『三日月とクロワッサン』須藤靖著(毎日新聞社)

相対性原理によれば、「負の人生」など存在しない。
幸せに対する客観的な定式化を試みた人類初の「幸せ相対論」ほか、物理学の視点から、日常の疑問や不満を斬新な理論へ大展開。宇宙を覆う謎のダークマター・ダークエネルギーの専門家が、社会、世界、そして人生に新しい視座を与える。第一回「いける本大賞」(編集者・記者たちが“本音で”選んだイチオシ本)受賞の著者が綴る爆笑エッセー。宇宙から俯瞰する相対論的思考のススメ。
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あの、大爆笑エッセイ集『人生一般ニ相対論』が、内容は前作のクオリティのまま、お値段はリーズナブルになって、帰ってきた!!
ブラボー、毎日新聞社!!

ファンは感涙、大喜びで庭かけまわるでございます。(庭、ないけど。)

今回は、T大出版会のPR誌『UP』で3分の1くらいは読んでいたのですが、こうやって本になってまとまって読むと、また、楽しさ数倍です。(あまり伏せ字にする意味がないようにも思うけれども、著者に倣ってT大出版会とさせていただきます(笑))

何でも、前回のご本は著者とタイトルから、書店では物理学のところに配架されているとのことで、それって、ある意味、詐欺ですよね(笑)。
著者は「お笑い芸人のエッセイ集のところに置くべきだ」とおっしゃっていますが、ふつうに文芸エッセイでいいと思いますけれども?

今回収録されているエッセイの中では、「夜空ノムコウに思いをはせる」が印象に残りました。
「すでに知られている謎を解く」ことが科学であると考えている人のほうが多いであろう。しかし私はむしろ逆で、「誰も気がついていない不思議な謎を発見する」ことのほうが科学の本質に近いと考えている。

とおっしゃっています。
そして、アシモフの『夜来たる』を引いて、
我々があまりにも慣れすぎており疑問に思うことすらない事実に本質的な謎や深い真理が潜んでいることに気づかされる。

とも。

「センス・オブ・ワンダー」の本質を的確に言い得た言葉だと思いました。

また、『UP』誌でも読んでいたのですが、当時話題になった「ネットカンニング」について考察(笑)された「サイコロを振れ、受験生」も大爆笑でした。

「無意味に長い後書き」での、第一回「いける本大賞」受賞された経緯で、奥様がたいへんクールにして的確な指摘をされた部分も爆笑しました。(ご冗談でしょうけれども事実かもしれないというスレスレの線が、またいいなあ)

学術論文かと見まごうようなびっしりとした脚注つきで(これがまた大爆笑なのですが)、ふつうに書くよりたいへんな気もしますし、お忙しい合間を縫って執筆されていると思いますが、もっとひんぱんに須藤先生のこんな文章が読みたいです。
2冊目が出たばかりで贅沢な望みとわかっていますが、どこかで連載でもお持ちにならないだろうかと期待してしまいます。
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by n_umigame | 2012-02-26 20:57 | | Trackback | Comments(0)

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