*さいはての西*

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『モンスターVSエイリアン』(2009)

結婚式当日、謎の隕石に直撃され、身長15メートルに巨大化してしまったスーザン。モンスターとみなされた彼女は軍により牢に監禁されてしまう。そんな折、エイリアンロボットが地球を襲撃。米国政府は彼女とモンスター集団に戦いを命じる。
(ぴあ@映画生活)


DWA作品を見るマラソン、まだまだ続行中ですよ!

往年のモンスター映画、特撮映画、SF映画のパロディてんこもりでした。
モンスター映画・特撮映画は元ネタを見たことがない作品が多かったのですが、見たことがなくても絵としては知ってる、という有名どころばかり。
パロディてんこもりはDWAのお家芸なのですが、はたして見ている方はどこまで楽しめるか。個人差が出てくる作品ではあると思います。

最初に吹き替えで見て、吹き替えの台本が楽しい(セリフに笑える)ので、それなりに楽しめたものの、平均点くらいかなあという印象で、英語版で見てみて+αという感じです。
声をあてている俳優さんたちが豪華なんですよ。
主人公のスーザン(ジャイノミカ)はリース・ウィザースプーン。(はからずも彼女の出演作を2枚同時にレンタルしてしまいました)
遺伝子組み換えトマトとドレッシングで偶然できちゃったゲル状モンスターのボブは、セス・ローゲン。
コックローチ博士にヒュー・ローリー。(声だけ聞いてるとわかりませんでした。さすが芸達者!)
W.R.モンガー将軍にキーファー・サザーランド。(同上。)
半魚人のミッシング・リンク役のウィル・アーネットも良かったです。
俳優さん、声優さんたちの演技は皆さん、さすがです。

以下、ネタバレありますので、もぐります~。











監督はロブ・レターマン(『シャーク・テイル』『ガリバー旅行記』)とコンラッド・ヴァーノン(『シュレック2』『マダガスカル3』マダガスカル・シリーズでチンパンジーのメイソンの声も担当)。
この人事はジェフリー・カッツェンバーグCEOの指名だったらしいです。
今作は手堅い作品なのですが、作っている人たち本当に楽しかったのかな?という印象を受けました。
悪ノリがノリきれていなくて優等生的と申しますか。

DWAの作品は、どれも(今まで見た限り)映画が大好き、音楽も大好き!ということが作品からあふれてくるのですが、個人的にいちばん波長が合うのがやはり「マダガスカル」シリーズです。
作中のセリフからも確信犯的にやっているんだろうと思うのですが、「マダガスカル」シリーズのクレイジーさはほかのDWA作品と比べたときにも一頭ぬきんでています(笑)。その分遠慮がなくて、キャラクターが生き生きしてる。作っている方が本当に楽しそうだなあということも伝わってきて、見ている方はその多幸感に感染するのですね。1作目ではやはりまだ少し堅かったですが、2→3とどんどんはじける。
キャラクターを動物にしたのがやはり良かったと思います。これ、人間でやってたらたぶんすごく痛々しいことになっていたんじゃないかと(笑)。動物の皮をかぶっていても人間を描いてるのですけれども、そこにワンクッションできますから。

『モンエリ』の場合も、造形がモンスターなので同じようなことができたはずなのですが、どこかしら堅い印象でした。2作目があったらもっとはじけるのかもしれませんが…。

それから、『モンエリ』では主人公がごくふつうの女性です。
「女性の成長を描いた」という感想を見かけましたが、…ううーーーん、どうだろう。
DWAの作品は女性がみんな強いですよね(笑)。数で言うと圧倒的に男性キャラの方がたくさん登場するのですが、1割くらいのパーセンテージでもバランスが取れているくらいの圧倒的な存在感があります。
ご多分に漏れずスーザン/ジャイノミカは「強い」キャラ…なのですが、冒頭で『ガリバー旅行記』のパロディみたいなところがあって。
ご存じ『ガリバー旅行記』はジョナサン・スウィフトの風刺小説ですが、このシーンを見て思い出したのは、スウィフトの女性嫌悪がだだ漏れの描写シーンです。
基本的に子ども向けのアニメなので、あまり深読みするのもあれかと思うのですが、あらゆる創造物のおそろしいところがこの「うっかり」表出していまうところだろうと思います…ので…。ガクガク。

そんなわけで、せっかくの主人公があまり魅力がなくて残念でした。
女性主人公のけなげさを出すために婚約者のデレクや、周りの男性キャラクターの個性や魅力のレベルを引き下げた感が強くてそれもさらに残念。
魅力的で個性あふれるキャラクターの中にあっても、そのキャラクターの魅力が光る、化学反応をおこして相互に個性が際立っていく、というのがやはり理想かと思います。
全体的に優等生的で堅い印象を受けるのはそれもあるかもしれません。
デレクがスーザンに言った「君の影は大きすぎる」「僕は君の影に入りたくない」というセリフは、ある意味象徴的です。
どんなに大きな影の中にあっても、手で包んでいても、それ自体が光っていると、光っていることを隠せないものですから。

とは言え、DWAらしい、マイノリティに対するあたたかい目線を感じるところ(リンクの「国を救ったっておれたちはモンスターさ」というセリフの悲しさと言ったら…)、一人一人の力は及ばなくても、足りないところがたくさんあっても、あるがままのお互いを受け入れて力を合わせて困難を乗り越える、という部分は健在でした。
マイノリティの有り様やハンディキャップを持つキャラクターを、これだけあっけらかんと「あるものはある」として描いてみせることは、ディズニーやピクサーにはできない芸当だと、改めて思いました。
あるものはあるとして、そこから問題を考えて、かんたんには解決できないかもしれないけれども共生できる道を探そうよ、ということを子どもに伝えるというのは大切なことだと思います。
がんばれ、DWA!応援してるよ!

まじめな話はさておいて、以下、笑ったところです。

・「こちらレッド・ドワーフ」「コード・ニモイ!」
スタトレパロディは鉄板としても、まさかの『宇宙船レッド・ドワーフ号』(笑)。
・ボブの壁当てキャッチボールは『大脱走』のパロディですね。かわいくて笑った。
・大統領のキャラクター・デザインはスーパーマン(と言うかクラーク・ケント)?
・コックローチ博士はマッド・サイエンティストらしく核実験が大好き。
・イカ型エイリアン・ギャラクサーの探査ロボが登場してからパロディの連続。
『未知との遭遇』に『E.T.』、ヴァルカン式挨拶。YAMAHAのシンセサイザーにあの『ビバリーヒルズ・コップ』の曲。ミサイルには「E.T. GO HOME」と書かれていて、一瞬だけ『E.T.』のテーマ曲が入ります。
・核ミサイルの発射ボタンとコーヒーマシンのボタンが同じ大きさで同じデザイン。
・リンク「昔より地球があったかくなってないか?おれには<好都合な真実>だぜ」
もちろんゴアの『不都合な真実』ネタ。
・ゼリーをナンパするボブ。俳優さんが声を変えて男前になってて笑った。
・クローンの量産シーンは、スター・ウォーズですかね。
・キーファー・サザーランドって芸達者なんですね。ちょっとびっくりした。
・巨大マザー・コンピュータにアリみたいにざざーっとクローンが昇っていくシーンは、『アイ・ロボット』のパロディ?
・コックローチ博士の博士号は、ダンス(笑)。マザー・コンピュータとの最終決戦はダンスバトル。コックローチ博士は動きがちゃんとGっぽいんですよね(笑)。
・ゴジラかと思っていたらモスラのパロディでした。
・モンガー将軍、90歳。おいおい。
・エンディング・クレジット途中で、大統領によるブラックオチ。これ、またもしかしてCEOのアイデア…?
・エンディング・クレジットも何かのパロディっぽいですね。
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by n_umigame | 2013-02-20 19:31 | 映画・海外ドラマ | Trackback | Comments(0)
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