*さいはての西*

fwest.exblog.jp
ブログトップ

「ペンギン大作戦"The Madagascar Penguins in a Christmas Caper"」(2005)

『マダガスカル』からスピンオフしたペンギンズが主役の短編アニメーション。
10分程度ですが、画質などは映画と同じくらいの高水準で、ペンギンたちがツヤッツヤ☆です。
あーだっこしてなでなでしたい。
アメリカでは『マダガスカル』が公開された同じ年の10月に、『ウォレスとグルミット/野菜畑で大ピンチ!』と同時上映されたそうです。
どちらも笑いが止まらないコンボですねえ。いいなあ。
2005年はエラリイ・クイーンの生誕100周年記念で頭沸いてましたから、それはそれで幸せな年ではありました。

さて、ここからしばらくペンギンズ語りに突入いたします。
にせみ(仮)さんバカなの知ってるからという心の広い方のみでお願いいたします。
例によって、長いし。

~あらすじ~
クリスマス・イブの日。NYセントラル・パーク動物園の動物たちも、それぞれの仲間たちとクリスマス・パーティを楽しんでいました。
そんな中、ホッキョクグマのテッドだけはいっしょにクリスマスを祝う仲間がいません。(言われてみればホッキョクグマを復頭飼いしている動物園ってあんまりないのかも。)
ペンギンズ基地からその様子を観察していた新人は、せめてテッドのためにクリスマスプレゼントをあげたいと隊長に相談しますが、即座に却下されてしまいました。寂しそうなテッドのことが気になってパーティを楽しめない新人は、一人こっそりとイブのNYの街へプレゼントを買いに出かけます。
新人がいないことに気づいた隊長は、コワルスキーとリコを伴って新人を探しに後を追いますが、街では新人がお人形と間違えられておばあさんに買われて行ってしまい…。




ペンギンズは映画版とTV版で少しキャラクターが違いますが、この短編はどちらかというと映画版に近いです。
映画だけを見ていると、この頃の新人ってあまり一人前の仲間としてカウントされていないという設定だったのかと思っていたら、その新人を救出に行くお話でした。
特に隊長があんまり新人を大事にしてない気がしていました。すぐビンタするし。
ビンタはペンギンズのネタみたいなものらしいということがわかってからは、あまり気にならなくなりましたが。あれだ、芸人さんの張扇みたいなもんですかね(笑)。

10分程度の短いアニメですし、作品自体は見ていただくのが一番良いと思うのでぜひ。
ぜひ。本当にぜひ。お願い。ペンギンズは本編『マダガスカル』を見たときも、クールでキュートでなんてステキなんだと思いましたが、この短編を初めて見たときは「本編よりおもしろいじゃん!!」と大興奮でした。
映画よりずっとキャラが立っていて、一人一人のキャラクターがよりわかったというところも大きいですね。基本が子ども向けのアニメなのである程度オーソドックスなキャラクターではあるのですが、一人一人が本当にとても魅力的です。

以下ネタバレです。






















4人とも大好きですが、特に隊長がファンタスティックです。
最初は、優秀なリーダーなんだろうけど、ちょっと冷たいのかなあと思っていました。
ですが、ラスト近くで、こんなにさんざんな怖い目にあったのにまだ「テッドがかわいそうなんです」と言う新人を見て驚きつつ、すぐ「しょうがないなあ」というような何とも言えない良い表情で微笑むシーンで、惚れました(笑)。
小さなペンギンのボディにこの性格というだけで世界中のギャップ萌えの方々を悩殺したと思いますが、それ以上にキャラクターとしてもギャップ萌えトラップが張ってありましたよ何よこのペンギン。最終兵器ですか。

あと、サラリーマンとして(笑)、見ていて感銘を受けたのは、隊長のリーダーシップです。(真顔)
上述したように、いついかなる状況でも冷静で卓抜した判断力を発揮し、テキパキと的確な指示を出す隊長は、クールでかっこいいのですが、見ようによってはちょっと冷たい人のように思えます。
ですが、チームのリーダーとして彼は”ペンギンズ”という仲間の全体最適を常に優先して考えていることがわかります。
自分のチームのことが何より最優先。
それは自分のチームメンバーだけは必ず守るという責任感でもあります。

逆に言うと、チームの外の人のことはわりとどうでもいい(笑)。
なので、テッドに同情する新人のことを最初は一蹴するし、『2』でも「他人の犠牲ほど尊いものはない」とか言って笑ってるわけです。こんなこと言うから直後に天罰が下りますが(笑)、ちなみにこの「他人」というのはアレックス親子のことでした(笑)。
隊長が動くのは、テッドのために新人が一人で外に出たことがわかった時点、つまり仲間が危険にさらされる可能性が出た時点で、コワルスキーとリコにも「ペンギンの誓いを思い出せ」と言い、ラストシーン近くでも新人に「一人で泳ぐな、一人でだ!(Never swim alone. Alone!)」「みんなに言って回らないといけないのか?」と怒ります。
要はこの人は口べたです。
口が減らないからそうは見えないけど(笑)。
たぶん、新人のことも大事に思ってるんだろうけど、新人に伝わってない。

それでも部下に対して、とても目配り、心配りをしているのがわかります。
例えば、リコ。
『1』本編ではおなかから針金を出したり、お寿司作ってくれたりするくらいでしたが、「Christmas Caper」ではヤバさ全開。刃物や爆発物が大好きで、4人の中では一番凶暴です。NYの街中だろうがところかまわずダイナマイトでカタをつけようとしちゃうのですが、その都度、隊長が止めます。
隊長はこのやんちゃなリコの行動パターンを把握していて、無用な騒ぎを起こさないようにマネジメントしています。
Nanaおばあちゃんの家から帰るときに一人だけ隊列を離れておばあちゃんに鉄のカタマリを落っことそうとしていたリコに、すぐ気配で察して「彼女は何も見なかった」を発動して(笑)止めます。街中でも、自分の後ろでリコが点火したダイナマイトを出したとき、見もしないで導火線を握って(!)火を消していました。(『2』でもリコが飛び出しナイフを出すとすぐノールックで左羽で止めてましたし、TV版でもノールックでロケットランチャーを撃つリコに肩を貸してました。肩がどこかは聞かないで。)
この人、後ろに目がついてます。
次々出した提案(笑)が全部隊長に却下されて、さすがにリコはしょんぼりしてしまうのですが(このしょんぼりリコのしぐさが本物のペンギンっぽくてかわいいですvvv)、最後にNanaおばあちゃんの部屋から出るときに、隊長はきちんと、リコにも花を持たせてあげるんですね。
で、リコに気持ちよくドアを吹っ飛ばしてもらって、任務完了。全員無事帰ることができました。

隊長が「無用な騒ぎを起こさない」のは、まずは優先すべき任務があるからです。
「Christmas Caper」では、まず新人を救出すること。
だからそれが片付けば、あとはどうしたってかまわない(笑)。隊長は新人のような温和なキャラクターでは決してないです。仲間意識の強さも手伝って、新人をひどい目に合わせたおばあちゃんとその犬に倍返しにするくらいのことはします。
『2』でもおばあちゃんを結構ひどい目に(笑)。
敵に回したくありません。

コワルスキーに対しても、隊長は気を遣っているのがわかります。
コワルスキーはチームの参謀ですが、隊長は彼の立てた作戦や計画をほぼ全面的に受け入れています。
「Christmas Caper」でもコワルスキーの出した作戦を実行する前に、ちゃんと「すばらしい!(Excelente!)」と一言前置きすることを忘れません。(なぜスペイン語?なのかはわかりませんが^^)コワルスキーのアイデアに疑義を挟むときは、例えば『2』の飛行機の設計図のシーン。やはり「これはすばらしい」とまず前置きしてから「…だが、飛ぶのか?」と控えがちにもの申すんです。その後のコワルスキーの「はい、ここをこうしてこうすれば」と紙飛行機になるギャグと、隊長の「Nice.」にも笑いましたが。
『3』でも「ブレーキがない?おまえはスピードの鬼だな(ニヤリ)」(コワルスキーもニヤリ)というシーンがありました。
隊長、ときどきちょっと行き過ぎなくらい、部下を褒めて伸ばすタイプです。

隊長のことばかり書いてしまいましたが、4人ともこんなに性格が違うのに、なんだかんだ言って仲が良いのが見ていてなごみます。

「Christmas Caper」では、新人救出に成功してみんなでハイタッチ(High five)するシーンで、コワルスキーが新人の頭をなでなでして「さあ帰ろうか」という感じで背中をぽんと押すシーンや、リコがうれしそうに「ドッカーン?」と確認するところで「ニヤリ」と口の端を上げて笑うところも好き。

おばあちゃんの犬(Mr.Chew)と戦うシーンで、
隊長「12時の方向に犬!」
コワルスキー「援護射撃をお願いします」
隊長「リコ!」
リコ、キャンディをざらざらーっと飲み込む→3人でテーブルを倒して盾にする→隊長がリコ・キャンディマシンガンをぶっ放す、
というシークエンスも最高です。
弾切れ(笑)になって、Mr.Chewが逆襲してくると、隊長は先にリコをぽーんとツリーの上に放り上げて自分もジャンプしますが、Mr.Chewをギリギリまで引きつけるまでタイミングを計っています。
この一切無駄のない動きはアニメーションならではでしょうが、呼吸の合ったペンギンズの美しい動きに、本当に惚れ惚れ。
「援護射撃をお願いします」→「リコ!」だけで何をすべきか即座に理解するリコもすごい。リコはほとんど言葉らしい言葉はしゃべらないのですが、隊長が自分に何を要求しているか、本当に呼吸するように理解します。
それもふだんから隊長がちゃんとリコというキャラクターを理解して、大事に目配りしているからなんだろうなあと。

ラスト、新人が隊長に「助けに来てくださってありがとう」と言うと、隊長が「Think nothing of it, young Private. It's the least we could do. 」と言いながら右羽で新人の顔をコツンとするシーンも好き。

この一癖も二癖もある部下たちを統率して育てていくことができるのもこの隊長なら、この隊長について行けるのもこの部下たちという気もいたします(笑)。

仲良きことは美しきかな。
[PR]
by n_umigame | 2012-09-28 21:39 | 映画・海外ドラマ | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://fwest.exblog.jp/tb/16898152
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。