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『モグラびと―ニューヨーク地下生活者たち』 ジェニファー・トス・著/渡辺葉・訳(集英社)

3000人とも5000人とも言われる、ニューヨークの地下(下水道や閉鎖された地下鉄のトンネルや駅など)で暮らす「モグラびと」と呼ばれるホームレスの人々を取材したドキュメンタリー。
彼らの多くは、薬物中毒、家庭崩壊、犯罪、貧困など様々な理由から「地上」で暮らすことを拒否した人々です。

ニューヨーク市当局は彼らの存在を否定しており、当然救済の手はほとんど誰からもさしのべられません。
著者は若手のジャーナリストですが、そんな中でも一人だけ彼らを気にかけている警察官の一人から協力を得て、地下世界に入ることができました。「モグラびと」の悲惨と言うのもはばかられるような暮らしを目の当たりにした著者自身も最後には彼らの中の一人から身の危険を感じ、ニューヨークから離れ、調査から身を引かざるを得なくなります。

彼らは最初から地下で暮らさざるを得ないような境遇で生まれ育ったわけではなく、中には一流レストランのシェフだったのに何かのきっかけで麻薬に手を染め、地下まで落ちてきてしまった人もいます。
ほとんど、あるいはまったく光が射さない場所で暮らしている彼らの寿命は2~3年と言われているとか。それも正確な統計が取れないので、よくわからない状態です。

読後、自分がかつがれたのではあるまいかと思うほど、他に類書を見ない本でした。
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by n_umigame | 2006-12-24 16:25 | | Trackback | Comments(0)

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