*さいはての西*

fwest.exblog.jp
ブログトップ

『クラバート:闇の魔法学校』 DVD感想

DVDが届きました!

早速見てみましたが、映像特典は何一つなし。せめて名画面集みたいな静止画像集でもあればと思うのですが、それすらナシです。
やる気ねえぇぇぇ…。(  ̄- ̄;)
DVDが出ただけでも感謝せねばならないところなのですが、「出ただけでもうれしい」というところが、悲しいです…。

かろうじて、日本語吹替がついています。
が、これも声優さんの名前がどこにも書いておらず、主演の声優さんすらノークレジットってこれってOKなんでしょうか。
再生したらクレジットがどこかで出るのかな? と思い見ていたのですが、とうとう最後まで出ず…。「ここに出てるよ~」という方、ありましたら教えてください。

原作をていねいになぞった作品だったおかげで、字幕ナシ・吹き替えナシで見たときの感想とあまり違いはありませんが、ちょっとした感想などをまとめてみました。
内容についての詳細な感想は、こちら(そのいち)こちら(そのに)をご覧下さい。

ネタバレにつき、もぐります。↓













日本語吹き替えと聞き比べてみてまず思ったことは、この作品には、ともうしますか『クラバート』には、やはりドイツ語が似合うということです。

クラバート始め職人たちはおそらく全員ヴェンド人(スラヴ系の少数民族)かと思われるので、本当はドイツ語を話しているのもおかしいといえばおかしいとはいうものの、原作がドイツ語で書かれていること、また典拠が民話で、民話や伝説というのは人間の深いところに流れている意識を普遍的に共有するものであるという説もあることから、ドイツ語で見ている方が息吹のようなものがひしひしと伝わってきます。
ドイツ映画祭のときに見た際には積極的にそうは思わなかったのですが、こうやって改めてDVDで見、日本語吹き替えと見比べてみると、この物語がいかにドイツで愛されて来、映画化した制作者さんたちにも愛されていたかということを、改めて思いました。
ことばというのは、その国や土地の人々の、呼吸であり命であるということがわかります。

全体的にドイツの役者さんたちの方が声が低音で、ドスが利いています(笑)。ドイツ語の発音とあいまってそう聞こえるだけなのかもしれませんが、アジア系の男性の声は欧米系の男性の声より平均的に高いのかな? と吹き替えと聞き比べて思いました。(そっか、わたし低い声の方が好きなので海外ドラマの方が見ていて気持ちいいのかも。)(って今気づくことか!?)(骨格とか筋肉の付き方とかがやはり全然違うので、声が違うのも当然かもですが)
なので、日本語吹き替えは見やすいのですが、軽い感じでちょっと別の作品みたいになっちゃってます。
親方なんて、日本語吹き替えで聞くと「ふつうのおじさん」みたいな…怖くないよその親方!(いや、この役者さんがだいたい怖くない)(むしろやさしそう)(困ったな)

日本語吹き替えで笑ったところ。

トンダに「今なら間に合うから、抜けろ」と言われて
・「こわくなんかない!」ガバア!! とトンダに抱きつくクラバート。あまじょっぱーい……。それ言動が一致してないよ、クラバート(笑)。
ドイツ語で聞いているとここまでトホホな感じじゃないのはなぜ?

・酔っぱらいの演技は、日本の声優さんたちがダントツでへたくそでした。
酒でドイツには勝てませんということですか。ドイツの役者さんたちは、「ほんとに飲んでるんじゃないか、それ。」と思わず目をみはるような、絵に描いたようなすばらしい酔っぱらいっぷりでした。
中世の(おそらく)薄いワインだかビールでそこまで酔っぱらおうと思ったら、どんだけ飲んでんだって話です。

・クラバートに、「どうしてきみが自分で親方と直接対決しないんだ」と聞かれて答えるユーローのセリフ。
字幕「………恋人がいない」
申し訳ないが大爆笑でした。
日本語吹き替え「………愛する人がいない」
あ、あらっ? なんか目から水が…??

ぜんぜんニュアンス違うよ、それ。
恋人がいないのは悲しくないけど(えええ)、愛する人がいないのは悲しいよー!!

・親方がクラバートに「おれの跡継ぎにならないか」という嫌人事をもちかけるシーン。
「女など石臼と同じ 重くて疲れるだけだ」
って、なぜそれをご存じなわけで?(笑)
全身これ謎の親方ですが、原作ではあれだけ「若いころのオレはモテた!!」と言っていたくせに、そのあまりにもわかりやすい女嫌いっぷりはいったい、なに。
「モテた→その結果女嫌いになった」ということは、えーと、相手の女性に対していちいち真剣だったということでしょうか。まじめだなあ、親方。まじめじゃないとこういう人生にはならないですよね、きっと。うんうん、そうだきっと。

・ラスト、クラバートが「行こう」と言ったあとのユーローの笑顔がとてもいいです。しみました。
ドイツ映画祭で見たときは、原作にない設定で、思わぬキャラクターにおいしいところを持って行かれてしまった点ばかりに気を取られていましたが、この物語のキーマンはやはりユーローですよね。

親方が燃えさかる水車小屋の中で、静かに座って死を待つ姿は、初めて見たときもいい死に際だと思いました。「死を見ること帰するがごとし」ということばがよぎりました。
炎に照らされた親方の目がとても明るく、きれいに見えるせいもあるかもしれませんが、何かに心洗われたような、ほっとしたように見えるのはわたしだけでしょうか。
親方がただの「悪役」だったら、往生際悪く暴れるとか、卑劣な手に出て誰かを道連れにしようとするとかすると思うのですよ。それか、「どかーん」のシーンで断末魔の悲鳴を入れるとかですね。(ハリウッド映画だったら絶対そうすると思います。最後にはっきり「悪役は死んだ」ということがわかりやすい見え方でわからないといやみたいなので) 原作は児童書ですし。
でも映画を製作した人たちも、親方の最期をこんなふうな見せ方にしたということは、親方がただの悪役ではないと思っているということだと思うのですよ。
トンダのことも「わしはトンダを気に入っていた」というのは、本心だったんじゃないかな、と思いました。
嫌人事のシーンでも「ヤンコーめ、トンダめ。ユーローの口車に乗せられおって」と言うシーンがありますが、「あのバカ息子どもめ」と言いつつ泣いている頑固親父みたいに見えました。

最後は親方語りで申し訳ありません。
全然語り足りないので、残りは本で吐き出そうと目論んでおります(笑)。
[PR]
by n_umigame | 2010-07-03 16:35 | Krabat/クラバート | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://fwest.exblog.jp/tb/11456927
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。