*さいはての西*

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"The Roman Hat Mystery"(ローマ帽子の謎/秘密)コレクション

新訳版『ローマ帽子の謎』読み終わりました。
ああ、やっぱりクイーンはいいなあ。と言うか、この親子はいいなあ。いいなあ。

新訳版の感想を書こうとしたのですが、書きたいことがありすぎて(何せ付箋を貼ってなめるようにねちねちと読んだものですからクイーンを読むときの常として)まとまらないのでまた日を改めまして、旧訳読み比べのために引っぱり出してきたマイ・コレクションをご紹介させていただくことにいたします。

案外『ローマ帽子の謎/秘密』(東京創元社はMysteryを「謎」、早川書房は「秘密」)は日本では数が出ていないことがわかりました。
自分が把握している範囲内ではということですが、国名シリーズではジュブナイルも含めるとたくさん出ているのは『シャム双子』、次が『オランダ靴』、次が意外なことに『ギリシャ棺』のようです。

まず東京創元社新旧2作。
旧訳は初版2000年7月の65版(初版:1960年12月)。
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新訳版の帯(裏)。
来年『フランス白粉』が新訳で、今後順次新訳で発行されるようです。
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訳者の中村有希さんのブログを拝見して、自分がなぜこのカバーイラストを見て「先祖返り」と感じたのか、そのなぞが解けました。
「昔のミステリのカバーはこういう感じの絵が多かった」「なつかしい」と。
なるほど、そういうことかと。

しかし、繰り返しますが、新しい読者を開拓せねばならんのですよ。
元から一定数いたクイーン・ファンが「なつかしい」からという理由で手に取っているだけではあかんのではないですか。
なつかしくてもいい、新鮮さがあれば。
自分がけっこうな大人になってからクイーンのファンになったため、多感な頃にクイーンの洗礼を受けたファンの方の感覚とはやはりずれを感じます。
今の若い読者層の方はもっとそうではないかと心配になります。
そしてこれは邪推ですが、従来のファンの目や評価を気にするあまり、新しいチャレンジをしないことに…あるいは従来のファンの目で見て良しとする場所に安穏としているのではないかということが心配です。
萌え絵で行けとは申しませんが、もうちょっと考えてほしかったです。

まとめると「クイーン・ファンもっと増えてー」ということです。

お次は早川と角川。
早川は宇野利泰訳。1994年10月5刷(初版:1982年6月)
角川は石川年訳です。1975年4月15版(初版:1963年6月)
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早川からの出版が遅いですよね。
東京創元社が国名シリーズを原書の発行順に発行したのに、どういうわけだか早川さんは後期のものから先に刊行されたようです。なぜー。

原書が欲しくなって探したのですが、これがびっくりするくらい売っていなくて、最終的に古本で買いました。
こちらはPokcet Books版で、1962年の14th printing。
Pocket Books ed.初版は1940年10月となっています。底本は1929年のFrederick A. Stokes版。
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古本すらも手に入りにくくなっています。
アメリカ本国でのこのクイーンの読まれていなさっぷりはいったい何なのでしょうか。
日本にはせっかく熱心なファンの方が多いというのに、この辺りの事情に触れた文章などにはお目にかかったことがない気がします。
どーでもいいけどポケットブックスって独特の妙なニオイがします。
そんでもってこの扇情的なカバーイラストときたら。内容とまったく関係がありません。これも一種のミス・ディレクションでしょうか。
なにも知らずに表紙につられて買った人が「中身と違うじゃねえか、うきー!!」とならなかったことを祈ります。
まあ25¢だったらしいけれども。
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by n_umigame | 2011-09-05 18:33 | *ellery queen* | Trackback | Comments(0)
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