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『シャーロック』第2シーズン#2:「バスカヴィルの犬(ハウンド)」 

シャーロックのもとにダートムアから依頼人ヘンリーがやってくる。ダートムアの荒野には政府の科学生物兵器研究施設、バスカヴィルがあり、極秘の実験が行われているというウワサがあった。ヘンリーは20年前、7歳のときに父親が悪魔のような巨大な犬、「ハウンド」に殺されるのを目撃。ショックが生み出した妄想かと思ったが、昨夜、再びその現場で巨大な「ハウンド」の足跡を発見したのだ。シャーロックが怪物の正体に迫る!
(NHK海外ドラマHP)


今回も、「うううう~ん、やっぱり翻訳むずかしいですよね」という感想が先に来てしまいました。
第3話は「ううううーん、これとっても大事なセリフだけど、日本語にするの難しそう」というところがあって、もっと心配。

UK盤DVDを見たときの感想はこちらです。















そこが気になったので、日本語版脚本の話に終始しますが、全体的に意訳が過ぎる印象を受けました。
文法通りに訳さない=誤訳とみなすとすると、「誤訳」とおぼしきところも、ちらほらと。

へろへろながらも先に英語で見ていたので、英語の表現がしゃれてて深くてステキだった分、淡泊すぎる印象を受けてしまいました。

でも日本語で聞いていると、確かにその方が日本語として自然で通りが良いというか、言葉尻だけとらえるのが目的でなくて、やっぱり「ドラマの脚本として、プロットを理解する妨げになってはいけない」という面があるのですよね。
そこの部分をとても苦心してらっしゃるのがわかりました。

それと、「ミステリー(謎解き)」として楽しんでもらうために脚本をどうするか、という部分にも心をくだいてらっしゃるのが伝わってきました。

重要なヒントである「HOUND」は、「猟犬」という意味がありますが、シャーロックが作中言っているように「(現代では)あまり使わない表現だ」。
それが英語圏の視聴者にはダブルミーニングで、ミステリーとしてのいわゆるひっかけ(誤導/レッド・ヘリング)になるけれど、日本語で聞いている視聴者には、「猟犬」または「犬」では誤導にならないですよね。
で、どうするかと見ていると「ハウンド」と、まんま表現で来てました。

携帯電話の英語と米語での表現の違いの部分もそうですね。
「日本語として違和感がある」と感じさせる部分は、ミステリーの伏線だということがバレバレになってしまうのですが、それを「猟犬(または犬)」「携帯電話」と訳してしまうと、ミステリーを楽しみたい視聴者に対してアンフェアになってしまうと考えられたのでしょう。

正典でも、ホームズが英語と米語の違いで「あの男はアメリカから来たのだ」と推理するシーンがあり、それが元ネタでしょうが、平素英語を使わない平均的な日本人には、このヒントは反則スレスレだと思うこともあり(笑)。
ヒントが英語と米語の違いだと言われて、そこは「へー」と思うけれども、謎解きで「あ、そっかやられたー」とはならないですから、難しいと思います。

…というようなことは、ドラマの秀逸さをまったく損なっていないのですが、できればシリーズ2は英語でもお楽しみいただきたいなと思うゆえんであります。

次回はいよいよ「滝」です。
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by n_umigame | 2012-07-30 18:12 | 映画・海外ドラマ | Trackback | Comments(0)
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