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*さいはての西*

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『ルイス警部』 #16「真実が招く悲劇」; Falling Darkness

ホブソンの大学時代の同居人ライジーアが殺される。他の元同居人らの身辺調査が進められる中、今度は彼女たちが大学時代に住んでいた家で殺人が起きる。その家の冷蔵庫の扉には、ホブソンと事件との関係をほのめかすメッセージが残されており、彼女は主要容疑者となってしまう。さらに、彼女に関するある驚愕の記録が発見されたことによって、ルイスでさえも彼女を疑わざるを得なくなる。はたして、ホブソンは本当に殺人犯なのか?
(チャンネル銀河HP)



ホブソンがかわいい回でしたね!


以下ネタバレにつきもぐります。























第15話がプロット最後丸投げた印象でしたが、今回は逆にちょっと詰め込みすぎというか、過去の人間関係をややこしくしすぎな印象でした。何時代の月9ドラマやねんという感じで、三角関係どころかもう四角五角に入り乱れていました。

いきなりルイスがはじけてます。イギリスでもハロウィーンって行事としてやるんですね。ルイスは仮装用の目玉がびよよーん眼鏡まで装着して、やる気満々です。さすがは子煩悩でならしたルイスの面目躍如…と生あたたかくほほえみながら見ていたら、ハサウェイが訪ねてきて、「………(-д-)」という顔になってるのが笑える。アメリカだったら撃たれてても文句は言えないレベルだと思います。(いやいや)

ルイスがイノセント警視正とホブソンから「ロビー」と愛称で呼ばれていて、なごみました。元上司のモースといっしょで長年クリスチャン・ネームが不明だったルイスだったことを思い出しました。ちなみにクリスチャン・ネームはロバートなのですが、ボブでもロブでもなく「ロビー」と呼ばれているというのがルイスらしくていいですよね。似合うし(笑)。

今回はいつもにもましてルイスを見ていて「誠実に勝る知恵はなし」という格言を思い出しましたが、ホブソンが容疑者として浮上し、身辺の調査をせざるをえなくなります。
ルイスはホブソンが「自分には絶対に嘘なんてつくわけない」と断言しますが、状況証拠はホブソンに不利なものばかり。ハサウェイはそこをついてルイスにたしなめられるものの、「客観的であろうとつとめているだけです」と言われて、事実返す言葉がないこともよくわかっています。

犯人の動機はFFI(Fatal Familial Insomnia : 致死性家族性不眠症)でしたが、これは日本よりイギリスで、より、犯人の絶望感と恐怖が説得力のある動機だったのではないでしょうか。
かくいうわたくしも『眠れない一族』を読むまで知らなかったのですが、これはいわゆるプリオン病と呼ばれる致死率の非常に高い病気です。中高年を過ぎる頃に発症し、最初は眠れなくなり、だんだん痴呆が進み、やがて死んでしまうとか(ドラマの中でルイスが説明していたとおり)。最近あまり話題に上らなくなりましたが、かつて一世を風靡した狂牛病にかかった牛などを食べることによって感染します。実際にイギリスでヒトへの感染例が報告され、たいへんなことになっていることが伺えました。(『眠れない一族』のわたくしの感想はこちら。興味のある方はどうぞ。)

この本で得た知識からすると犯人は発病するのが早い印象ですが、そんなことより若奥さん怖い。不眠症であんな表情なんだということは後でわかりますが、それよりなにより、あの赤ちゃんが人形だったことが何より怖いです。
もうクライマックスなんて、廃屋の病院と移葬の進んでいる墓地が舞台とか、ホラーでしょ、これ!

最終的には知らぬ間にとばっちりを受けたばかりか、そんなはた迷惑な人たちをずっと親友だと思っていたホブソンがかわいそうでした。
生き埋め寸前にルイスとハサウェイに助けられて、それでもわーわー泣いてるホブソンが可愛いと思ってしまいました。

ホブソンの、そのはた迷惑な学友役が、酔いどれの画家くずれにレストレード警部ことルパート・グレイヴス。単発のミステリドラマに出てくるとろくでなしの役が多い気がします(笑)。エレン・ジャコビー役はアガサ・クリスティーのドラマにも出ていましたね。(ちょっと調べたら『ミス・マープル』でエマ・クラッケンソープ役でした)
by n_umigame | 2012-04-24 22:54 | 映画・海外ドラマ