『ブラッドベリ、自作を語る』レイ・ブラッドベリ, サム・ウェラー著/小川高義訳(晶文社)

「幼年時代」「創作の動機」「セレブの友人」「ハリウッドの影響」「芸術と文学」「創作術」「男女差別」「政治信条」「日常」「未来予測」などのカテゴリーで、作家として晩年を生きるブラッドベリの人生を追っていく。かつてトリュフォーがヒッチコックへインタビューすることで『映画術』という優れた本が生まれたように、的確な問いからブラッドベリの存在が浮き彫りにされていく。
(出版社HP)



手向け代わりに何か買おうと思い、10代の頃むさぼるように読んだ文庫を探しに行ったのですが見つからず、評判がよさそうだったのでこちらを購入しました。

タイトルは「自作を語る」となっていますが、内容紹介にもあるようにかなり広範なテーマでブラッドベリという作家の人となりが浮き彫りになるようなインタビュー集でした。

ブラッドベリの答えももちろんおもしろいですが、インタビュアーのサム・ウェラーさんがすばらしく、また持っていきかたが上品だということもあって、少しきれいすぎるかもと思わないでもなかったのですが、巻末の『パリス・レヴュー』インタビューで(こちらは短いですが)それも少し相殺されている印象です(笑)。

本当に、晩年に至るまで少年のような人だったことが伺えます。
同じ女性として奥様たいへんだったろうなあと少し同情してしまったのですが、ウィットとユーモアのある奥様だったようで救われました。(浮気して「あんたはクズだけど、まだ愛してるわ」と言われたそうです(笑)。)
その少年のようなところは、反マッカーシズム的広告出したというところからも伺えますが、(「魔女狩りをするならセイラムに引っ込んでろ。」)勇気が必要だったであろうことは確かです。
ジェンダーの問題にしても「男は女より弱い。その劣等感があるから、優越していると思いたがる。」なんて、良い意味で自信があって、本当に男らしくないと言えないと思います。

同時代のSF作家をブラッドベリがどう見ていたかという部分が、個人的にとてもおもしろかったです。
アシモフの意外と?(笑)シャイなところや(あんなに学があるのに、彼はとても人柄がいいんだ、とか)、スタージョンってそういうところもあったんだーとか、楽しくて仕方なかったです。P.K.ディックについては「たとえ会ったばかりでも、生きるのが面倒くさそうだとわかる人がいるよね。(中略)本当にネガティブな男だった。」と言っていて爆笑しました。最近ディックの短編を読んだばかりだったので、あまりにもそのイメージに合いすぎで。

映画好きの方は、交流のあった俳優や映画監督たちとのエピソードを読んでいるだけでもわくわくされるのではないでしょうか。

「もし生まれ変わったような気にさせてくれて、朝にはベッドから起きようという気にさせてくれるなら、何であれ、もう立派な芸術じゃないかな。」

ありがとう、レイ・ブラッドベリ。
どうか安らかにお休みください。
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by n_umigame | 2012-09-21 20:20 | | Trackback | Comments(0)

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