*さいはての西*

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『あなたに不利な証拠として』 ローリー・リン・ドラモンド・著/駒月雅子・訳

(ハヤカワ・ポケット・ミステリ)(早川書房)

昨日、書店でいつものごとく海外文学コーナーでとぐろを巻いていたら、『あなたに不利な証拠として』が新装丁で出ていてびっくりしました。

何がびっくりしたって、年末の恒例イベント、週刊文春、このミスともダブル・クラウンに輝いたということではなくあの50年一日のごときブック・デザインのハヤカワ・ポケミスに今時のフルカラー・ジャケットがついたこと ですよ!

やればできるじゃん。(←失礼すぎ。)

朝日新聞に池上冬樹さんの書評が掲載されたあと、ポケミスのくせに平台に山盛りになっているのを見て、おそるべし日曜の書評と感慨深かったものでしたが、今度はフルカラー・ジャケットか…すごいなー…文庫落ちさせないでポケミスのまま売ろうという姿勢もいいけど。

ちなみにわたくしはこれは出たときに読んだので、50年一日のごとき旧装丁のブック・デザインのものを持っています。(そのデザインも好きなのですけれどもね。)

ポケミスに入っているので、エンタメ路線の警察小説を期待して読んだのですが、そういう雰囲気ではなかったです。
著者は元制服警官でそのときの経験が作品にあますことなく生きているのですが、例えば、私服の警官が殺人現場に入るときは死臭がつかないように必ずジャケットを脱げるからいいけど、とか、硬質な文章が醸し出す精緻なリアリティがエンタメのラインすれすれの重さでのしかかってくるため、あまり気軽に読んでぽいという感じではないです。
逆に、アメリカという国で女性に生まれてしかも警察官であるということはどういうことか、ということを、非常に考えさせられる内容でした。

言わずもがなですが、原タイトルの"Anything You Say Can and Will be Used against You" は、アメリカのドラマなどでよく出てくる”You have the right to remain silent.”「あなたには黙秘権がある。」から始まるミランダルール(ミランダ警告)の第2項、「Any statement that you make could be used against you in a court of law.(供述は、法廷であなたに不利な証拠として用いられる事がある。) 」から来ているそうです。
1966年から発効されたそうなので、それ以前のミステリには出てきませんね…。
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by n_umigame | 2006-12-17 01:38 | ミステリ | Trackback | Comments(0)
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