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『キングを探せ』法月綸太郎著(講談社)

奇妙なニックネームで呼び合う4人の男たち。なんの縁もなかった彼らの共通項は“殺意”。どうしても殺したい相手がいる、それだけで結託した彼らは、交換殺人を目論む。誰が誰のターゲットを殺すのか。それを決めるのはたった4枚のカード。粛々と進められる計画に、法月警視と綸太郎のコンビが挑む。(Amazon.jp)


ハイオク満タンというわけにはいきませんが、親子萌えチャージです(笑)。

何だかんだで法月親子のシリーズはほぼ全部読んでいます。
もちろん、法月警視の方が好きですが、何か。
書店の店頭に1冊だけ残っていて、買おうかどうしようか迷ったのですが、ぱら読みしましたら、わたくしの大好きなクイーンの『帝王死す』からの引用があり、おお、かのバカミス楽しいミステリからの引用があるからには、きっと楽しい本に違いないと思ってそのままレジに直行しました。
装丁も良いなあと思いましたら、クラフト・エヴィング商會さんでした。ステキ。


今回の作品は、これまでに比べて軽めで、かと言って謎解きミステリとしてつまらないというわけではけっしてなく、楽しくさらっと読めました。

物語は、4人の人間が、4枚のトランプのカードを使って、くじ引きで交換殺人を目論むところから始まります。
本格ミステリというと「人を殺すのに、そんなしちめんどうくさいことするやつがおるかい」というツッコミがかかせませんが、そこは言わない約束ですのでよろしくお願いします。
いわゆる倒叙形式から始まるのですが、これが意外とすぐあらぬ方向から破綻し、このまま玉突きで描写していくと「輪」のとじ目が見えてしまうところをどうどんでん返しが来るのかな、と思って読んでいましたら、最後の方は「え、ちょ、もう一回説明して?」というような理屈が楽しい(笑)ミステリになっておりました。

さらっと読みやすくてこれくらいの方がいいかなと思うのですが、単行本を2時間ほどで読み終わってしまうとコストパフォーマンスという点では痛いので、だからめったに日本の小説単行本で買いませんごめんなさい。

法月親子のシリーズは長編はとにかく暗くて湿度が高い印象でしたが、今回はそんなことありませんでした。親子初登場の『雪密室』からして暗くて、「そんなフクザツな関係にする必要があるのかしら…いや、今後あるのかもしれないから、しばらく様子を見よう」と思って様子を見ていたら、特にそれについては言及されることもなく早…何年なんだろう。
クイーン親子と比べると、息子の方が暗いのはタイですが(おいおい)、パパの方はご本家の方がダントツ明るいし、息子以外の人間に対しても人なつっこいので、それで、より重く感じられるのかなあと。

あと、大きなお世話ですけれども、ワーカホリックなのはクイーン警視も法月警視もいい勝負ですけど、法月警視は食生活がいい加減すぎます。今時チェーンスモーカーと言ってもいいくらいだし(食後にほかの人がいる場所で喫煙するときは断ってほしい)、夜中に帰ってきて店屋物だし(息子の分まで食べるし…ここは笑いました)、これで生活習慣病と無縁とは思えないですよ。
クイーン警視は料理ができるし(上手なんですよ)、嗅ぎ煙草をやめてからも巻き煙草(シガレット)にもほとんど手を出さないどころか、チェーンスモーカーのエラリイに「その肺ガンの元を今日は何箱吸ったんだ!」と怒ったり(@1963年にですぜ?)、64歳になるまで老眼来ないし、手近にあるお花でぱぱっとブーケを作ったりして女子力高いし。(健康管理と関係ない)

『盤面の敵』と『帝王死す』がまた読みたくなっちゃいました。
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by n_umigame | 2012-01-27 20:55 | ミステリ | Trackback | Comments(0)
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