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*さいはての西*

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『マウス・タウン ロディとリタの大冒険』(2006)

 「ウォレスとグルミット」のアードマンと「シュレック」のドリームワークスの共同製作による劇場用長編クレイ・アニメーションの第3弾作品。人間世界でペットとして優雅な暮らしを送っていた一匹のネズミが、ひょんなことからロンドンの地下に広がるネズミの街に流れ着き、そこで出会った姐御肌なリタと一緒に大冒険を繰り広げる痛快ファンタジー・アドベンチャー。声の出演はヒュー・ジャックマンとケイト・ウィンスレット。
(Yahoo!映画)


原題:Flushed Away

DWA作品マラソン後半戦。

原題はトム・ハンクス主演の『キャスト・アウェイ』のパロディかと思っていましたが、『千と千尋の神隠し』の英語タイトル"Spirited Away" のパロディではないかと感想を書いてらっしゃる方があって、あ、なるほどそうかも、と思いました。遭難したと言うよりは「日常生活の続きのトンネルを抜けると別世界だった」というところが言われてみれば似ていますね。
ただどう考えてもトイレを連想させるタイトルで、DWAらしいかなと思います。

英国俳優さん好きにはたまらない豪華なキャスティングに興奮したのですが(主演のヒュー・ジャックマンはオーストラリア出身の俳優さんですが)、映画としてはあまり印象に残らない作品だったかなと思います。

キャラクターデザインを見れば一目瞭然の、アードマンとDWAの共同制作作品。
Wikipediaによるとクレイアニメだそうですが、DWAの3Dになってしまっていて、クレイ独特の、いい意味での野暮ったさが消えてしまっていて、アードマンのクレイアニメの味が残っていないところがまず残念でした。
だって…アードマンの人間キャラのデザインって、正直、かわいくはないですよね…?
でも、動くといいんですよ。(アレ、イギリスの俳優さんについてもよくこんなことを言ってますね、わたし?)でもそれはアードマンのクレイ作品が持っている、人の手の体温が残るあたたかみが最大の理由だったと思うのですね。
そんなわけで、まずキャラクターがちょっと残念。DWAらしい、ナメクジのキャラクターがいちばん良かったです。


以下、ネタバレにつきもぐります~。











物語ですが、「町のネズミと田舎のネズミ」ですね。
そこへ、おそらくアードマン(イギリスの会社)との共同制作ということで、「英国」を全面に出そうとしたのかもしれないのですが、何というか、おそらく「外国人が考える典型的な英国」で、フランス人(=カエル)との確執などはけっこうベッタベタでした。
そのフランス人の中にジャン・レノを配役に持ってくるとか、ちょっと安易すぎないかと思ったくらいです(笑)。

キャストは、主人公ロディ役にヒュー・ジャックマン。歌ってくれてましたが、ほんとうに何でもそつなくこなす俳優さんですよね。
ほか、ヒロイン・リタ役はケイト・ウィンスレット。敵のカエル役にはアンディ・サーキス、ビル・ナイ、ジャン・レノにイアン・マッケラン。
中でも驚いたのが、リタの父親役に『名探偵ポワロ』のデヴィッド・スーシェ。
豪華すぎてくらくらします。

これだけ豪華なキャストにアードマンと来て、そこそこ期待して見始めたのですが、いまひとつこの世界に入れませんでした。
乗り切れなかったと言いますか、細かいところまでよく作り込まれていて楽しい映画ではあるのですが、アードマンらしい毒もDWAらしいブラックさもあまりなく、双方がお互いの手を縛ってしまっていて、優等生的な作品に落ち着いてしまった、という印象です。

そんなわけでドラマの部分はあまり印象に残らなかったのですが、何不自由なく暮らしているものの、家族も友だちもいないロディが、「おやすみ」と言うとリタが返してくれるのがうれしくて何度も何度も「おやすみ」と言ってしまうシーンは好きです。(地上の豪華な部屋では、「おやすみ」と言っても誰も返してくれる人がいませんでした。)


『マダガスカル』のアレックスのぬいぐるみが、ロディの部屋にあったのがうれしかったです。
また、トム・マクグラス監督がちょい役で出演されています。ロディがぶつかるアーティストの役ですね。声ですぐわかってしまいますね。(TM監督の声を聞きすぎという話も…;;)ちゃんとクレジットされていました。
by n_umigame | 2013-11-04 21:29 | 映画・海外ドラマ