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『死刑台のエレベーター』ノエル・カレフ著/宮崎嶺雄訳(創元推理文庫)東京創元社

完全犯罪を実行したジュリアンは、電源を落とされた無人のビルのエレベーターに閉じこめられてしまう。36時間後にようやく外に出た彼を待っていたのは、身におぼえのない殺人容疑だった。アリバイはなく、閉じこめられていたことなど決して明かせない! 偶発する出来事が重なり追い詰められていく男の苦悩と恐怖。胸苦しいほどの焦燥を見事に描ききった超一級サスペンス。ルイ・マルの映画化作品も映画史に残る傑作となった。解説=小森収(出版社HP)


往年のフランス映画の傑作の原作が新版で登場~。
なんでも今年の10月に映画のリメイク版が日本で公開されるそうです。邦画で。

映画のオリジナルも見たことがないので比較はできないので、純粋に小説の感想です。

フランスのサスペンスというとカトリーヌ・アルレーの『わらの女』などの傑作を思い出すのですが、主人公を含めた登場人物の魅力とか「食えなさ」加減みたいなものは『わらの女』に軍配をあげたいと思います。

どちらの主人公もまあ「自業自得だよ」と言われても仕方がないキャラなのですが、『わらの女』が人間の悲しさみたいなものを感じるのに比して、こちらの主人公は同情の余地なしという感じです(笑)。
また、フランスらしく(?)男女の思惑や情事が出てくるのですが、主人公夫婦、主人公の姉夫婦、主人公の秘書とその恋人、主人公の車を盗む男とその恋人、話をややこしくするために殺される夫婦、ホテルの経営者夫婦、とほぼ全編なんらかの男女の話で、かつ、全員痴話喧嘩を長々と繰り広げるため、正直なところ、読んでいてだんだんうんざりしてきます。

最後の部分でやっとテンポが上がってサスペンスらしくなるのですが、主人公の潔癖を証明するためにある人物がうそをつく(偽証する)のですが、主人公も面食らうほどに脈絡がなく、藪から棒に何を言いだしたんだこの人はという感じで、何と言いますか、こう、「どんでん返し」というものの使い方がちょっと間違っているのではないかという印象でした。

名画の原作なので読んでおくといいかも、という以外に、個人的にあまりオススメポイントが思い浮かばない作品でした。
すいません。
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by n_umigame | 2010-08-06 22:58 | ミステリ | Trackback | Comments(2)
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Commented by Yuseum at 2010-08-08 04:35 x
この作品、大昔に火サスか土ワイみたいな2時間サスペンスで映像化されてたのを、見たことがあります(^。^)
タイトルは改変されていて、

「恐怖のエレベーター」

たぶん、ホラーを期待してたのに違った、という状態だったでしょう(ーー;)
Commented by n_umigame at 2010-08-08 21:28
>火サスか土ワイ
あー…( ´‐`)はい、わかります~。そういう方向へ簡単に改変されそうです。
なんで邦画でリメイクするんだ?と思ったのですが、現代を舞台にしたら今死刑のある国でないとタイトルがあれですもんね…(黒)。