*さいはての西*

fwest.exblog.jp
ブログトップ

"Ellery Queen" #17: The Adventure of the Sinister Scenario;「不吉なシナリオの冒険」

自分の作品が映画化されることになり、父親と一緒にハリウッドに招かれたエラリー。
ところが、シナリオは改変され、自分の分身でもある「エラリー」役のギルバート・マロリーは傲慢で周囲から嫌われていた。撮影中もあるシーンで監督と大喧嘩。「エラリー」は至近距離から撃たれることになっていたが、そのシーンの撮り直しの時、空砲のはずだった銃に撃たれて倒れる「エラリー」。いつの間にか実弾にすり替えらえており、「エラリー」は本当に死んでいた。
クイーン父子はロス市警に煙たがられながらも捜査を開始するが、やがて第2の殺人が起きる。

というお話です。

今回はミステリドラマとしてもキャラクターのやりとりも、とっても楽しかったです!

原作にもいわゆる「ハリウッドもの」と呼ばれているハリウッドが舞台の作品がいくつかあり、エラリーが30歳近くになって初恋したりして、お赤飯を炊いて祝ったファンも多かろうと思われます。
それに加えて、「空砲のはずだった銃に実弾が」という、原作ファンがニヤリ☆の設定も楽しい上に、クイーン警視のはじけっぷりがかわいくてかわいくて、萌え死にしそうでした。(だからそこなのか)(そこしかありませんよ)

以下、時系列に沿っていきます。

原作のパパもエラリーの行く先々に「うちの自慢の息子をヨロシクねっ!」という電話をかけまくってくる暑苦しくも愉快なパパですが、今回はなんと、もれなくついてきた!
クイーン警視、お仕事はどうしたんですか。有休ですか。そういうことにしておきましょう。
『ミステリの女王の冒険』によりますと、ふだんこのスタジオで撮影しているそうで、「こういうセットで撮影しているんだー」というのが、楽屋落ち的に見ていて楽しかったです。
暖炉のある部屋はクイーン家の居間で、原作では一番広い部屋のはずなのですが、こうやって改めて見るとドラマの部屋はとても狭いことがわかります。

エラリーはシナリオを改変されたのが気に入らないのですが、クイーン警視は自分の役の役者さんが「もっといいのがいるだろう、ブライアン・ドンレビーとか!」とお気に召しません。ブライアン・ドンレビーは二枚目俳優としてならした役者さんだそうですが、写真を見る限り、デヴィッド・ウェインさんの方がずっといいと思いますよv(Brian Donlevy;IMDb)

撮影現場に幻滅して、せっかくハリウッドに来たから観光に行く方がいいよというクイーン警視のお目当ては、女優のお宅拝見です(笑)。「大スターに会えるかも!」とわくわくのクイーン警視と、「そーだね、お父さん」という感じで肩に手を置くエラリーの姿がとても微笑ましかったです。
エラリー役・ギルバートの失礼な態度のおわびに、ランチをごちそうしてもらえることになったクイーン父子ですが、エキストラ俳優さんといっしょにサンドイッチの立ち食いで、ここでもパパはがっくり。おまけにクイーン警視役の役者さんに「あなたの役です!」と寄って来られて、「えー( ̄ロ ̄;)」というキモチを隠そうともしないクイーンパパに大笑いでした。

殺人事件が起き、ロス市警の刑事はクイーン父子に「ここはうちのなわばりなんだから、口出すなよコラ」という見え見えの態度だったところへクイーン警視の旧友、ロス市警のブレイク警部が登場。
ひとしきり旧交を温めあったところで、「クイーンさんたちによーくご指導願えよ」と部下に言い残して去るブレイク警部。しぶしぶ「うう、じゃあお願いします…」という刑事に、ご満悦でいつものオフィス(のセット)の椅子を引くエラリーとそれに座るクイーン警視。二人の「にんまり☆」という笑顔がとてもいいです。(笑)

今回は舞台がハリウッドということで、派手な衣装の俳優さんやらがたくさん登場して華やかなのですが、中でもクジャク(オス)みたいな女性が登場し、誰かと思えばゴシップ記者のようです。
原作でエラリーの初恋の女性はハリウッドのゴシップ記者ポーラ・パリスです。
初めて読んだとき、「自分のところのドル箱シリーズ・キャラクターの初恋の相手がゴシップ記者? 時代的に女性が就ける知的な職業が限られていたことはわかるけど、あんまりな気も……」と思っていました。
でも当時のことがよくわからないし、同時代のアメリカの人が読むと「ハリウッドのゴシップ記者」というとまた違ったイメージがあったのかな…と思い直すことにしたのですが、今回ドラマで見る限り、自分のもともとのイメージからかけ離れておらず、ますますわからなくなってしまいました。これが「東部から来たぼんぼんが華やかな映画の街の悪い女にだまされる」とかいう筋ならともかく、それはそれで見てみたかった気もしますが(笑)、そういったお話でもないわけで。ゴシップ記者に含むところがあるわけではけっしてないのですが、ほかの女性に向かって(しかもエラリーがいる前で)「この××」とか口走る女性は、いかがなものかと思いました。クイーンパパは女性の趣味がいいのに、この差はいったいなんなのでしょうか。なぞです。

閑話休題。

あと、映画界の裏側が見られたけど「ちょっと幻滅した」というクイーン警視、エラリー原作のドラマを「見せ場がないからこんな映画に出たくなかった」という女優さんに「犯人を目立たせないためだよ!」と横から口を挟むエラリーに「おまえの仕事の話はいいから」とつっこむクイーン警視などなど、笑いどころが全編にあふれておりました。

ミステリドラマとしてもよくできていたと思います。

ネタバレになりますのでもぐります。(ここへ来てかい)




















最初の殺人が起きて、当然その動機などを当たる警察ですが、実は冒頭に「シナリオが改変された」というさらっと語られる事実がすべてのキーだったことが(あとから)わかります。
第2の殺人が起きたときに、「もしかして犯人の本当の狙いはこちらの人だったのでは?」ということに気づくのですが、動機は最後の最後まで明かされず、エラリーが「ぼくはなんでも知っている」の技を繰り出して犯人が自白してからわかる、というパターンであります。(笑)

気づくとドミノ倒し的にすべてがつながる、という謎を解く楽しさが満喫できる回でした。
[PR]
by n_umigame | 2010-06-15 18:18 | *ellery queen* | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://fwest.exblog.jp/tb/11327311
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。