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『愛の探偵たち 』 アガサ・クリスティー・著/小倉多加志・訳(ハヤカワ・ミステリ文庫)

「クリスティー短篇集 9」

かねがねクリスティの読み残しを少しずつでも読もうと思って書誌をチェックしているのですが、これは「すごいタイトルだなー」と思っておりました…(笑)。

内容は以下の通りです。

三匹の盲ネズミ
風変わりな冗談
巻き尺殺人事件
非のうちどころがないメイド
管理人の事件
四階の部屋
ジョニー・ウェイヴァリー誘拐事件
愛の探偵たち

「三匹の盲ネズミ」は、言わずと知れたかの「マウストラップ」の原作となったノンシリーズの傑作です。短篇と言うこともありますが、セオリーどおりの端正な作品ですので、ミステリを読み慣れた人なら、登場した時点で犯人の察しがつくかと思います。「吹雪の山荘」ものの傑作であります。「マウストラップ」は今年で上演55年目、またしてもギネスの記録を塗り替えたそうです。スゴイ! 一度本場の「マウストラップ」を観てみたいなー。
エラリイ・クイーンもお芝居が好きだったようですが、クリスティといいクイーンといい、本格ミステリの様式美と劇の様式美には通じる部分があるように思います。

「風変わりな冗談」「巻尺殺人事件」「非のうちどころがないメイド」「管理人の事件」
ミス・マープルもの。「巻尺殺人事件」はNHKでアニメ化されたときにもやっていましたが、八千草薫さんではマープルの声にはちょっとやさしすぎるんですよ…。ミス・マープルは決して心優しいだけのキャラクターではありませんので、やはり「ネメシス(復讐の女神)」とあだ名されたミス・マープルの峻烈さのようなものが出せる女優さんはなかなかむずかしいみたいです。

「四階の部屋」「ジョニー・ウェイヴァリー誘拐事件」
ポワロものです。これは2作品ともドラマ化されていますね。ドラマで「四階の部屋」で、ポワロがオムレツをごちそうになって、こんなにおいしいオムレツを作れるなんてすてきだ、「昔、ひとりのイギリス人女性に恋をしたのですが、彼女は料理が下手で、わたしの恋は終わりました」というシーンが印象に残っています。誰のことだー?(笑)。ドラマオリジナルネタなんでしょうか。(ドラマ「二重の手がかり」でロサコフ夫人がポワロを「エルキュール」とクリスチャン・ネームで呼ぶところはどきりとしました。ふだん呼ばれないのに誰か特定の人だけがある人をクリスチャン・ネームで呼ぶというのは、とってもセクシーですね。)

「愛の探偵たち」
これだけハーリ・クインものです。実はハーリ・クインを読むのは(おそらく)初めてです。得体の知れない探偵、というイメージでしたが、実際に読んでみてもやっぱり得体が知れない(笑)。もう少しほかの作品も読んでみようと思います。

やはりクリスティはいいですねえ…。
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by n_umigame | 2007-06-08 19:17 | ミステリ | Trackback(1) | Comments(0)
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