*さいはての西*

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US版『SHERLOCK』 DVD

NHK BSプレミアムで放送された『シャーロック』の興奮冷めやらず、北米版DVDをぽちってしまいました。
…のが届いており、とりあえずSpecial featuresに収められているメニューの中から、メイキングである"Unlocking Sherlock"と"A Study in Pink"パイロット版を見てみました。

ネタバレ全開ですので、本放送はもちろんのこと、パイロット版やメイキング もネタを割ってほしくないの~という方は、ここで回れ右★でお願いいたします。

ネタバレでもいいよーという方にも、英語字幕にかぶりつきで見ているような人の感想ですので、もろもろご容赦ください(笑)。






















<メイキング"Unlocking Sherlock">について

メイキングには、
(1)現代版シャーロック・ホームズ発想の経緯から実現するまでの、制作者であるスティーヴン・モファット、マーク・ゲイティスのコメント
(2)シャーロックとジョンのキャスティングについて
(3)ロケについて
(4)221Bについて
(5)音楽について
が収められています。
マーティン・フリーマンがジョンについて「ジョンはシャーロックの、kind of moral compassだ」と言っていたのが印象的でした。
あと、脚本の読み合わせをしているとおぼしきシーンで、ベネディクト・カンバーバッチ(ああ長い名前)とマーティン・フリーマンの座っているテーブルにお水とフルーツが乗っているのですが、カンバッチくんの前のは手つかずなのに、マーティン・フリーマンの前にはバナナだのミカンだのの皮が散乱しているのが印象的でした(笑)。


<パイロット版"A Study in Pink>

「核」の部分はもちろんきちんと確立されていますが、全体的にこぢんまりとして、地味な印象でした。
画面が全体的に暗いというのもあるかもしれません。
221Bのフラットも、色で言うと「オレンジ系」。
本放送は90分、パイロット版は60分で、時間的に盛り込めるものが限られているというところもあるでしょうが、原作からのネタの目配せ、映像の美しさとか演出の妙などは本放送がやはり素晴らしかっただけに、多少地味に感じるのは仕方がないでしょう。
ミステリーとしては、犠牲者が順次描かれる本放送より、いきなり5人目の犠牲者から始まる(セリフだけで5人目であることがわかる)パイロット版の方がドラマの中に入りにくいです。

以下、箇条書きで。

●レストレードの出が早くていきなり事件現場です。ふつうの刑事ドラマのイントロみたいでした。
●シャーロックとジョンが出会うシーンは、PCルームでした。本放送のラボの方が画面が華やかで、シャーロックのうさんくささ(笑)がより出ていて楽しかったですね。
●シャーロックが本放送よりよく笑うような気がします。それも自然な笑顔(笑)で、「ちょっと変だけどふつうに好青年」ぽく見えました。これも本放送の方が「うわ、やっばー(笑)」という感じが良く出ていて楽しかったです。
●事件が発生してレストレードに呼ばれたシャーロックが、いったん出ていってジョンを呼びに戻ってくるシーン。
「死体とかけが人とか大勢見ただろう云々」のあと、シャーロックが「もっと見たい?("Want see some more?")」と尋ね、ジョンが「見たいとも("God, yes.")」と答えるシーンは、ジョンが力みすぎな気が(笑)。本放送のときのちょっととぼけた感じくらいの方が、笑えていいですね。
●サリー・ドノヴァン巡査部長が俳優さんが違う~。(エンドクレジットによるとZowe Ashtonという役者さんです。)しかも制服警官だ。
●でも「変人入りマース」はありました(笑)。ここ原語でなんて言ってるんだろうと思っていたのですが、「変人」は「freak」の訳なんですね。「変人」よりニュアンスがもっと強い言葉のような印象を受けるのですが、どうなんでしょうか。NHKの限界だったのでしょうか(笑)。
●アンダーソンは同じ役者さんでしたが、+ヒゲ、+メガネでした。こちらも、ヒゲとメガネがない方がシャーロックにからむ役としていい感じだと思います。
●本放送の時は、シャーロックが死体や物品を観察して得た情報が視聴者にも目に見えるように文字がポップアップで出ていましたが、パイロット版ではそれはありませんでした。
本放送の演出の方が良いですね。
画像として楽しいということもありますが、視聴者がシャーロックの「目」が拾った情報を共有できることで、シャーロックの推理とその結論がより理解しやすい。
●「Brilliant.」「Fantastic.」と褒め言葉の語彙が豊かなジョン。照れながらもご満悦のシャーロックがカワイイのは本放送のときと同じ。
●本放送ではいやがっていた現場用の青いつなぎ、パイロット版では文句も言わずにきちんと着ているシャーロック。レストレードに「考えるな、気が散る」とか傍若無人ぶりが控えめなのも、パイロット版シャーロックが好青年に見える一因かも。
●ドノヴァンから「ホームズから離れろ」と忠告されるジョン、ここは本放送と同じ。
…なのですが、本放送と違うのは、ドノヴァンからそう忠告されて、ジョンがそれにひっかかっているところ。
「都合つけば来い、つかなくても来い」のメールがシャーロックから来るシーンもあるのですが、ここで行くべきかどうか、ジョンが迷っています。
本放送のときはドノヴァンにもそう言われ、マイクロフトにもあれこれ忠告されていますが、もうジョンの気持ちはほぼ固まっているように見えました。
●本放送で大爆笑だったレストランのシーンは、ある意味パイロット版の方がグレードが上でした。
いや、これ、友達以上恋人未満の人を、しかも夜に連れていくようなレストランじゃないように見えるんですけれども…。シャーロックが恋人連れてきたと思ってマスターがキャンドルサービスしてくれるシーンもありましたが、これはするでしょう、キャンドルサービス(笑)。
本放送の方がこぢんまりとした、夜もやってるけどメインはランチかな?みたいなカフェレストランの方が、「口説いてないから」という一連のギャグが笑えました(笑)。
●ここで時間の都合で(笑)、犯人に気づくシャーロック。
犯人であるタクシーの運転手に酔っぱらいのふりをして近づきます。が、逆襲にあって拉致られてしまいます。
●それを見ていたレストランのマスターが「あれもシャーロックの計画のうちだよ」と言うのですが、ジョンはなにか様子がおかしいと思い「ちがう、なにか間違いがあったんだ」と繰り返し、レストランを飛び出して行きます。
本放送と違って、冒険に我を忘れるのではなく、シャーロックの危機にいても立ってもいられなくなって杖を忘れて飛び出す、という演出でした。
●犯人との対決は221Bのフラットでした。
やっぱり拉致られるより、危ないとわかっていてジョンに黙って出ていき、本気か演技かわからないで犯人についていく、という方がシャーロックらしいと思いました。先に本放送を見てしまったからかもですが、ジョンにシャーロックが「君がバカだからだ」と言われるシーンが、本放送のほうが「そうだよね」という説得力がありました(笑)。
●ジョンが犯人を射殺する直接のシーンはなく、視聴者にはあとでわかるようになっていました。
レストレードに犯人を射殺した人間のプロファイルをしているときに、シャーロックがジョンに気づいて…という流れは同じ。
ですが、本放送のレストレードのニヤリがありませんでした。これも本放送の方がいいです。警察がバカじゃない方が、名探偵の良さが引き立つと思うので。
ジョンがシャーロックに見つかるシーンも、本放送のジョンの方がすっとぼけた感じでよかったです。パイロット版ではシャーロックを固い表情で凝視していて、もちろん道義に厚いジョンが人を殺したのですから、それを受けてなのですが、ラストがちょっと重い印象に。
●「手から硝煙反応が出ないようにしろよ」という会話をするシーンですが、ここもジョンの性格がよく出ているものの、やはり重い印象に。
「人を殺したんだぞ」とシャーロックに言われて、ジョンは「死んだ人間を何人も見てきた。みんないいやつで、友達だった。」「二度と眠れなくなると思ったんだ。今夜はよく眠れるよ」と。
ドノヴァンから「ホームズから離れろ」と忠告されて迷っていたジョンに、最後にシャーロックが友達認定されて、完、という流れでした。
ジョンの性格から言って、人を射殺したことについてなにかエクスキューズが必要だと思われたのでしょうが、このドラマで言うならば、本放送くらいの温度でちょうどいいと思います。
●ラストシーン、おなかすいたからいっしょに中華食べに行こう、というところをレストレードに引きとめられて、「シャーロックは何日も食べてないから、いますぐ食事させることが必要だ」と言うジョンに「あんたいったいぜんたい誰なんだ」と問われて、一瞬の逡巡の後「彼(シャーロック)の医者だ」と答えるジョン。
本放送ではマイクロフト兄さんがしめたところを、レストレードがしめて終わりました。

キャラクターの性格付けとか、ドラマの展開などにまだいろいろと迷いが見られるのですが、それが本放送ではかなり見事に改変されていますね。
本放送の方が数倍笑えるし、原典ファンへの目配せや、ドラマの世界の広がりや深さなど、やはりすばらしい完成度になっていました。

字幕で本放送の方も見てみたいと思います。
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by n_umigame | 2011-09-20 20:02 | 映画・海外ドラマ | Trackback | Comments(0)
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