『私の嫌いな10の人びと : 「いい人」の鈍感さが我慢できない』 中島義道・著/新潮社

『うるさい日本の私』についで、中島義道さんの本は2冊目ですが、いやー、また、言いにくいことをはっきりと。(笑)
しかし、大笑いしながら読んだわたしも、共感しているということですね。
(「笑い」は共感の文化だ、と言ったのは誰でしたか)

河合隼雄さんが「善人は反省しない(だって自分をいい人だと思っているから、自分のしていることは正しいと心から信じて疑わないから)から、始末に悪い」というようなことを、どこかで書いてらっしゃいましたが、それを押し広げて具体例を挙げ、論理的に、中島節で述べるとこのような作品に。
中島義道さんのエッセイのおもしろさ、説得力は、単にスタンド・プレーで人の反感を煽るようなことを書いているわけではけっしてなく、本当にそう思っている、という誠実さに裏打ちされているところにあるのではないかと思われます。

自分のおかれている環境がすばらしいと思い、毎日「正しい」ことをしている人というのは、それだけであれば、幸せな人です。しかし、本当に幸せな人であれば、きっと、ここで満ち足りて、穏やかにしていると思います。おそらく、何か自分のその暮らし方、生き方に、疑問を感じ、満たされないものを感じているから、他人にもそれを押しつけたがるのではないかと思われます。
意識していないかもしれませんが、つまりそれが、中島さんのおっしゃる「鈍感さ」に通じるのではないでしょうか。

笑ったのは、講演会のあとで、ある人に「先生は奥様を愛してらっしゃいますか」と聞かれ、「愛している」と答えたら彼女はどんなに満足するだろうと思いつつ、とっさに「愛してません。」と言ってしまい、「じゃ、なんで結婚指輪をしているのですか」とさらに問いつめられたので、「取れなくなったからです。」と答えて、その人を振りほどくようにその場をあとにした。というところです。
これも本当のことじゃないか、と思わせてしまう誠実さがあります。(笑)

そうですね。男性が結婚指輪をしているのは、取れなくなったから。
女性が長かった髪をばっさり切るのは、うっとおしいから。です。
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by n_umigame | 2006-08-16 22:34 | | Trackback | Comments(0)

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