*さいはての西*

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『ルイス警部』 #19「心の闇」;The Mind Has Mountains

製薬会社による抗うつ薬の治験の最中、被験者の女子学生エイミーが殺される。治験を監督する精神医学教授、その助手、残りの被験者5名は、いずれも犯行が可能であり、それぞれに動機が存在する。そんな中、別の被験者が治験薬を大量服用して自殺する。この薬が被験者らの心に何らかの悪影響を与えていることは確かなようだ。エイミーの殺害は薬の悪影響がもたらした結果なのか、それとももっと陰惨な事実が隠されているのか。
(チャンネル銀河HP)



今回はちょっぴりホラー回でした!怖かった!


以下ネタバレにつきもぐります。
















ミステリドラマとしてのプロットが、煮込み作り込みの気合いがハンパないシリーズ5ですが、今回はちょっと作り込みが過ぎて、途中で犯人がわかってしまったかもしれません。
いわゆる「レッド・ヘリング(誤導)」の部分が「これ誤導ですよー」と旗振り過ぎと申しますか。
そんなわけで、誰が見ても好感が持てないガンザ教授(「ガンサ」と聞こえます)は、いかにも怪しすぎて早々に犯人の候補から除外されますし、被験者の一人の証言からも犯人は女性だろうということがわかってしまいます。
ただ、さすがに動機の部分が最後までわかりませんでした。

また、今回の犯人はウソをついているという自覚がなく、ルイスですら、あの恐ろしい紙ゴミスクラップ・ファイルを見るまで気がついていないふうだったので、「ルイス逃げてダッシュで逃げてー!!!」という部分がまるでホラーでした。怖かったです。
ルイスはよくケガをしますが、もう警部なんだから自重してください(泣)。あなた一人の体じゃないのよー!
ラストで取調室で目を見開いて空を凝視している犯人、怖かったですね…。たとえ病んでいるにせよ、何が恐ろしいって、悪気がない人ほど恐ろしい人はいませんよ。このあと有罪にできるのかどうかも微妙な線で、それもちょっとすっきりしませんでしたね。

さて、今回の愉快シーンですが。
・冒頭、ハサウェイはエスニック料理店でテイクアウト。(イギリスではTake awayって言うんですね。持って出るだけでなくてどこかへ行くんだから、こちらの方が英語の表現として正しいのかも。)
そこでなんと、ホブソンがステキなロマンスグレーの男性と食事しているのを偶然目撃。ホブソンもハサウェイに気づいて、どちらも気まずそう。一瞬の逡巡の末、手をひらひらっとして挨拶するハサウェイ。どちらも顔が笑ってないのがおかしい(笑)。

・ハサウェイの髪型がまた微妙に変わっている気がしたのですが、後ろを刈り上げましたか。また骨格見本的ヘアスタイルに?

・ルイスに話すべきか話さざるべきか。でもやっぱり話さないハサウェイ。どころか話をそらすハサウェイ。

・そんな中で被疑者どうしがケンカ。女性の制服警官が殴られて怒るハサウェイ(「女性を殴ったな、しかも警官を」)がジェントルマンでした。

・このアダム役の役者さんどこかで見たな…と思っていたら、『ラブ・アクチュアリー』でリーアム・ニーソンの息子役だったあの子じゃないですかー!大きくなってまあ!(←おばちゃん)顔、そのまんまですがな!こんなふうに成長する人、いるんですねえ。ヒュー・グラントとお祖母さま同士が姉妹なんだそうです。余談ですが『ラブ・アクチュアリー』のローワン・アトキンソンは良い役でした(笑)。あんなに出が少ないのに忘れないですね。

・ルイスに対して露骨にそっけない態度を取ってしまうホブソン。やはりルイスに対して気持が傾いている自覚があるのに別の男性と食事して、それがなんとなく後ろ暗いからでしょう。ホブソンもまじめというか誠実な人です。

・どういうわけだかルイスもイライラ。ルイスにしたら身に覚えがないのにホブソンに冷たくされて気になるのはわかるけど、珍しく、失態を招いた制服警官に対して嫌みったらしい言い方で怒鳴ってしまいます。制服警官くんは確かに失敗はしたけど、すまんがここ、ルイスの八つ当たりにしか見えない。

・そんな二人の様子をはたで見ていてイライラするのは、上司のイノセント警視正。「正直、ときどきイライラするの。どう見ても好き同士だと思わない?」
ハサウェイは「考えないようにしています」
イノセント「頼りないわね」
…って、イノセント警視正、ハサウェイに何を期待されているわけで!?(笑)
「もうつきあっちゃえよ、二人とも!つか、つきあってないのかよ!」って皆さんが思ってるってことですよね。そらーイライラするわー(笑)。

・精神科医に対して不信感があるルイス。それもこの事件全体に対してルイスがイライラする原因に。
優秀な警察官であるルイスは、自分が精神科医に対して偏見があることをきちんと自覚しています。その理由もわかっていて、奥様が亡くなったときに無理矢理奨められてカウンセリングを受けたとき、ルイスは「妻がどんなにすばらしい人だったかや、そんな彼女を失ってとても寂しいことを聞いてほしかったのに」、いかにもカウンセラーが聞き出したがりそうな(分析しやすいような)怒りだの自責の念だのを、ルイスから引き出したがったからでした。
カウンセリングを受けたことはわたくしはありませんが、問題点がかいま見えるシーンですね。

・実は精神科医がらみの事件だからやけにイライラしているルイスだったのですが、ホブソンに「なんでそんなにイライラしてるの?」と問われて、「わかってるだろ?」と返したところにタイミング悪くハサウェイがやってきます。
ハサウェイが男性と食事していたことを話した、とホブソンは思い込んだ様子です。
ハサウェイはルイスの教育が行き届いていますし(笑)、元々ルイスのプライベートには立ち入らないように気を遣う人なのですが、ルイスとハサウェイの仲良しツーカーっぷりを平素見ている身としては、そう思うのも無理はない。

・ルイスは長年のつきあいから、自分がなぜ精神科医が嫌いなのかホブソンが理解してくれていると思っていた様子です。
でも、二人の関係が次のフェーズに移りつつあるのに、それはちょっとホブソンがかわいそうかも。というか、ルイスもそう言えばいいのに。言わずにわかってもらおうとするところは、よく仲間からも指摘されているルイスの欠点でもあります。

・それでなくとも後ろめたいのに告げ口されたと思い込んだホブソンは、一度は怒ったもののやっぱりあんまりな態度だったかな…と、「わたしたちの間で誤解はいやだから…実は元彼なの。フランコって言って…」とルイスに打ち明けます。場所はモルグですよ(笑)。
ニコリともしない、表情が固いルイス。まだ怒ってるっぽい。「ああそう、言ってくれてありがとう」と。
ルイス、それ、「ありがとう」っていう態度じゃないよ。

・取調室のマジックミラーの外側で、ルイスに取り調べられるハサウェイ。「ちょっと聞いたから言ってもいいぞ」
「余計なお世話だと思って、黙ってました」
ですよねー。ハサウェイは悪くないよ?わたしがハサウェイでも言わないよ。
だって、つきあってるのかどうかわかんないじゃん!
「こんな嫉妬してバカみたい…」と言いかけるルイス。やっぱり嫉妬だったのかい。
このあと自分の言葉から事件の糸口をつかんで、仕事モードになっちゃいました。

・ルイスはホブソンに「わたしたちは別にそういう関係でもないんだし」と言いますが、そうですよね。
でもそれが周囲から見て問題を複雑にしとるんですがね(笑)。
ホブソンだって、長いつきあいでルイスがどんなに愛妻家だったか知ってるし、奥様が亡くなったあとのルイスの様子もずっと見てきているわけなので、自分から積極的に攻めるのもためらわれるという気持ちもわかるなあ。相手のことが好きならなおさらですよ。

・というわけで、ここはルイスががんばれー。(←)

・最後にガンザが昏睡状態の妻に読み聞かせる『ジャンブリーズ』が気に入りました。
本、買ってしまいました。(挿絵エドワード・ゴーリー。すてき。)
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by n_umigame | 2012-05-14 21:59 | 映画・海外ドラマ | Trackback | Comments(2)
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Commented by カクテキ at 2012-05-16 13:41 x
真犯人はもう一般的な捜査で対処できる相手ではありませんでしたよね。
他の被験者たちも心が不安定だったり、やましいことしていたり、いつも以上に証言の信憑性のなさがきつかったです。
ガンザ教授が、妻の回復につきっきりなのに、被験者には一切関心ないところも怖かったですよ。

それに比べてチームパートは微笑ましすぎます。
自分で話す前にハサウェイに告げ口されちゃった、と思ってるホブソンも、
彼女の機嫌が悪い…となってるルイスも、
そんな二人の関係にヤキモキしているイノセントも、みんなかわいいです。
なのでプライベートは任せていると、一切口出ししないハサウェイが今回は一番大人だったかもしれません(笑)。
Commented by n_umigame at 2012-05-18 20:18
>カクテキさま
今回の犯人はミステリ的には反則スレスレでしたね(笑)。
全員精神的に不安定だったりして「証言が信用できない」というのが、真相を隠すためにウソをつくというのとまたちょっと違って。
これをやられると、最後に誰を犯人にしても「この人、ちょっと、あれなんで」って言い逃れできちゃいますものね。

ハサウェイがちょっとルイスの保護者っぽいとわたしも思いました^^
「自分できちんと解決してくださいよ」とか言ったりして。