『クトゥルフ神話への招待』J・W・キャンベルJr.ほか著/増田まもる, 尾之上浩司訳(扶桑社)

“名状しがたい恐怖”が忍び寄る!クトゥルフ神話傑作アンソロジー
映画「遊星からの物体Xファーストコンタクト」の原作であるジョン・キャンベルJr.の名作とラヴクラフトの「クトゥルフの呼び声」の新訳版さらに英国の幻想作家ラムジー・キャンベルの未訳中短篇五本を収録。
(出版社HP)



『遊星からの物体X(影が行く)』を一度読んでみたかったのですが、手に入りにくいようだったので古本屋さんのお世話になるかなと思っていたところ、新訳が出ましたよ。ばんざい。
映画もジョン・カーペンター版を途中から見たことがある程度ですが、これってクトゥルフ神話だったんだ。
全部で7話収録されていますが、どれもじりじりと忍び寄ってくる系の恐怖で、短編ですが一作読み切るまで腰を据えて読む方が良いと思います。
本命だった『遊星から~』は所どころ日本語が頭に入ってこない箇所が…。テキストもこういう文章なのでしょうか。残り6作の方は読みやすかったです。

ラヴクラフトのクトゥルフ神話自体をちゃんと読んだこともなかったのですが、この短編集に収められている作品を読んだ知識とWikipediaなどによると、以下のような設定のようです。

地球には異星、あるいは異世界からやってきた旧支配者がいる。彼ら(それら?)は海底や地中深くに眠っているが、その存在をなにかのきっかけで知った人間がうっかり起こしてしまったり、元からつきあいがあったりしてこちらの世界へ呼び寄せてしまい、阿鼻叫喚の大騒ぎになる。

「クトゥルフ神話」というのはラヴクラフトの書いた作品だけでなく、そこから派生して書かれた作品群もすべて含めた神話体系であるらしいです。
しかし、ラヴクラフトという人は魚介類に何か恨みでもあるんですかね。おいしいのに。(そこかよ)
キリスト教文化圏の人はタコを「悪魔の使い」として忌み嫌ったという歴史的背景もあるのかもしれませんが、恐怖の対象のイメージが「コレ」というのは、相当怖かったのでしょうか。

内田樹さんが『映画の構造分析』等で、なぜアメリカではホラー映画があんなに量産されるのかという疑問を「分析」されていました。
それによればホラー映画では「人間がなにかしたことによって起動する邪悪なもの」が繰り返し繰り返し登場し、それは「トラウマの回帰」であるとのことです。(「本当は人間が何もしないのに起動する邪悪なものの方が怖いのに」とおっしゃっていて、ヒッチコックが描く作品はそうだと。確かに『鳥』はなんで急に鳥が襲いかかってくるのかまったく説明されませんね。)

アメリカには独自の神話体系がなく、アメリカ生まれの「神話」と呼ばれるものがクトゥルフ神話のような作品だということと、ホラー映画が量産されることとは関連があるのかもしれません。
誰か研究されている方とかいらっしゃらないのでしょうか。
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by n_umigame | 2012-08-18 21:29 | | Trackback | Comments(0)

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