*さいはての西*

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『王様は裸だと言った子供はその後どうなったか』 森達也著(集英社新書)集英社

誰もが知っているおとぎ話や名作の「その後」はどうなったの? という視点で著者が思いのさま描いてみました、という1冊です。

題材に上げられたのは表題の「裸の王様」から始まって、桃太郎、仮面ライダー、赤ずきんちゃんからドン・キホーテ、泣いた赤鬼まで、守備範囲も広めです。
タイトルと宇野亜喜良さんの挿し絵につられて買ったようなものですが、けっこう楽しませていただきました。

目の付け所は非常に良かったと思うのですが、内容は、正直なところ偏っていると言わざるをえないのでは…。
著者は映画監督でドキュメンタリー作家ということですが、『いのちの食べかた』 や『悪役レスラーは笑う』など興味を引かれる著作はあったものの今までどれも読んだことがありませんでした。
ですのでこの方はこういう芸風なのかも知れませんが、今時これはないんじゃないのかなあ…という。少なくとももうイデオロギーの時代ではありませんし、題材のおもしろさをどうしていちいち「そちら」へ振って落とすかなあ、というのが理解できませんでした。ひとつふたつなら良かったかも知れませんが、これだけいくつもの豊かな物語を題材にしているのに出口がひとつ、なんてつまらない気がしました。

個人的に「仮面ライダー」の項は笑いました。『世界征服は可能か』と合わせて読むと倍笑えるかも知れません。

どうでもいいですが「泣いた赤鬼」ねえ…昔から違和感のあるお話でした。
なんていうんですかこー、昔あった「一杯のかけそば」? あのうさんくささに通じるものがあると申しますか。
いや、これ読んで感動しましたとか泣きましたとか言う方がけっこう多いので、またわたしのあまのじゃくが出ただけかも知れないのですが、いやー…やっぱりなんかおしりが気持ち悪いです。
青鬼くん、きみの友情は本物じゃない。
と思うよ。
いやこの本とは関係ない話なんですけれども。
坂田靖子さんが同じような感想をHPで書いてらしたのを読んで、「おお同志よ!」と勝手に感動してパソコンに握手を求めた覚えがあります。(大迷惑だ。)
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by n_umigame | 2007-09-19 17:13 | | Trackback | Comments(0)
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