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『わが心臓の痛み』 上・下 マイクル・コナリー著/古沢嘉通訳(扶桑社ミステリー)扶桑社

連続殺人犯担当だったFBI捜査官テリー・マッケイレブ。心筋症を患っていた彼は心臓移植を受け、早期引退していた。病院から退院した彼のもとにある女性が現れる。その女性グラシエラによると、いまマッケイレブの胸のなかで動いている心臓はコンビニ強盗に遭遇して絶命した彼女の妹グロリアのものだという‥‥‥。因縁の糸に導かれ、事件の解決にのめり込んでいくマッケイレブが到達した真相とは?『ナイトホークス』でのデビュー以来、ミステリーの最前線を疾走するコナリーが、テーマ、プロット、キャラクター……それらすべてに趣向をつくして、現代ハードボイルドのさらなる可能性を拓いた意欲作!


評判の高かったマイクル・コナリー。以前から読まねば読まねばと思いつつ、「ハードボイルド」という惹句にちょと引きぎみになっていたのですが、ハリー・ボッシュ以外のノンシリーズがあるらしいと知りまして、これを読んでみました。

評判どおりたいへんおもしろかったです。前半は正直少し退屈だったのですが、後半から怒濤の展開であっという間に読めました。
作中、あるキャラクターが「いい本は早く読める」と言っていますが、エンタメに関する限りこれは確かに、その通りですね。(エンタメ以外の本は、一行読んではどーんと来て立ち止まり、一行読んではじーんと来て反芻し、ということもあってなかなか読みすすめないということがあります。)

…とは言うものの、読み終わったとたんに「マイクル・コナリーおかわりおかわりー!!」というふうにはなりませんでした。

ストーリーテリングの巧みさには何の不満もございませんが、上手なストーリーテリングからして端正すぎてお行儀が良すぎると言いますか、主人公マッケイレブを始め、キャラクターが全員、上手な役者が演じているように見えてしまったからかもしれません。

少しくらいプロットが破綻していても、語り口が不器用でも、読者をひきつけて放さない魔力のようなものを持つ作家がいますが、そういった点でマイクル・コナリーは薄口のように思いました。

「退屈はさせません」という保証だけであれば文句なしですが、身体の真ん中があたたかくなったり、しみじみといいなあ…というものを求めて本を読みたい方には別のものをオススメいたします。
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by n_umigame | 2007-12-31 19:52 | ミステリ | Trackback | Comments(0)
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