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*さいはての西*

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『テルマエ・ロマエ III』ヤマザキマリ著(BEAM COMIX)(エンターブレイン)

ついに、温泉街まで作っちゃったルシウス!!山賊どころか、平たい顔族(日本人)ともマブダチになっちゃうルシウス!!やっぱり風呂一筋、ルシウス!!素敵だルシウス!!(帯より)



1巻はおもしろかったし、2巻も高め堅調だと思っていましたが、3巻ではさらにおもしろくなっていました。
2巻までは1話読み切りの短編集でしたが、3巻からは少し長めのお話2本と、2巻までのような短篇が1本入っています。

毎巻、ルシウスが初めて日本の食べ物を食べて、それがおいしくて感激するというシーンが入りますが、今回は最初のお話で日本の温泉街でラーメンを食べるシーンは腹をかかえて笑いました。このあとラーメンと餃子を食べたくなってしまったのはわたしだけではないはずだ!(笑)
毎回ルシウスのクソ真面目な性格が本当に良いのですが、最初のお話ではそれが改めてよく出ていましたね。人の浴衣と羽織を拝借していって、袂にお財布が入っているのを知って、走って返しに行くところとか。

冒頭、ローマの元老院の議員トリオが悪巧み(笑)しているシーンと、ルシウスが友人のマルクスに「おまえいいかげんヨメもらえって」と言われているシーンが、どちらも食事のシーンなのですが、これも意味があって描かれているんだなあと思いました。カトラリーもあるのですが基本手づかみで食事をしていることがわかります。(ウニの塩漬け、おいしそう~)
なので、ルシウスが餃子を手づかみで食べるのは別に不作法なわけではないですよ、という伏線なのだろうと思われます。あと、ルシウスがラーメンを食べるとき、割り箸を二膳使って(割らないで)いるところは、こんなワンシーンにもよく著者が練って描かれていることが伺えます。
ラーメン屋さんで隣の席に座っていたおじさんも、こういう勘のいい人(言葉が全然わからなくても相手の意図をくみ取るのが上手でコミュニケーションがあるていどできる人)って確かにいるいる~と思いました。
でもルシウスも実はそういう人ですよね。ただ、ローマ人のルシウスは言葉の通じない異民族とコミュニケーションを取らなければならないシチュエーションになることが多かったと思うので、このおじさんの方がすごいかも(笑)。

あと、温泉街で売っているものがそこはかとなく懐かしかったです(笑)。
こういうものって今でも売ってるんでしょうか? 貝殻の怪獣(?)とかピンポンラケットとか、金属の輪っかが連なってて階段降りるやつ(名前はなんていうのか…)。
いちいち全力で驚くルシウスがもうおかしくておかしくて(笑)。

最後のお話では、ついに日本でローマ風呂の技術を思う存分発揮できたルシウス、おめでとう(笑)。


とは言え、今回大爆笑したセリフは「暗殺どころか 奴め こんな快適な街なんぞ 作りおって…」でした。(笑)

巻を追うごとにおもしろくなっていますので、4巻も楽しみです!
by n_umigame | 2011-05-02 20:41 | コミックス