*さいはての西*

fwest.exblog.jp
ブログトップ

『シャルビューク夫人の肖像』 ジェフリー・フォード・著/田中一江・訳(ランダムハウス講談社)

19世紀末のニューヨーク。
「わたくしの肖像画を描いてほしいのです。ただし、わたくしの姿は絶対に見てはいけません…。」
そう依頼された肖像画家のビアンポは、屏風の向こうから聞く身の上話だけで、夫人の肖像を描くことを承諾する。
決まった時間にシャルビューク夫人と名乗る女の屋敷に通い始めるが、夫人の話す夫人の身の上話は夢ともうつつともつかない不思議な物語だった。やがて、目から血を流して死んでいく謎の奇病でニューヨークでは次々に犠牲者が…。

という、ミステリとも幻想小説ともつかない作風です。

幻想小説が好きな方ならば途中の雰囲気にひたるだけで十分満足していただけるのではないかと思うのですが、ミステリ好きの方には「またこのオチかよ!」と思われてしまうと思います。
わたしは読んでいる途中が楽しかったのですが、やはりオチには白けてしまいました。
ただ、その骨格の部分は特に目新しさのないミステリなのですが、合間合間に差し挟まれるエピソードと、次はどうなるんだろうという部分がぐいぐい読ませます。
ですので、巧いことは巧いのですが、おおーこらすごい作家さんが出たぜ、おかわり早く早くー!…という感じではなかったです。
ジャケットとあらすじに負けました。

こういう作風なので、ラストは絵に描いたような悲劇になるのかと思ったらそうでもなく、たいへん爽やかな幕切れです。

幻想的な雰囲気にひたりつつ、ハッピーエンドがいい方、ぜひ。
[PR]
by n_umigame | 2007-01-02 20:04 | | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://fwest.exblog.jp/tb/4492634
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。