『日本人の坐り方』矢田部英正著(集英社新書)集英社

「ヤンキー坐り」は、武士の作法だった?
日本人特有の身体文化=坐り方の多様性に迫る! 畳や床の上に直接腰を下ろして「坐る」。私たちが普段、何気なく行っている動作は、日本人が長い年月をかけて培ってきた身体文化だ。しかもそれは、「正坐」のみを正しい坐とするような堅苦しいものではなく、崩しの自由を許容し、豊かなバリエーションを備えた世界なのである。古今の絵巻、絵画、仏像、画像などから「坐り方」の具体例を抽き出して日本人の身体技法の変遷を辿り、その背後には衣服や居住環境の変化、さらには社会や政治の力学までが影を落としていることを解き明かす画期的論考!
(出版社HP)


絵巻物や幕末の写真を当たり、日本人の坐り方について追った読み物です。
さらっと読めてトリビアが増えた感じ(笑)。

著者は(帯に写真がついている)下級武士がいわゆる「ヤンキー坐り」をしている写真を見て衝撃を受けたそうです。いや~わたくしもびっくりしましたよ(笑)。
礼節や形式を重んずるはずの武士も下級武士だと「頭さえ低ければ」足の形はどうでもいいだろ、みたいなこの坐り方は地面にはいつくばるようで見ていて美しくない。翻って「宮中に仕える侍たちは控えのときの身構えにもスタイルがあって恰好が良い。」と『春日権現験記絵』を引いてらっしゃるのですが、片膝を立てて弓を右手に全員ぴしっと坐っています。確かに、下級武士の「ヤンキー坐り」と比べると、頼りになりそうです。
絵を見ていただくと一目瞭然なのですが、『春日権現験記絵』の侍たちは坐っていても背筋がぴしっと伸びています。ヤンキー坐りだとどうしても背中が丸くなってしまって、セリフを当てるとしたら「たりー」とか「うぜー」とかそういう感じに(笑)。おそらく、上の人から何かを言いつかるときも、目を合わせようとしたらヤンキー坐りの武士たちは「上目遣い」になってしまうと思います。これ、感じ悪いですよね。卑屈な感じがします。
『春日権現~』の侍たちが頼りになる印象を与えるのは、この姿勢からだと、とっさのことがあっても直ちに動けるということもあると思います。

ほかにも正座は「正しい坐り方」なのか、とか、やわらかすぎる股関節と足首の話とか(笑)とてもおもしろかったです。
巻末に一章を割いて「坐り方ガイド」が載っています。これもかわいいイラストつきで楽しいです。
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by n_umigame | 2011-03-21 14:22 | | Trackback | Comments(0)

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