*さいはての西*

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『ルイス警部』#7:「業火の祈り」

ある夜、教会の祭壇の前でウィル・マキューアンという青年が自殺する。祭壇には“学びの園”という団体の紙片が置かれていた。その後“学びの園”の主催者たちが次々と殺害され、“炎に生まれる命”というメッセージがすべての現場で見つかる。現場に残されたDNAは、ウィルの元恋人で3年前から消息不明のフィアドルカ・フィーランのものだったが、行方が全くつかめない。遂には、ウィルの旧友だったハサウェイの身にも危険が迫る。/出演:ケヴィン・ウェイトリー、ローレンス・フォックスほか/原作:コリン・デクスター/英/字幕/2008年
(チャンネル銀河)


うっかり見はぐれるところでしたよ待ってましたよ!!(だったら忘れるなよ!!)
だんだん良い感じのコンビになってきたなあと思っていたところで、いきなりハサウェイのことを「ベターハーフは?」と聞かれるルイス、という場面から再開したシリーズ半ば。今回はハサウェイがなぜ神学の道をあきらめたのかが語られるとともに、コンビの危機が。

さて、今回の主題は、いろいろな意味で(笑)ゲイです。
…と言うか、ジェンダーかな。
ゲイのキャラクター(ジョーンジョー)のデスクトップの壁紙がオスカー・ワイルドってのはわかりやすすぎと言うか、「このキャラクターはゲイですよ」という記号として使うにはいささか単純/陳腐すぎると思ったのですが、いかがでしょうか。
ルイスに(聞きにくそうに)「おまえ、ゲイなの?」と聞かれて、笑って、じゃあそもそもゲイの定義ってなんですか? と聞き返すハサウェイが良かったですね。「エロ本とチョコバーが好きなら男なのか」と。男とは何か、あるいは男らしさとは何かということを単純化して考えてはいけないというメッセージをユーモアを交えて伝えているところが、巧いですよね。

ミステリドラマとしては、やられました!
人間ドラマ以外の部分でも、このゲイ(というかジェンダー)の定義の部分にかかってきていて、「DNA鑑定で地球上の半分は犯人から除外された」というルイスのセリフがレッド・ヘリング(偽りの手がかり)になっていたという。
このミステリとしてのトリックの部分も、実は「あなたの男性、あるいは女性の定義って何?」という視聴者のジェンダー感を逆手に取った、みごとなトリックでした。これは小説でやるより映像でやった方がひっかかる率が上がると思います。
ブラジルの話が何度も出てくるのでこれもキーなんだろうと思ってがんばって見ていましたが、種明かしされるまでブラジルってそうだったんですか、ということを知りませんで・し・た。

急に家庭菜園を始めたルイス。いろいろ思うところあったようですが、これは引退してからにします、と。菜園のおじいさん、いい味出してましたね。
「よく知らない人間を信用するには?」
「知っている部分を信用する」
うーん、名言だ。
イギリスのドラマを見ていると、イギリスには汲めども尽きせぬステキオヤジのわき出す泉があるに違いないと思っていたのですが、ステキオヤジがそのままステキじいさんの橋を渡り、ステキオヤジに助言したり、人生のちょっとした羅針盤になってくれるという演出がけっこうあって身もだえる。いや、うらやましいです。
ハサウェイは過去に自分がしたことの負い目からルイスに隠し事をし、結果的に嘘をついてしまいます。
激怒するルイス。説明しようとするハサウェイの話をまったく聞いてくれません。家庭菜園で↑あんなことを言っていて、結局ハサウェイを信用していたから、嘘をつかれたことが悲しくて、それが怒りとなって吹き出したのでしょう。
とは言うものの、ハサウェイが今度は犯人に狙われると護衛をつけます。もちろん仕事の上の必要からでもありますが、護衛がハサウェイを見失うと血相を変えて助けにきてくれました。
コンビの危機を、上司が部下の命を救うことで、いわば「雨降って地固まる」式に関係と信頼が深まるというのはデジャヴですよねえ(笑)。
『モース』でもモースとルイスが大喧嘩して(と言うか、ルイスがモースの横暴っぷりが溜まりに溜まってついにがまんできなくなり)、ルイスが殺されて穴に埋められそうになるのをモースが走って助けに来るという回がありましたが、『ルイス』でも部下が下手こいて上司が助けに行くという構図は同じでした。
ま、ルイスも経験を積んで学習したんですよね。
しかし、睡眠薬でよれよれのハサウェイはその辺に転がしておいてでも、燃えさかる家の中へ戻ろうとする犯人を止めるのが仕事だった気がしないでもないですが…(笑)。他に警官もいたんだしね。

最後は、エロ本とチョコバーにトライしてみるけれども、でもやっぱりオックスフォードの6時の鐘に心奪われるハサウェイ(とルイス。ルイスも以前、スケベなモースを尻目に(笑)、エロ本を見ていると自分まで汚れてくるような気がします、と言ってましたよね)。
そして、コンビはめでたく仲直りかよこのバカップルめが。(笑)(”バカップル”に該当するコンビを指す言葉はないものか)

ところで、些末な(?)ことですが。
ハサウェイってケンブリッジ卒だったんじゃなかったでしたか? 確か最初の方の回でオックスフォードの教授に「ケンブリッジ卒か。だからわからないんだ」と揶揄されるシーンがあった気が。”オックスブリッジ”と二個一で呼ばれる両陣営はいろいろとライバル視しあっていると聞いていたので、別に良いんだったら良いんですけど(笑)。
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by n_umigame | 2011-01-24 19:33 | 映画・海外ドラマ | Trackback | Comments(0)
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