*さいはての西*

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『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』(2011)

ヨーロッパで連続爆破事件発生。天才的な頭脳を持つ名探偵ホームズは、皇太子が殺害されたと推理。ホームズの前に立ちはだかるのは、モリアーティ教授(ジャレッド・ハリス)。この事件は首謀者モリアーティ教授によって画策された、より大きな犯罪のパズルの一つにすぎなかったのだ。事件の捜査を進めるホームズは、鍵を握るジプシーの占い師シム(ノオミ・ラパス)に出会う。ホームズ、ワトソン、シムの3人はイギリス、フランス、ドイツ、そしてスイスへと次々に大陸を横断して捜査を進めるが、次第に危険度を増してゆく。しかも、常にホームズたちの一歩先を行くモリアーティ。彼の策略が成功してしまえば、歴史の流れを変えてしまうほどの死と破壊の渦巻く世界になってしまうのだ。果たしてホームズたちは、いかにしてモリアーティ教授の陰謀に立ち向かうのか……?
(goo映画)



話の筋は前回と同様、中だるみします。いろいろと詰め込みすぎな感じで、なのに展開が早すぎて説明不足。観客がおいてけぼりです。風呂敷は大きくなったものの、途中退屈だったのはそのせいかと思われます。
伏線が「あ、これ伏線だ」とわかりすぎ、そして回収するときも「はい、ここで回収しまーす」という感じで、ここも残念ではありました。

しかしもう、ストーリーテリングで引っ張る映画ではないということも、ましてやミステリではないということも前作で証明されており、何はともあれロバート・ダウニーJrのホームズと、ジュード・ロウのワトソン、この二人の魅力は健在。いや、ある意味パワーアップ(笑)。
とっとと女性キャラを文字通り「ぽい(捨て)」したところには大爆笑でございました。ひどいなおい。

この映画を見る前にDVDレンタルで見た映画がいやな味になって舌に残っていたのですが、おかげでさっぱりしました。ありがとう。

ワトソンはアシスタントじゃないよ、パートナーだよ。

それを端的に示して、これほど魅力的に見せたという意味で、もう成功していると言っていいと、改めて思いました。

以下ネタバレにつきもぐります~。
BBCドラマ『SHERLOCK』シリーズ2の第3話のネタバレもありますので、ご注意ください。








いきなり個人的な好みの話になって申し訳ないのですが、わたくしはバディものが大好物であります。それで、前回のパンフレットでは大槻ケンヂが「BL」談、今作では腐女子対談を行ってくださっているわけなのですが、ちょっと違うんじゃないかなあと思いました。
ワトソンは原作どおり普通くらいに女好きで、ホームズもアイリーンが死んだ(かどうか謎ですが)ことを知って悲しみますが、ホームズとワトソンの絆の強さ・深さは、それぞれに愛する女性がいるということと矛盾しない。(ときにはちょっとしたさや当てがあっても(笑)。)
そこがいいというか、わたくしはむしろ、そこが好きなのです。おそらく二人がふつうにホモセクシャルな関係だったら、こんなに萌えない(笑)。
BBCの『SHERLOCK』シリーズ2を見てしまったのですが、こちらのホームズとワトソンの関係は50/50です。「I owe you.」というセリフが「滝」ではキーになっていて、モリアーティもワトソン(こちらはジョンと呼ぶ方がすでにしっくりきますが)も、同じセリフをホームズ(シャーロック)に言います。
モリアーティはシャーロックという強い光を放つ名探偵が生んだ、濃い影、という意味で、まさしく「I owe you.」ということが理解できるのですが、ジョンです。
一見常識があって誠実で、頼りになる印象のジョンですが、戦地から帰ってきた彼がどれほど孤独だったか、癒えない心の傷をどれほどの矜恃で持ちこたえていたか、そこへ現れたシャーロックがジョンにとってもどれほど支えになっていたかということがクローズアップされて、涙を禁じ得ませんでした。
映画の方は、どちらかというとホームズがワトソンにぶらさがってる感じを受けていたのですが、意外と(ごめんね)そうでもなかったというところが何度かチラっと見えて、そこがいいなあと思いました。

それにしても、RDJホームズは変人を通り越してもう変態(笑)。変装と言うよりもう仮装ですよね。最初の中国人コスプレからして、ヅラがぴったりあってなくて「ドリフコントかよ」とつっこんだ人、手をあげて。はい!
そして酒癖が悪くて賭け事大好きなワトソンの一面が見られたのもいいですね。おでこにトランプ貼り付けてげらげら笑ってるシーンとか、大笑いしました。メアリーが苦労しそうで、女性として同情してしまいます。(銀行に勤めていた友人が「ギャンブル好きの男はあかんよ」と言ってました…)
RDJは安定の演技力。パンフレットを読むと、ジュード・ロウはきちんと演技の訓練を受けた俳優だけど、自分は見よう見まねだから…とインタービューに答えていましたが、やっぱりRDJ、芸達者。前作でも思いましたが、目がいいですよね、犬みたいで。(褒めてます)あの大きなくりっとした目がさみしそうにしていると、ほんとにさみしそうです。結婚式でワトソンとメアリーが教会から出てきて皆に祝福されているシーンで、おざなりに2回だけ拍手して二人が見えないところに出て行ってしまうシーンは可愛い…いえかわいそうでした。
今回は好きなシーンがたくさんあったのですが、予告でもあったライフルを手渡すシーンは大画面で見るとやっぱりイイv
男同士でダンスするシーンは大爆笑。なんでだ(笑)。周りが誰も見てないのが不思議でした。ホームズが「May I have the preasure?」とばかりに手を出して、ワトソンが「よろこんで」と受けるところもおかしい。ヨーロッパ列強各国の要人が集まるパーティのわりにはダンスホールが狭すぎるのがちょっと気になりました。
モリアーティはジャレッド・ハリス。リチャード・ハリスの息子さんなんですね。言われてみれば似てるかも。BBCドラマ版のモリさんほど頭のネジがぶっとんだ感じがせず、そこが残念でしたが、シューベルトの「鱒」を朗々と歌いながらホームズを鉤針の先に文字通り「釣って」、疑似餌にしてワトソンをおびきよせるとか、やっぱり変態です。しかもホームズが痛くてギャアアアア!とか叫んでる声をスピーカーで大音量でワトソンに聞かせるって、このどSさん★

ライヘンバッハの滝は、うんうん、なるほどね。
このシーンも好きです。ワトソンがホームズの弱点であるという解釈(というか明白たる事実?)はBBCドラマ版もこの映画も同じでした。しかも自分が飛び降りるところをワトソンに見せるというのも同じ。BBC版では「シャーロック、ジョンに謝れ、スライディング土下座で謝れうわああああああん!!」となりましたが、こちらもちょっとなりました。ホームズが飛び込む直前に、ワトソンと目が合い、目を閉じるシーンが良かったです。なぜそんなに幸せそうにほほえむんだ。ワトソンに謝れ。

ゴルゴ13も真っ青のスナイパー、モラン大佐もモリアーティに心酔しているような描写でしたが、いっしょにオペラに行けなくて淋しいです、って、ちょっと。生き埋めになったモリアーティを掘り出したときのモラン大佐も半端なく怒っていましたが、こちらはこちらで男二人で盛り上がっている感じでした。

マイクロフトお兄ちゃんも登場しましたが、この人が裸族でして、しかもいつもお供につれている若い男性といい、「たとえ女性でも家に誰かがいるのはいいものだ」と言ったり、お兄ちゃんももしかして…? みたいな、全編これゲイテイストあふれる映画でした。
あのぷるぷるしてる執事さんがかわいかったです(笑)。

『ドラゴン・タトゥーの女』ノオミ・ラパスがジプシーのお姉さん役でした。物語の展開的に必要なキャラクターだったのかどうかちょっと謎だったのですが、ホームズが心停止したり、ホームズのお葬式では傷心のワトソンに寄り添って慰めてくれていました。これ本当はメアリーの役どころだと思うんだけれども。

キャラクターも出そろったことですし、次回作があったら(同じキャストだったら)また見に行きたいです。
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by n_umigame | 2012-04-21 00:03 | 映画・海外ドラマ | Trackback | Comments(0)
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