*さいはての西*

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映画『仮面の男』(1998)ツッコミmemo(独り言注意)

その後廉価版のDVDがあったので買ってしまい、字幕がいまひとつだったので、音声:吹き替え・字幕なし→音声:英語・字幕:英語→音声:吹き替え・字幕:英語 とトリプルアクセルで見てしまいました。

見れば観るほどツッコミどころ満載で愛しい映画です。
修羅場のお供にずっと流しています。

初見のとき感じた違和感がようやくわかってきたのでメモしておきますが、全部独り言ですので、気持ちの悪い思いをしたくない方はここで回れ右。
(アンタのブログ全編これ独り言だろって? ははは。はー…)
しかもとても長いので、「読んでやろう」という物好きな方もあまりまじめに読まないように。


ネタバレにつきもぐっておきます。











・初見で「なんだかなー」と思ったのは、このちんたらとメリハリのないプロットだな~。
・何度も観ているうちにしみてくるけど。
・初見で最大の違和感だったのは「冷静沈着。思慮深い。もの静かなダルタニヤン」。これだ。それ、アトスだろ。
・反対にアトスが「一発点火。考えるより行動が先。」それ、ダルタニヤンだろ。
・ダルタニヤンの恋人が「また」人妻だ。
・原作を読んでいるとダルタニヤンはとても一人の女性に対して純愛を貫くタイプには見えず(すまん)、そういうことをしそうなのもアトスだ。
・だからアトスは女性に裏切られたら笑って流すことができず、ずーーっとひきずってる。
・まじめだから。
・でもこの映画ではまじめなのはダルタニヤンだ。「簡単に取り下げられないから”誓い”と言うんだ」というセリフからもわかる。
・心優しい(人が好い)ポルトスと、策士で何考えてんだかわかんないアラミス、というのは原作に近い。
・「革命だ!戦争だ!」というアトスも違和感があった。王権神授説を信奉していたアトスはどこへ。
・冒頭、女性より大事なものがあるだろ、とアラミスがポルトスに対して言ったのが"Forgiveness."(許し)。ダルタニヤンが息を引き取る間際、アトスがダルタニヤンに対して"Forgive me."と言うところとリンクしているということに3度目に気づく。(遅い)
・アトスは三銃士の中でも特にダルタニヤンを可愛がっていたので、この二人が反目するというのはツライ。
・アラミスにも「ラウルを失い、次がダルタニヤン。彼を憎むなんて…弟みたいに思っていたのにつらかろう」と同情され、アトス怒る。痛いとこつかれたから。
・ダルタニヤンが噴水越しに剣を投げて暗殺者に命中するシーン、「すごいことしはるわ…」とゲラゲラ笑って見ていたけど、ラウルが戦死したあと銃士隊の通用門から入ってきたアトスが銃士の一人にやはり同じことをしていた。これ、絶対、アトスに教わったんだよね、ダルタニヤン。
・ダルタニヤンがどれほどアトスを尊敬していたか、この直後のシーンでもわかりますが(ルイに、自分は銃士になりたてのころ「剣を抜くたびに、”何を殺すかではなく何を生かすかをよく考えろ”と教わった。誰のことばだと思いますか? アトスです。」と諭す場面)、アトスに「裏切り者」と静かに吐き出すように言われて、大ショック。
・↑のシーン続きで、"Now if he has become our enemy..."斜体部分、よく聞いていると声がかすかに震えているよう。抑えているけど、ものすごくつらいダルタニヤン。(泣)
・アトスに思いっきりグーで殴られてよろけたダルタニヤンをとっさに支える副官くん。この人が地味にいい味。役者さんはエドワード・アタートンさん。空手黒帯・日本語ぺらぺらのイギリス人という。

・地下墓地で秘密の打ち合わせ「王さま、すげ替えちゃおうze★作戦。」のときも、アトスは思いっきりダルタニヤンに背中を向けて座っている。顔も見たくねえというわかりやすい意思表示。
・向き直ってくれたと思ったら「なんであんなバカ殿かばうんだよ!今度会うときはどちらかが死ぬときだ!」と言われちゃうダルタニヤン。(泣)
・怒って出ていくアトス。文字通りフォローするポルトス。ポルトス、いいやつ。
・アラミスに「何か重い秘密を背負ってるんだろう」と言われるけど、やっぱり親友にすら言えないダルタニヤン。
・それでもダルタニヤンはこの密謀のことは己の胸ひとつにおさめ、アラミスたちも(怒ってるアトスですらも)秘密を知られたからと言ってダルタニヤンに危害を加えないし口止めすらしない。
・この一事をもってすらお互いに対する信頼の深さ、絆の強さがわかるのですが、だから見ていてつらいんだよう。

・それでなくても秘密を抱えた身の上にまた一つ重い秘密がのっかったダルタニヤン。中間管理職の悲哀も手伝って、終始哀しそうな顔なのも頷ける。
・でも、なぜだかわからないが、誰よりも幸せそうにも見える。

・さて、ダルタニヤンの副官くん。よく考えたらこの人がフランスの歴史を変えたと言っても過言ではない。(笑)
・最後の方、この副官くんがルイに剣をつきつけて「わたしがこれまで理想としてきたのは、あの方だ」と言います。最初に見たときは、この「あの方」というのはフィリップのことだと思っていたのですが、英語では"All my life... all I ever wanted to be... was him."と言っています。
「これまでずっと、常にあんなふうになりたいと思ってきたのは、あの方だ。」しかも「was」と過去形で言っている。
・てことは、この副官くんの「理想としてきた人」はダルタニヤンで、彼は隊長がルイに殺された(これはダルタニヤンが息をひきとった直後のセリフ)ことを怒っている。
・そうでなければ、会ったばかりの馬の骨(すまん)に忠義立てしてルイとフィリップのすげ替えに手を貸し、部下に箝口令を布くというのが唐突すぎて不自然です。
・ルイとフィリップの父親がダルタニヤンだったことは知らない(と思う)けど、ダルタニヤンが身を挺してフィリップを守ったところを見て、その意を汲んだということだよね。
・うん、3回目にしてやっと筋が通ったぞ。すっきり。(遅い)

・というわけで、近衛銃士隊の皆さんは、副官からして王さまよりダルタニヤン隊長ラブです。だめだ、こんな近衛兵。

・この副官くんはキャスト表によればLieutenant Andreくんだそうだ。”アンドレ”て上の名前ですよね? 上の名前に階級つけるのっておかしくないのか?
・ダルタニヤンはCaptainと呼ばれている。字幕や吹き替えでは「隊長」。近衛銃士隊の隊長なんだからまちがいではないんだけれども、Lieutenantに対してのCaptainなら中尉に対して大尉くらい? 中世フランスの陸軍がどういう組織構成なのかよくわからないのですが、階級がわからないと権限がわからない。いや、階級がわかってもあまりわからないが。
・最初は流してみていたのであまり気にならなかったのだけど、このアンドレくんはダルタニヤンに心酔しているらしいことが、ちまちまとわかる演出になっています。
・①最初の方、ダルタニヤンがルイを暗殺者から守るシーン。ダルタニヤンが急所を外したにも関わらずルイが(もう動けない)暗殺者をわざわざ刺し殺したことで、あきれた顔して歩み去るダルタニヤンをずっと目で追う。
・②ダルタニヤンが民衆を迎えるシーンもはらはらしながら見ていた。無事に収束したときははーっと安堵のためいき。
・③三銃士の王さますげ替え作戦がばれて、水門のシーン。すんごーーく気が重そうに奥からのっそり出てくるダルタニヤン、三銃士との距離が狭まると迷わず隊長の前に出てアラミスに剣をつきつける。(ごめん、君の隊長、実は知ってたから…)


・「無益な殺生はせぬ」ダルタニヤン、機転を利かせて”お互いの王”を交換しようと言い出しますが、残念、フィリップはつかまっちゃいました。
・アンヌ(英語だとアン)王妃に、「二人? 一人ではなく二人いたんですか?」と「大事なことだから2回聞きました」なダルタニヤンに笑ってしまいました。全然笑うシーンじゃないんだけど。
・「あなたにこれ以上苦しみを背負わせたくなかったから、言えなかったの」というアンヌ王妃。22年以上このテンションで恋愛が続くというのが、すごいなあ。
・「身分違い」+「ばれたら破滅」という、古今東西燃えるシチュエーションではあるけれども。

・最初はつんとした感じでしたが、このアンヌ王妃もかわいい人。
・「息子の命を救ってくれたとか。」と言いに来るシーンは、そのあとの「ケガはありませんでしたか?」というセリフがきっと本命ですよね。
・自分の身を案じてくれたことを知って、ちらっと笑うダルタニヤンもいい。
・こういう状況だと、ちょっとしたことがすごく嬉しいよね。

・フィリップが死んだと知らされてアンヌ王妃が礼拝堂で泣いていると、ダルタニヤンが心配で思わず声をかけてしまうシーン。こんな大きな美しい目ですがるように見つめられたらダルタニヤンでなくても陥落してしまいそうです。
・抱きつかれて「わ、まずい…」と一瞬天を仰ぐダルタニヤンですが、「でも…まあいっか…」と目を閉じて抱きしめる場面は本当に幸せそう。

・ダルタニヤン、最後バスティーユに向かうとき、コバルトブルーの制服を黒い制服に着替えて行ってるんですね。服の色でどちらについたか意志を表明するというのは、良いと思います。
・字幕だとわからないのですが、銃士隊の制服の色が途中で変わったということになっていて、制服が黒だった頃というのは彼らにとって特別な時代だったということがわかります。
・口も利いてくれなかったアトスですが、ルイに刺され致命傷を負ったダルタニヤンが最後に倒れ込んだのはアトスの腕の中。アトスはひとこと、"Forgive me."とだけ言いますが、ダルタニヤンは最初から許していたと思うよ。


・最後の最後まで気になったのが、「三銃士はそれでいいのか」ということです。
・アラミスは「兄弟だから(取り替えても)謀反ですらない」とか言ってますが、その大前提からして崩れてるわけで。
・きっとあれだ。「ダルタニヤンの子だから、いいよな」「うん」「異議なし」てなったんだ。
・そういうことにしておこう。
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by n_umigame | 2011-11-28 00:40 | 映画・海外ドラマ | Trackback | Comments(2)
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Commented by 縁側昼寝犬 at 2011-12-01 22:39 x
「三銃士」への愛が詰まってますね。
私も実はその映画、大好きです!
Commented by n_umigame at 2011-12-02 21:37
>縁側昼寝犬さま
この映画好きだという方とはお友だちになりたいです(笑)。初見のときは「こんなダルタニヤンいやーん。でもガブリエル・バーンかっけー」とか思っただけだったのですが…。