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『孤高の警部 ジョージ・ジェントリー』#11「裁かれる者」 ; Goodbye China

ジェントリーのもとに情報屋のチャイナが死亡した知らせが届く。泥酔して転倒したケガで死んだというのだ。心を痛めたジェントリーが捜査をすると、チャイナは酔っていなかったことがわかる。さらに、チャイナを運んだ警官は救急車を使わなかったことが判明。
(AXNミステリー)


重い重いテーマでのしかかってくるドラマですが、今回は輪をかけて重い重い回でした。

それぞれがよかれと思ってしたことが、坂を転がり落ちるように裏目裏目に出てしまう、というたいへんツライ展開の回でした。
その「よかれと思ってしたことが裏目に」という輪の中に、ジェントリーが入っているので、なおさらつらかったです。

ネタバレにつきもぐります。










冒頭、美人巡査トンプソン登場。
署長(てあれか、バッカスの舅ですよね)の運転手として配属されたようです。
トンプソン巡査にも「お話しできて光栄でした」と冗談半分まじめ半分に敬礼され、職場の人たちにも次々にていねいに挨拶されるジェントリー。
最初は奥さまを殺されて、傷心のまま都落ちしてきたジェントリーですが、「ずっとここにいてください」と言われたり、すっかりこちらの職場になじんだ様子です。

そんな中、ジェントリーの情報屋の通称「チャイナ」が遺体で発見されます。
検視に不審を抱いたジェントリーは自分で調査を始めますが、自分を慕っていたチャイナを(本人のためによかれと思ってしたとは言え)突き放すように別れたジェントリーとしては、そこもひっかかっている。
バッカスはそのジェントリーの気持ちを見抜いてなぐさめたつもりが、「ジョン、帰れ」と、怒らせちゃいました。
「帰れ」って言われたのにやっぱりついてきたバッカス、看護師さん見て「いいなあ」とか言って、「指輪してたろ、人妻だぞ!」とさらにジェントリーに叱られちゃいました。
相変わらずです。

今回は、トンプソン巡査部長との関係がサブプロットにもなっているのですが、「評判どおり、ルールはルール、なんですね」と言って振り返るシーンで、同じフレームにジェントリーのデスクの上の奥さまの写真が入ることで、ジェントリーがまだ吹っ切れていないことがわかります。

一人一人の登場人物について、ことさらていねいに描かれた回でもあったと思いました。

まずジェントリーの元部下で現・警視アラン・シェパードは、ジェントリーに「彼はまっすぐな男だ」と言われたとおりの人でした。けれどもその姿は「規則は絶対に曲げないという評判どおり」というジェントリーも、一歩間違えれば同じことをしたかもしれない。
その一線を越えなかったのは、ジェントリーには、そうまでして守るものがなかったというこの皮肉。
そのシェパード警視の部下のトミー・モロー(看護師さんの夫)は正義感が横滑りするタイプで、「忠実すぎる」と言われたように、とてもまじめな人です。
良くも悪くも(自分が)正しいと思いこんだら一直線で、それがいい方に出れば、1年以上浮気していた奥さんに「愛している」と堂々と言えるところになって表れ、裏目に出れば、少年たちへの過剰な体罰という方へ表れる。
誠実さは諸刃の剣だという見本のような人でした。

これだけでもどっと悲しいのですが、チャイナがとどめ。
「手紙」にしかできない、心にしみる演出でしたね。これはメールにもTwitterにもできない技です。
出されなかったチャイナの手紙を読んで、それでなくとも負い目を感じていたジェントリーはことの次第をすべて理解してしまいました。
チャイナは「正しいこと」をしようとして命を落としたのでした。
ジェントリーは第1話で奥さまが亡くなったときも夜の海で一人で泣いてましたが、泣くときはいつも一人で、バッカスが指摘したように、「誰かいたほうがいいよ、この人には」と、心から思ってもらい泣きした回でした。ウワーン!!・°・(ノД`)・°・

つらいつらい回でしたが、バッカスがどんどん成長してきて、(最後の「帰りましょう、警部」とか)見ていて楽しかったりちょっぴりさみしいような気もしたり。

まず通りすがり、バッカスと並んで歩いていたジェントリーがトンプソンにキスされ、振り返るとバッカスのニヤニヤ笑いが!!もう!!(笑)「口は固いですよ」って、ほんとかよ~(笑)。

少年の家に不法侵入するときのやりとりもグー!
「侵入しますか?」
「ほかの言い方で」
「午後は休みを取っても?」
ナイス・バッカス!!☆

「いいかげんにしないとはり倒すぞ、小僧」というセリフで、ジェントリーが「sunny boy」と言っていましたが、「クイーン警視もジミーにsunny boyて言ってた@九尾の猫!!!」とテンションだだ上がり…すみません脱線して。

四苦八苦ブタさんを乗り越えるバッカス。
このブタさん、大きいですねー。
このバッカス大活躍(ただし不法侵入)のシーンではロックンロールが楽しかったです。

ジェントリーが逆上してバッカスが止めるというシーン、再び。
バッカスが成長しつつあるから、ジェントリーも安心してハメをはずせるようになったということでしょうか。
もう一歩だ、バッカス!!(何が)

あっという間に撤去される自販機に笑いました。
大不評だったんだね。

この重くも愉快なドラマもこれでいったんストックもなくなり、しばらくはお預けとなりそうです。
まだまだ続けられそうではありますが、役者さんたちは生身の人間ですので、できうるならば早めにおかわりをお願いいたします!
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by n_umigame | 2012-01-16 19:34 | 映画・海外ドラマ | Trackback | Comments(2)
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Commented by カクテキ at 2012-01-21 14:52 x
おバカさんのようでいて、妙に察しのいいバッカス、成長ですかね。
「午後は休みをとっても?」のくだりはお気に入りです。
「帰りましょう、警部」で決壊しそうなのをこらえましたが、チャイナの手紙のところではだめでしたよ。
本当にひとりひとりを丁寧に描写しているドラマですよね。
続編が待たれます。
Commented by n_umigame at 2012-01-23 18:41
>カクテキさま
わたしも今回は最後で泣いてしまいました…。
登場人物の作りこみと描写が丁寧なドラマですよね。
これだけ脚本を練ろうと思ったらかなりたいへんなのではないかと思いますが、ぜひぜひこのクオリティを保ったまま続編も製作されることを祈っております。
個人的には、バッカスが成長してきて、ちょっぴりさみしいです(笑)。