*さいはての西*

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『プライド&グローリー』(2008)

警官が巻き込まれた事件を任されることになった主人公が、捜査を進めるうち一家の絆を揺るがす驚くべき真相に突き当たり、葛藤していくさまを描いた犯罪ドラマ。
 4人のニューヨーク市警警官が麻薬取引の手入れに踏み込んだ際、2人が死亡し、他の2人も重体となる事件が発生。レイ・ティアニー刑事が特別捜査班の指揮を命じられ、さっそく犯人逮捕へ始動する。父は警察高官、兄フランシスは署長、娘婿の義弟ジミーはフランシスの部下という警察一家に生まれたレイ。また、彼の友人だった被害者のひとりもフランシスの部下でジミーともチームを組んでいたことから、この捜査への心境は複雑だった。すると、捜査線上に複数の警官が浮上。実は、ジミーら数人の警官たちが犯人一味と内通していたのだった。ジミーたちは、事実が明るみに出る前に街の悪党をその身代わりにしようと画策。一方、レイはこの事件の結末が兄の進退問題に関わってくると知り、捜査と家族の板挟みになってしまう。こうしてティアニー家は、それぞれの判断で打開を図るのだが…。(allcinema)



主演エドワード・ノートン、中心人物たちはコリン・ファレル、ノア・エメリッヒ、ジョン・ヴォイトと日本でもけっこうネームバリューのある(か見たことのある)俳優さんたちが、家族という濃い役柄でずらりと揃う作品なのに、日本未公開だったそうです。
コリン・ファレルが「え、どこに出てる?」と思うくらい、見ている方が「いや~な感じがする顔」で演技してました(笑)。

『セルピコ』の感想をネット上でさはさはと見ているときに「こんな映画あるよ、けっこうおもしろいよ!」とオススメされていた作品です。ちょうどNYPDの制服の資料がほしかったタイミングと合致して(笑)借りてみました。

確かに、130分という尺の長さもさることながら、アクションシーンがすごいとか、家族のドラマがハートフルとか、恋愛ドラマがわくどきとか、華麗なる謎解きがあるとか、そういった要素は一切皆無。
ただひたすら悪徳警官のやりたいほうだいが綿々と描かれ、げんなりするような場面が続く映画です。これを映画館で興行的に成功させようというのは難しかったかもしれません。
それは娯楽的な要素が薄くて、演技過剰なドキュメンタリーを見ているような錯覚を覚えるからなのですが、だから最後まで見られないほどつまらないとか、退屈かというとそんなことはありませんでした。
骨太で、見応えのある映画でした。

麻薬取引の現場を取り押さえようとした4人の警官が死傷して発見され、その捜査の責任者にレイ・ティアニー刑事(エドワード・ノートン)が命じられます。その任を命じたのは父親のフランシスSr.(ジョン・ヴォイト)。父親もNYPDの警察官で高官です。
ところが実はレイの義弟にあたるジミー(コリン・ファレル)は、ほかの警官と徒党を組んで麻薬を売人から横流しして小金を稼いでいる悪徳警官でした。
レイも、警官が起こした不祥事のために偽証したことが過去にあり、それがずっとひっかかっていたということがあとになってわかるのですが、ジミーは麻薬の売人が「おれたちの年収を一週間で稼ぐ」からと上司で義兄であるフランシスJr(レイの実兄/ノア・エメリッヒ)に食ってかかり、売人からピンハネすることをまったく悪いとは思っていない。
それどころか、このジミーは、殺人、恐喝、強盗、暴行となんでも辞さないやつで、乳飲み子を抱えた母親を殴る、どころか乳飲み子にアイロンを押しつけてその父親(売人の元締め?を知っている男)を恐喝するという、警官としても最低ですがそれ以前に人間としてカスという男なんであります。ジミーとその不愉快な仲間たちが非道の限りをつくすのは貧困層のプエルトリカンで、ジミーは家では良き夫であり良き父親なところが、見ていてますますげんなり度数がだだ上がりします。

クライマックスで、「アイリッシュ・アイズ」というパブでレイとジミーは殴り合いをし、ジミーはレイにしょっぴかれて行くのですが・・・・。

フランシスSr.がクリスマスのディナーのときに、家族全員を誇りに思っていることを語るシーンがあります。一人一人の子ども(フランシスJr、レイ、妹(名前忘れた))を褒め、妻を褒めます。
家族を大事にするというアイリッシュの人々ですが、疑似家族に擬されるNYPDという組織についても、それぞれが信じている「家族」の実体はこんなものなのだという悲しさを、淡々とした語り口で見せる映画でした。

監督は存じ上げませんでしたが、ギャビン・オコナーという名前が本名なら、この方もアイリッシュなのかな? と思いました。
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by n_umigame | 2011-09-15 22:40 | 映画・海外ドラマ | Trackback | Comments(0)
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