の250円。250×1.25で、現在の日本円にして1ドル312.5円、ということでよろしいのでしょうか。ドル、高っか! 
1947年ということは昭和22年。日本はまだ焼け野原も生々しい頃に「ナイトクラブのハンバーガーが高いとかぼやいてんじゃねえ」とか言われる世代の方もいらっしゃるでしょうが、東京都のモバイルHPに1950年(昭和25年)のコーヒーの値段がありました。1杯30円。今コーヒーが350円として、ほぼ11倍強。としたら単純に10倍してもハンバーガーは2500円ということに。そりゃあ、高いわ。
国立国会図書館のリサーチナビからもいろいろと飛べるので、まだ興味のある方はご覧下さい。)とにかく1947年のニューヨークと2010年の日本の物価を比べても高いということは実感できました。

また、放送された当時(1970年代後半?)には日本ではまだ馴染みがなかったのであろう言葉の字幕がちょこちょこと違和感があった回でもありました。(「ソムリエ」という言葉が字幕に出ないで、「ワイン係」となっていました。「ワイン係」はまあレストランでの役割分担という意味では間違いではないでしょうが、フランスでは国家資格であるソムリエという言葉から想起されるイメージとはやはりかけ離れている気がします。)
食文化に関しては1970年代の日本はまだまだ外国のものに馴染みが薄かったのだろうなあということは、原作を読んでいても感じました。ファッションに関しては訳語にあまりギャップがないのは、やはり「衣食」と言われる順番どおり、「衣」から入ってくるものなんですね。ある意味上っ面だけ変えれば良いファッションと違って、食べ物は小さい頃からの習慣や環境に根ざしている部分が大きく、簡単に変えられないものだったということがよくわかります。空輸の手段が乏しい時代は食品も国土に根ざしているわけですから当然ですね。食習慣を簡単に変えられるものなら、こんなにダイエットがとっかえひっかえブームにならないですし、生活習慣病も減らせるはずですもんね。逆にいったん根付くと広がりが早くて、そのまま、またしばらく変わらない、ということなのでしょう。

ほかのおもしろかったところは、今回はやっぱり食べ物のシーンでした。
オフィスで徹夜明けのパパのためにドーナツを買ってきてくれたエラリー。4徹したこともあるそうですが、さすがのクイーン警視もトシには勝てません。エラリーとヴェリーに立て続けに「お休みでしたんで、すみません」と言われて「寝てない!」と言い張るクイーンパパ。いいじゃない、徹夜明けに椅子に座ってちょっとくらいうたた寝してたって、と思うのですが、「居眠り=トシ」と思われるのがイヤなのでしょうか。最後はエラリーの買ってきてくれたドーナツに「チョコレート?」「シナモン」「シナモンは嫌いだ!」とおかんむりです。やれやれ(笑)。
ドーナツはチョコレートが好きなんですね、クイーンパパ。

朝ご飯中のクイーン父子、サイモン・ブリマーの話題になって「今ごはん食べてるから、その名前は聞きたくない」というパパ。何でも冷蔵庫に入れるエラリーにも笑いましたが、いつも冷蔵庫を開けっ放しで出かける二人にもツッコミを入れたくて仕方がないです。閉 め て 行 け ー!

前回、いつも警察車が115分署の車なのが気になると書きましたが、今回「15分署のヴェリー巡査部長に電話してくれ」というクイーン警視。
警察本部じゃないの?
分署に飛ばされたの、ヴェリー!?
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by n_umigame | 2010-06-15 18:14 | *ellery queen* | Trackback | Comments(0)
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