『弁当パフォーマーまさきちの 弁当ごよみ十二カ月』よりのまさみ著(文藝春秋)


 ビンボーな給料日前も、残業続きの日々も、二日酔いの朝も…。弁当を作り続けるコツ!「週刊文春」連載の単行本化。“幕の内”的弁当エッセイ&レシピ。
(Amazon.jpより)



 お弁当ブログ「おひとりさまの食卓」でも人気の、まさきちさんこと、よりのまさみさんのお弁当本。
 「おひとりさまの食卓」は、自分がお弁当生活に戻ったときにあれこれネットサーフィンしていて知ったブログです。エキサイトブログユーザーさんということ、ミステリーがお好きだということで、一方的に親近感を感じたりしていました(笑)。

 コンスタントにお弁当を作り続けるって大変ですよね。わたしも作っているときは打率6割くらいでした。夜飲み会だとか(帰ってからお弁当箱を洗うのがめんどう)、今日はランチ会議だとか、ランチの時間が読めない日(傷むのが怖い)など、仕事上の調整で作らない日もありましたが、まあほとんどは起きられなかったとか、そんなだめな理由でした。
 まさきちさんは毎朝5時半には起きて継続して作っている、しかも人様にブログでお見せできるくらい美しく、というだけで、もう尊敬していまいます。もちろんブログをやっていないけれど、同じように家族の分も作り続けながらフルタイムで働いている方も大勢いらっしゃいますよね。凝ったキャラ弁とかそんなものでなくても、お弁当を作り続ける、その一事をもってして、すごいです。
  
 まさきちさんの本やブログで参考にさせていただいているのは、実はレシピではありません(笑)。お弁当作りのスタンス、それから詰め方です。特にスタンス。「あ、これでいいんだ」というけっこうなゆるさが、とても励みになります。
 例えば、ご自身も「練りもの大好き」と書いてらっしゃるように(九州在住でいらっしゃるようです)ちくわの登場率は高いし、ほかにも豚しゃぶとか、通常お弁当を作るときに避けた方が良いとされる、傷みやすいものでも平気で入っています。穴子ときゅうりのロールサンドとか、時間がたっても美味しいのか疑問に思うもの(笑)や、はなはだしきは、チキンナゲットとかコンビニの唐揚げとか、おかずが既製品の横流し(笑)。加工品や化学調味料などもよく使っていらっしゃいます。そういうところが気になる方は、ちょっと合わないなと感じるかもしれません。
 けれども、たまにはいいよ、という、こういう「ゆるさ」が、さっぱりした文章とあいまって、読んでいて気が楽になるという部分でもあります。
 まさきちさんがあくまでも「弁当パフォーマー」なのであって、料理(研究)家でないのは、そういうことなんですね。

 まさきちさんはご自分の食べる分だけを作ってらっしゃるので、万が一のことがあっても被害が及ぶのは自分だけです(笑)。そういう覚悟というか、潔さも、自分の分だけ作れば良いという方には参考になるかと思います。
 やはり家族や他の人に食べてもらうためにこのレシピでお弁当にするかと問われると、わたしは怖くてできないというものもあります(笑)。まさきちさん、ごめんなさい。家族の健康という視点でお弁当本を探してらっしゃる方には、レシピはほかの料理研究家の方のものをご覧になった方がいいかもしれません。

 日々のお弁当作りに煮詰まって、食べる方は美味しいとも不味いとも言わないし自分が食べた弁当箱くらい洗えコラ、何、会社/学校に忘れてきただ今真夏だぞ許さん、テンション下がるわ、きい!という各方面に、そんなにきりきり四角四面にやらないで気楽に作っていいのよ、と言ってくれるお弁当本です。
 怨念が化けていやがらせ弁当になる前に、いや、いやがらせ弁当を笑うことすらできないほど心の余裕がなくなる前に(笑)、いかがでしょうか。
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by n_umigame | 2015-07-09 19:58 | | Trackback | Comments(0)

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