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"The Journey of the Penguin" by Emiliano Ponzi(Penguin Books)


To celebrate 80 years of Penguin Books, a charming picture book that tells the imagined story of the penguin who waddled his way into history as the symbol of a beloved publisher.
(Amazon.jp)


1935年にアレン・レーンによって創業されたペンギン・ブックス。その創業80周年を記念して出版された絵本です。

中は文字(読むところ)はいっさいなく、絵だけで物語をたどれるようになっています。
ペンギン・ブックスのマークシンボルであるペンギンくん(the Penguin=あのペンギン)が、思うところある様子で南極で大勢の仲間から離れて旅に出、成功して家族を得て幸せになるところまでが描かれています。
レトロな絵柄と中間色の色あいがとてもシックで、眺めているだけでもとても楽しい絵本です。飾っておいてもおしゃれ。
ペンギン・ブックスに興味がなくても、ペンギン好き、海の生き物好き(シロクマや巨大タコも登場します。某映画を思い出さざるをえないじゃないですか(笑))、レトロなデザイン好きな方にもおすすめします。

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(※画像は出版社HPより)

こちらのサイトで一部中を見ることができます。


ペンギン・ブックスは、本というと、それまで高価なハードカバーが当たり前だった時代にペーパーバックという廉価版の出版を始めたという意味で、画期的なレーベルであり、出版社でした。
言われてみれば、英語圏の本って判型もばらばらだし重いし臭いし独特の臭いがするし、そして高いですよね。
本というものが一部の教養人の贅沢品だった背景があって、そうなったそうです。
いや、英語圏のペーパーバックってカバー(ダストジャケット)がないのがふつうだし、新刊で購入したのに一回開いただけで背が割れるとかあるあるじゃん?なのですが、それでも、優れたフィクションやノンフィクションを、手軽なお値段で買って読めるようにしたという功績は大きかったと思います。
(日本の本は、ほかのものとの物価と比較してもとても安いと思います。そして廉価版の文庫や新書などの紙質や印刷技術の高さは、間違いなく世界一だと思いますので、これと比較してはいかんのです。たぶん。)


本というものは、「本が身近にある」という環境が大事なんだと思います。
いちいち図書館に借りに行ったり、何か機器を起動したりする必要があるものだと、どうしてもワンクッションあります。なので、そういう手段は本がある程度好きな人向けだと思うのですね。
夏休みに田舎のおばあちゃんの部屋で「この棚にある本は大人の本やから、子どもは見たらあかんで」と言われた本だから見たくなるとか、家で寝転んでて手を伸ばしたところに本があるとか、そういう環境がきっと理想。
それを大人がおもしろそうに夢中で読んでいる姿を見せるともっといい。
たくさんある必要はないのです。数ではなく質で、子どもは特に、おもしろい本があると、それを何度でも何度でも楽しめるものです。話がネタバレだからつまらない本というのは、ネタバレしなくてもつまらない本なのです(言い切りよった)。


パブリック・ドメインで無料で読めるコンテンツであっても、電子書籍なら150円でも、ペンギン・ブックスがシェイクスピアなどを「紙の本」として刊行し続けているのは、きっとこの「身近に本がある」ことの大切さを知ってほしいからということもあるのではないかと思います。

ペンギングループはその後"パフィン"という児童向けのレーベルもペーパーバックで刊行を開始しました。どちらもよちよち歩く可愛い鳥にしたのは、なにかわけがあるのでしょうか。
いつかパフィンくんの絵本も読みたいです。




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by n_umigame | 2016-01-03 00:26 | | Trackback | Comments(0)

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