*さいはての西*

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ミステリ論関連本、2冊

『ミステリ文学』アンドレ・ヴァノンシニ著/太田浩一訳(文庫クセジュ)白水社

先駆者ポー、ドイル、最盛期のクリスティ、フランスのルルー、ルブランなど──英米のみならずミステリ文学の世界を広く紹介。人気のサスペンス小説、近年の潮流についても言及。
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この手のミステリ文学論ではエラリイ・クイーンに言及してくれる人があまりいない気がして、エラリイ・クイーンについて書かれているというだけで買ってしまいました。
著者のアンドレ・ヴァノンシニ氏は現在スイスのバーゼル大学教授だそうですが、イタリア系みたいなファミリー・ネームですね。

エラリイ・クイーンについてはその形式として
「リチャードが警察組織をうしろ楯に捜査をすすめるいっぽう、息子のエラリーは知性というよりも独特の嗅覚によってい謎を見ぬこうとする」
とあり、うんうんとうなずいてしまいました。
ですよねー。
クイーンの作品は言われているほど「論理の権化」ではないと思っているのですが、あまりそう言ってくれる方にお会いしないので、うれしかったです。
エラリイ・クイーンの作品の楽しさ、おもしろさはそこ(だけ)にあるのではないと思っているので、もういいかげん論理、論理という言い方以外でおすすめしてほしいと思う次第であります。その方が読者の裾野が広がると思うんだけれど。



『本格ミステリ鑑賞術』福井健太著(キイ・ライブラリー)東京創元社

フェアとアンフェアの境目はどこにあるのか、作者の仕掛けた伏線やミスディレクションをどのように評価すればよいのか、叙述トリックは本格ミステリ史のなかでどのように位置づけられるのか―エドガー・アラン・ポオや東野圭吾など、古今東西の傑作を具体例に挙げて、知れば必ず本格ミステリの面白さが倍増する鑑賞術を、余すところなく紹介する、類例のないガイドブック。
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うーんうーん。
この本もクイーンにつられて買ってみました。が、雑誌『ミステリーズ!』に連載されていたそうなので、やっぱりコアなファン向きなのかなあという感じでした。

申し訳ないけれども、この本を読んで紹介・引用されている作品を読んでみたいと思われる一般的な読者がどれくらいいらっしゃるのかな…という印象です。
おまけに、けっこう遠慮なくネタバレされているのですが、わたしだったら一ファンとして、たとえばクイーンの最初の一冊に『十日間の不思議』はお奨めしません。
よりにもよってなんでこれからネタバレを?

ミステリーのファンであるはずの方が書いたミステリ評論などを読んでいると、この方たちはファンの裾野を広げたいのか、逆に敷居を上げて「めんどうくさそうだな…」と思わせたいのか、わからなくなることがあります。
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by n_umigame | 2012-04-25 21:38 | | Trackback | Comments(0)
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