『文学における父と子』 佐藤泰正・編/笠間書院(梅光女学院大学公開講座論集/笠間叢書)

古本屋さんで発見した本です。
梅光女学院大学という大学のことは寡聞にして存じ上げなかったのですが、山口県にあった(改名した?)大学のようです。

収録論文(講演)のうち、「ユダヤ人における父と子の絆」に興味があって購入したのですが、吉本隆明さんの「ジョバンニの父とはなにか」もたいへんおもしろかったです。
元々わたくしは「父と子」というシチュエーションに弱かったのですが、エラリイ・クイーンを読み始めてから、いろいろ思うところがあり、周辺文献も当たるようになりました。

「ジョバンニの父とはなにか」は、「ジョバンニの父は<不在>という暗喩を負っている。」という文章で始まるのですが、では、エラリイ・クイーンの場合は、「エラリイの母は<不在>という暗喩を負っている。」ということになります。
「アメリカの「母不在」の暗喩」については、内田樹さんがおもしろい分析をされているので、ぜひブログにいらして『チャーリーとチョコレート工場の秘密』の映画評などをお読みください。
ただし、内田樹さんにしては、論理展開の曲芸化が過ぎるあまり、結論を急ぎすぎたのではあるまいか、とも思いました。こんなに二極化するのはとりあえず危ない。

しかし、個人的に、「日本を代表する父子ものエンタメ」として池波正太郎さんの『剣客商売』シリーズと、いがらしみきおさん『ぼのぼの』を挙げたいのですが、いかがでしょうか。
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by n_umigame | 2006-08-10 16:51 | | Trackback | Comments(0)

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