飯嶋律とさまざまな妖魔との出会いから生まれる、
恐怖とユーモアを絶妙にブレンドした不思議絵巻。
「薬指の契約」
「影絵姫」
「告げ口屋達の囁き」
「母なる器」
「ふさわしい道具」の5編を収録。
人気シリーズの最新刊。
(Amazon.jpより)
最近コミックスの感想を全然アップしていませんが、めちゃくちゃ読んでいます。(当社比。)
ここのところ既刊の続刊ラッシュで初めての漫画家さんの作品にもついでに手を出したり、過去作品をオススメされたりして、それがKindleでお手軽に読めたりするものですから本代がえらいことに…なにこの明細((((;゚Д゚)))))))。
…見なかったことにしよう!(゚∀゚)(コッラー!)
えー、そんなこんなで『百鬼夜行抄』は途中まで文庫で読んでいたのですが、22巻当たりから大型本の方で追いかけるようになりました。巻末に今市子さんのおまけマンガもついているし美しい口絵もついているし、このお値段だったらお得かも。コミックエッセイでこの厚さだったら1000円ぜったい越えますよね。
以下、いちおうネタバレなのでもぐります。
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今回収録された5編は、どれもハッピーエンドと言っていい終わり方になっています。
「薬指の契約」
蝸牛おじいちゃんの生前の呪術のおかげで、律たちに危険が…というお話。以前も死んだ母親が毎年夏にやってきて…という怖いお話がありましたが、ちょっとがちゃがちゃしてわかりにくかったな。
「影絵姫」
律に一夏だけの妹ができるお話。絹さんはずっと女の子も欲しかったと言っているので、本気(笑)なのかと、律ならずとも冒頭、びっくりしました。青嵐もいい子分ができたと思ったのに残念ね。
「告げ口屋達の囁き」
妖魔伝言ゲーム、大迷惑(笑)。これもあの人形の行方といい、最後が少しあやふやに終わっています。認知されなかった孫が復讐するつもりだったけど、ということでいいのかな。こういう、お話の核心部分が全部キャラクターのモノローグで断片的に語られるだけなので、わかりにくいというのもあるかも。
「母なる器」
親族にろくでなしがいるとたいへん、というお話でいいですか(笑)。この巻、ちょっとまた絵柄が変わっていて、晶ちゃんがわかりにくい。律や晶ちゃんといった飯島一族との関わり方がちょっと強引になってきているような。
「ふさわしい道具」
以前は二重人格でいないはずの人がずっといると認識するというお話がありましたが、こちらは一卵性双子だったはずが…という設定。好きだなあ、このチンピラの相方(笑)。律に呪をかけようとする女子大生は必要だったかな。ここははぶいてよかったんじゃ。
という感じで、細かいところには引っかかりましたが、全体的に相変わらず安心して読めるクオリティでした。ひところほど絵の荒れもひどくないですし。
久しぶりの感想でいきなりなのですが、最近、お話がわかりにくくないですか。一読しただけでは筋が追えず、最初は自分が寝不足で読んだからだとか疲れて集中できてないからとか、単に自分の頭が悪いんだと思っていましたが、同じご感想を伺うようになり、安心しました。
何と申しますか、プロットに対してページ数が足りていないような。初期のころのように余韻を感じさせる終わり方ではなく、いきなり終わってセリフだけで曖昧に説明されるという作品が増えたように思います。
律が大学生になってから16年も経っているのですね。それはまずいかも(笑)。人気作品なので連載が続いていますが、今市子さんの中ではこうやって終わるという案はもうお持ちなのでしょうか。ご自分で年寄りだ年寄りだっておっしゃっていますが、おいくつくらいの方なのでしょうか。完結まで追いかけますので、お体お大事に今後もがんばっていただきたい漫画家さんです。