*さいはての西*

fwest.exblog.jp
ブログトップ

『山岸凉子『日出処の天子』古代飛鳥への旅』(別冊太陽 太陽の地図帖 38)(平凡社)


少女漫画史に燦然と輝く不朽の名作『日出処の天子』。30年余の時を越えて読み継がれるこの作品の魅力を徹底紹介する。舞台となった飛鳥や河内へのルポ、登場人物ゆかりの史跡・寺社のガイドのほか、著者・山岸凉子本人へのインタビューでは、創作秘話や後日談、主人公・廐戸王子への思いなどが語られるほか、貴重な仕事場の写真も公開。巻頭にはファン垂涎のカラー原画を計22枚大判で掲載、うち1枚はなんと本書が初登場の未公開作品!!すべての『日出処の天子』ファン、少女漫画ファンに捧ぐ永久保存版
(出版社HP・書影も)

d0075857_18394710.jpg

目次なども出版社HPで見ることができます。
 


冒頭の荒俣宏さん×山岸涼子さんの対談を始め、『日出処の天子』の製作の原点となった著作は梅原猛氏の『隠された十字架』とほか2冊しかなかった、という驚きの事実や、キャラクター紹介、史実と伝説、歴史紀行(調子丸古墳などかなりマニア向けなのも嬉しい(笑))、山岸涼子先生の美麗カラー原稿やお仕事部屋の様子などが、すべて美しいフルカラーで紹介されています。
(中公文庫の『日本の歴史』2巻には、わたくしも本当にお世話になりました。今、新装版が出ているようですが、私が持っているのは山岸先生と同じ、この仏像のカバーのものです。)

全国の大工さんは太子信仰で、それは寺院のゼネコンの創業者が聖徳太子だと言われているから。その四天王寺のゼネコン・(株)金剛組は世界で最古の会社だろうと思う、その金剛組がなぜ1,400年前から続いてきて、法隆寺にもあったゼネコンがなぜ続かなかったかと言うと…といったおもしろいお話も伺えます。

あと、山岸先生のお写真をあまり拝見する機会が無かったのですが、お美しい方だったのですね。あの自画像は詐欺ですよ(笑)、かわいいけれど。(このロング丈のチェスターコートを見ていると、この頃青春時代だった人が今の流行をまた作ってるんだーと、そこも感慨深かったです(笑)。山岸先生のお召しになっているコートは、肩はバブル期のかほりがしますが(笑)、肩さえお直ししたら今でも十分着られそうです)

100p足らずの薄い本(ムック)なので、書店で手に取るとお値段の割りには物足りないと感じるかもしれませんが、目で見て美しいということ以上に、読み応えのある対談や、山岸先生のインタビュー、古代史研究者による歴史的な背景の考察など、文字の部分も非常に読み応えがあって、1,200円+税でもじゅうぶんおつりが来ると思います。
『日出処の天子』のファンならもちろんお手元にあるといいですし、まだ『日出処の天子』を読んだことがないのだけれど、どういう世界なのだろうと好奇心を持たれている方が作品世界を概観するのにもおすすめの1冊です。(原作を読んでから読まれる方が楽しめることはもちろんですが)

山岸涼子先生のインタビューでは、とても心打たれるところがあったのですが、『日出処の天子』を読み直しましたので、その感想のところで触れたいと思います。

山岸先生は今年(2016年)には69歳を迎えられるとのことで、どうぞお体をおいといくださって、まだまだご活躍していただけることをお祈りしています。『レベレーションー啓示ー』も買いましたので!






[PR]
by n_umigame | 2016-05-10 00:38 | コミックス | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://fwest.exblog.jp/tb/23128216
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。