『王さまのすきなピックル=パイ』 ジョリ-・ロジャ-・ブラッドフィ-ルド・絵・文/飯沢匡・訳

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(世界の絵本 ; アメリカ/講談社)
子どもの頃大好きだった、アメリカの絵本です。
2004年にアメリカで復刊されたので、なつかしさとうれしさのあまり購入しました。
(左はその復刊された原書です。)
翻訳も、原作の持つユーモアを上手に伝えつつ、とても美しい日本語で語られていてすばらしいのですが、原語(英語)で読むと、また違った感動がありました。「世界の絵本」というシリーズで刊行されたものの中の1冊で、ほかにもトーヴェ・ヤンソンさんの『さびしがりやのクニット』などが入っていたと記憶しています。
ですが、大人になっても捨てられなかったのは、このジョリー・ロジャー・ブラッドフィールドさんの作品2冊だけでした。

今読むと、いかにもアメリカらしい屈託のなさにあふれた作品なのですが、子どものときには、きっと、こういう明るい世界も必要なのだと思います。(子どもの頃はヤンソンさんの絵などは暗くて怖かったです。こちらはこちらで必要な世界ですが。)
現在もネットで見ていると、子どもの頃この絵本が大好きになり、大人になった今、自分の子どもにも読ませたい、と、この絵本を探している方が大勢いらっしゃることも、納得です。
子どもの頃に読んだ本の満ち足りた明るい世界、その明るさが、大人になっていく課程で自分の道を照らすことがあるのだということを、経験的に知っているからでしょう。

ジョリー・ロジャー・ブラッドフィールドさんは1924年ミネソタ生まれ、最初から絵本作家としてキャリアをスタートされたわけではなかったようです。現在もお元気でアメリカで水彩画を描きながらお暮らしのご様子です。
日本語版の絵本が出た当時は、3人のお子さんと奥様とごいっしょの写真が掲載されていたと思いましたが、いつのまにか5人のお子さんのパパに!
ブラッドフィールドさんのホームページはこちらです。→Roger Bradfield's website

この作品のあらすじは、こちら。↓




むかしむかし、あるところに、ひとりの王さまがいらっしゃいました。
王さまはたいへんおりこうでいらっしゃったので、王さまの国は平和でした。

お后様はお料理がお上手で、中でもお后様のピックル・パイは、王さまの大好物でした。

お二人の間にはたいへん気だてのよい王女さまがいらっしゃいました。
しかも王女さまは、とてもお美しかったので、近隣の王子さまが贈り物を持ってひきもきらず求婚に来られます。王女さまは礼儀正しく、その全員を食事に招かれました。
それはつまり、王さまの分のピックル・パイが少なくなるということでした。

ついに王さまは、王子さまの誰かと王女さまを結婚させることにしました。
そこで、3人の王子をお呼びになり、おっしゃいました。「諸君にテストを受けてもらう。合格した者が姫と結婚できるのだ。」

一番目の王子マセルボームはたいへん勇ましい方でした。王女さまはこの王子さまが好きでした。背が高くて金色の巻き毛、それにそばかすがあったからです。
二番目の王子ウェルレッドはたいへんお利口な方でした。数は864まで数えることができましたし、三インチもある本を読んでいました。王女さまはこの王子さまも好きでした。美しいお話を聞かせてくれたり、夜にお部屋の窓の下で音楽を奏でてくれたりしたからです。
三番目の王子バーナードは、とても強くも、とてもハンサムでも、とてもお利口でもありませんでした。でも王女さまはこの王子さまが一番好きでした。王女さまはどうしてこの王子さまが好きなのか、わかりませんでした。きっと、顔一杯ににっこりする笑顔と、おかしな鼻をしていたからかもしれません。
王女さまの気持ちはいつもわかりにくいものなのです。

さて、王さまは王子さまたちにこうおっしゃいました。
「今から王国の端にある森に行ってきなさい。期間は三日間。知っていようが、森にはガズーや妖精やディムドゥーズルなどめずらしいものでいっぱいだ。そなたたちのなかでMOST WONDERFUL THINGを持ち帰ったものと姫を結婚させよう。いいかね、三日間だぞ。」

………というわけで、だれがMOST WONDERFUL THINGを持って帰ってくるかはもう大人になったあなたには察しが付くでしょうが(笑)、では、その、MOST WONDERFUL THINGとはいったい何だったでしょうか。
あとは読んでのお楽しみ。
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by n_umigame | 2006-08-26 14:52 | | Trackback | Comments(0)

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