*さいはての西*

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『噂』荻原浩・著/新潮文庫

最後の一行で大どんでんがえしが来るミステリ作品のことを、エラリイ・クイーンの作品にちなんで「最後の一撃」と名付けたのは瀬戸川猛資さんだそうですが、この作品も「最後の一撃」の仲間に入れてもいいかと思います。
そして、個人的に、いわゆる「本格ミステリ」のマイ定義第1条として「飛ばし読みができないこと」があるのですが、そういう意味でこの作品は「本格ミステリ」だと思います。(「あっとおどろくトリック」が第1条の方には、これはサスペンスだろう、ということになるかと思われますが)
ただし、「大」どんでんがえしというよりは「プチ」どんでんがえし、という感じですが。

父と娘の父子家庭・小暮刑事と母と息子の母子家庭・名島刑事のコンビがいい味で、読んでいて心地良いのですが、オチはブラック・オチ です。
ぜひ、小暮・名島コンビでシリーズ化してほしい!と途中までは思いましたが、読み終わってからは1話完結がキャラクターに対する慈悲かもしれん…と思ってしまいましたよ…。

初めて読んだ作家さんですが、こんなお話なのに、ときおり読んでいてくすっと笑えるユーモアがあって、それが非常にお気に入りです。日本のミステリはあまり読まないのですが、まじめすぎて肩が凝る、というところも一因で…。
じゃあいわゆる「ユーモア・ミステリ」を読んでればいいじゃん?ということでもなくて、何と言いますか、こう、「リラックスしつつ真剣勝負」。そんな風合いがいいのです。
解説によるとユーモア作家としてスタートしたとありますが、この調子でどんどんミステリも書いていただきたいです。
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by n_umigame | 2006-07-30 22:50 | ミステリ | Trackback | Comments(0)
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