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『ジャンブリーズ』エドワード・リア文/エドワード・ゴーリー絵/柴田元幸訳(河出書房新社)

詩人リアの傑作5行詩(リメリック)に、奇才ゴーリーが絵を描いた! ジャンブリーズが住む海の向こうへ……。ふたりのエドワードによる、ナンセンスにあふれたごきげんな絵本! (出版社HP)


ドラマ『ルイス警部』の第19話で「ふるいに乗って海に出た…」と、登場人物が読み聞かせるシーンで一目惚れ(一聞き惚れ?)しまして、しかも河出書房新社からゴーリーのイラストで出ているとあっては、もう中味も見ずに購入決定でした。

期待に違わず、とてもおもしろかった!
絵本なので、すでに何度も何度も読みました。

リメリック(5行詩)と呼ばれる形式の作品ですが、英語も読みやすいです。
これは翻訳がたいへんだったかと思います。

ゴーリーの作品はブラックなものが多いので、これもラストはそんなオチになるのかと思っていましたが、いちおうハッピーエンドでした。ゴーリーの絵の割には絵柄もかわいらしいです。
ナンセンス詩なので、意味を考えてどうこうという作品ではありませんが、「友人がひきとめるにも関わらずふるいに乗って海に出る」というところに、何かアイロニーみたいなものを感じます。
そもそもふるいを船にしようと考える時点でおかしいのですが。
ドラマで聞いたときも、マザーグースの唄にある「お椀に乗って海に出た…」を思い出していたのですが、この本の巻末にも掲載されていました。
15世紀の風刺文学『阿呆船』にルーツがあるのだそうですね。

「お椀に乗って海に出た…」も、坂田靖子さんの『ライム博士の12か月』に登場するのですが、北原白秋訳が元ネタと思われる
「ゴットハムの三利口
お椀にのって海に出た
もすこしお椀が丈夫なら
ここらで歌は終わらない」
が好きです。

「ゴットハム」とあるのはGothamで、以前当ブログでも書きましたが、元はイギリスにある阿呆ばかりが住んでいたという村だとか。今はニューヨークの別名でもあるそうです。エラリイ・クイーンの『九尾の猫』の冒頭にも出てきますが、阿呆ばかりを乗せた船、というところが、何か世界的にばかばかしい(悲しい)事件が起きると、それはこの「宇宙船地球号」のことなのかと思うことがあります。
でもこの『ジャンブリーズ』を読むと、阿呆ばかりを乗せた船もときには楽しいかも、と思いました。

ところで、「ジャンブリーズ」って何なんでしょうね。
「頭は緑 手は青い」んだそうです。
ルイス・キャロルのアリスが好きな人にもおすすめです。

うみのかなたの そらとおく
 ジャンブリーズの すむという

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by n_umigame | 2012-05-15 00:05 | | Trackback | Comments(0)
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