*さいはての西*

fwest.exblog.jp
ブログトップ

『「世界征服」は可能か?』 岡田斗司夫・著(ちくまプリマー新書) 筑摩書房

「世界征服してみたーい!」と思った人、手を挙げて! はーい!!

そんなアナタのために書かれた「ハウ・トゥ・世界征服」、それがこの本です。

ではまず、悪の組織として「世界征服したあと」のビジョンを持ちましょう。
何事も事を起こす際には、ビジョンが重要です。
「世界征服」が目的化すると、世界征服した暁には「このあとどーすれば……」と燃え尽き症候群に陥り、「悪の秘密結社の首領が5月病」なんてことにもなりかねません。
ビジョンは持てましたか?

では次に、自分がどんなタイプの支配者タイプなのか自己分析してみましょう。

A:「魔王タイプ」 別名「人類絶滅型」。
B:「独裁者タイプ」 別名「人類の管理人さん」。
C:「王様タイプ」 別名「バカ殿様」。
D:「黒幕タイプ」 別名「悪の裏方」。

詳しいことは本書をお読み下さいね。
さあ、どのタイプかわかりましたか? ではいよいよ実務に入りましょう。

最初に設定したビジョンでもって、言葉たくみに人を集めましょう。人材の確保です。
人は石垣人は城。
合法であろうが非合法であろうが、組織にとってこの言葉はやはり真理なのです。
しかし、「悪の秘密結社」に入りたがるような人の集まりですから、企業モラルは低いに決まっています。会社の備品を黙って持って帰っちゃったりするでしょう。
そして頭が良くて腕に覚えがある人間なら、犯罪は割に合わないことがわかっていますから、優秀な人間ほど合法的に儲けることを考えるでしょう。つまり、あなたのところに集まってくる人材は、「悪の秘密結社にでも入るか」というような、おそらく「でもしか就職」した底辺の人材です。

そんな部下でも霞を食って生きるわけではありませんから、次に資金集めです。
人件費、これはバカになりません。どころか深刻な問題です。
手軽に銀行強盗などいいかもしんない、と思うかも知れませんが、ちょっと待って。
最低でもその銀行でのアガリが、銀行強盗を成功させるのに必要な人員×人件費を上回っていなければシャレになりません。
最近のセキュリティや通信網を考慮すれば、最低でも10人以上は人手が必要です。
しかもそんなことをすれば警察に目をつけられます。
あなたがかつかつの人件費と底辺の人材で組織を切り盛りしなければならないのに対し、警察は税金を使いたいほうだいで訓練された人材が24時間365日働きたいほうだいです。
「悪の秘密結社」である以上、秘密基地を世界各地に作ったり部下を武装させたり、ほかにもお金がかかります。
警察が逮捕状でも取った場合、パスポートがおりませんから、あなたは世界各地にある秘密基地での会合に出席するのさえ困難になります。会議ひとつが組織の存続を左右するような大勝負になります。
いけません。やっぱり警察に目をつけられるような派手なパフォーマンスは慎みましょう。
自分から「われわれはデストロイだー! わはははは」などとアピールするのはもちろんもってのほかです。

そんなこんなで「世界征服」に成功したあとは……あとはお読み下さい。

移動中、大爆笑しそうになり、ひきつりながら読みました。
「007」シリーズに登場するという悪の組織インスペクターの「悪の売り上げ報告会議」って…。
あと、独裁者は過労死しやすいとか、目からうろこのステキ本です。
『バビル2世』の「ヨミ様人生すごろく」って何だそれは!!(笑) あとガミラス星人が地球に放射線をばらまくのは、「引っ越し前にバルサン、といっしょ」とか…すごい説得力あります。
元ネタの詳細を全然知らなかったのですが、「おお、そういう話だったのか」とよくわかり、ぜひ元ネタになった作品を見たり読んだりしてみたくなりました。

ちなみに、ちくまプリマー新書に入るような本ですから、いわゆる「空想科学○○」のようなオチの本ではなく、最後はいたってまじめなメッセージでしめくくられます。この最終章が主題であることに間違いありませんので、念のため。
とはいえ…くっくっくっく………。
[PR]
by n_umigame | 2007-06-18 21:26 | | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://fwest.exblog.jp/tb/5640708
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。