『リアさんって人、とっても愉快!』エドワード・リア著/ロバート・イングペン絵/柳瀬尚紀訳(西村書店)

エドワード・リアのナンセンス詩の世界へようこそ!ふくろう君とにゃんこ嬢にいざなわれ、ジャンブリーは船出、さまよう光鼻の団禺…。おかしな、おかしなナンセンス詩とともに、評伝や手紙から、植物図譜まで、リアさんの楽しさがいっぱい!エドワード・リア生誕200年を記念して、国際アンデルセン賞受賞画家が、魅力あふれるイラストで飾る。 (Amazon.jp)


サブタイトルは「 エドワード・リア ナンセンス詩の世界」。

今年初めて読んだ本は、この絵本です。

柴田元幸氏訳の『ジャンブリーズ』を読んでエドワード・リアのファンになりました。
今回こちらの本が出たのでぜひ読み比べたいと思い購入しました。

柴田訳はリズム重視のばっさりと潔い訳、柳瀬訳は逐語訳重視の丁寧な訳、という印象です。
もちろん柳瀬訳も韻に配慮して訳されているのですが、先に柴田訳を読んでしまうと少し冗長で硬い印象を受けます。
柳瀬訳は文字数の多さに加えて漢字も多いこと、編集の問題ですがページ辺りの文字の配置と配分がばらばらで、ページをめくるリズムと読むリズムが一定にならないことが気になりました。
本の構成も、柴田訳の方は原文と訳文が左1p、イラストが右1pと目に入ってくる情報が等分ですっきりしていて読みやすい。それから個人的にゴーリーの絵が好きだというのもあり、『ジャンブリーズ』だけに限って申しますと、柴田訳(河出書房新社版)の方が好きです。最初に読んですり込みされたということもあるかもしれませんが、原文がリメリックなのでリズムがいい方が逐語で追うより日本語で読んでいて楽しいと感じます。

詩なので、訳に関しては本当に好き好きだと思いますが、どちらも実際に書店で少しご覧になってから買われることを特にオススメしたい絵本です。

こちらの本は、そんなわけで、エドワード・リアの代表作とどういう人だったかなどを含めて概観するための本としては最適だと思います。

こちらも比較になってしまって申し訳ないのですが、ゴーリーのシンプルにデフォルメされた『ジャンブリーズ』の漫画チックな絵が好きなので、ロバート・イングペンさんのイラストはもちろん美しいけれど、真面目で固い、「いかにも絵本の絵」な印象でした。
イラストの方もですから好き好きですが、個人的にはゴーリーの「抜け感」がリアのナンセンスな世界にマッチしているように思います。
(ゴーリーは他の作品が恐ろしいものが多いので、そのギャップにはまったというのもあります(笑)。すみません、ギャップ萌えで…。)
絵の部分は冒頭のリアによる鳥類の絵…イラストというよりもう博物絵ですね…こちらに目を奪われました。

エドワード・リアが世を去る少し前にエミリー・テニソンから寄せられたという手紙の一文が胸を打ちます。
「あなたが長年どれほど孤独な人生を送ってこられたにしても、けっして忘れないでください。この世代のみならず将来の世代の多くの人びとの人生に、かずかずのとても美しい生きものや思いを住まわせる稀有な天賦の才を、あなたはお持ちなのです。」

リアさんファンと、鳥、ネコファンの方はぜひ(笑)。
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by n_umigame | 2013-01-02 18:40 | | Trackback | Comments(0)

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