*さいはての西*

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『アイ・アム・レジェンド』(2007)

リチャード・マシスンの古典的傑作『地球最後の男』をウィル・スミス主演で映画化したSFアクション。地球規模の災厄によって人類が絶滅してしまった近未来を舞台に、世界でただひとり生き残った科学者の主人公が、孤独なサバイバルを続けながら人類再生への可能性を探る姿を描く。監督は「コンスタンティン」のフランシス・ローレンス。

 2012年、ニューヨーク。科学者のロバート・ネビルは3年前に起こった地球規模の災厄をくぐり抜け、この街で、おそらくは全世界で、ただひとり生き残った男。彼は、相棒のシェパード、サムと無人の店舗で食料品や日用品を調達し、セントラルパークに畑を作って生き延びる日々。そして、自分以外の生存者を探して、毎日無線で呼びかけるものの、未だ生存者を見つけ出すことが出来ずにいた。それでも、人類を絶滅させた原因を取り除き、再生の道を探るため、たったひとりで奔走するロバートだったが…。


レイトショーで観てまいりました。
レイトって安いんですねー。知らなかった…。なのでいかにも疲れて面倒くさいと言わんばかりの顔でおつりのお札を投げて寄越した映画館のチケット・カウンターの男。今回は許してやるが今度やったらチクる。両手で差し出せとまでは言わん。せめて手渡せ。きっとバイトなんだろうけど、あんたみたいなのがいるからバイトでもきっちりプロの仕事をしてる人まで十把一絡げに「バイトはいーかげんだ」って言われるんだプロのアルバイトさんたちにあやまれふがー!!

…というような具合で、映画を見る前からエキサイトしておりましたが、上映が始まってからもケータイを何度もブーブー鳴らしてる人とそのツレ、どちらも女性ですがクレジットが流れ始めたとたんにキャーキャー話し始めて、さすがに一言申し入れました。(だって一つ置いて真横に座ってたんだもん!)
真後ろの足グセ悪い兄ちゃんはにらんだらおとなしくなってくれたけどな!
これだから映画館で映画を見るのやなんだよ!

…というような具合で、上映中は周辺の観客にメンチ切りまくり違う意味でエキサイトしておりましたが、さて映画は観ていたのか。
もちろん観ていましたよ?
CMと映画の始まりの切れ目がわかりにくかったので数分はCMだと思って眺めてたなんてこともなくちゃんと観てましたよ?

前半は良かったです。
まず最初に荒廃したNYの街がタイムズ・スクエア、ブロードウェイ、ワシントン・スクエアとずーっと映るのですが、これは実際に住んでいる人とか行ったことのある人は楽しかったでしょうね。ブルックリン・ブリッジはなんで壊れてんの? という部分も説明があってなるほどね、と楽しめました。
2012年という設定らしいのですが、映画の広告とおぼしき看板の見慣れた「S」マークを胸にかかげた見慣れたコウモリのマークは、それどんな映画ですかー!(笑)
「RENT」と「Wicked」はまだ興行中だったらしく、目指せ「マウス・トラップ」(笑)。
ただ、NY動物園から逃げ出したのであろうシカとかライオンとかはなんで感染してないの? 犬もやられてるのに。

エンドクレジットを見ていたら、"NYPD Movie/TV Unit"という部署がNY市にはあるのですね!(NY市のHPによると、1966年に設立されたそうです)NY市は映画やドラマの撮影に積極的に協力してくれるので有名だそうですが、元々は財政難を少しでも緩和するためだったとか。そーなんだ・・・。某関西地方のO市なんかも『ブラック・レイン』のときみたいにばんばんハリウッドに貸しちゃえばどーかな思いました。(ちなみにあのバイクのシーンで有名な場所は現在改装中です。で、あそこバイク入れません。)

また、人類はガンを克服したと思われた新薬のためにこんなことになった、というのは、遺伝子操作や医学を過信するなという警鐘という意味で、なかなか良い設定ではないかと思いました。

フランシス・コッポラの『ドラキュラ』と並んで「日没にハラハラした映画」の双璧となりましたし、愛犬サムが暗いビルの中に入っていってしまうところなど、とにかく「出る」までのドキドキ感や見せ方はいいと思います。恐がりのわたくしにとってはもうここは! おなかいっぱいです! あんな程度でも!!

なのですが、だんだん「なんだかなー」感が増大してくるのが後半でした。

↓以下、結末に触れています。ネタバレ注意。




原作を読んでいたのですが、きっと全然別ものになっているだろうという覚悟のもとに行ったこともあり、そんなに「ちっがーう!」と地団駄踏むなどということはございませんでしたが、最後が甘ったるいヒーローものになってしまっており、結果としては残念な作品になっていました。

原因は何点か考えられますが、まず、いわゆる外国から見た現在のアメリカが揶揄される部分、ファナティックであったり、妻子が殺されたとなったら復讐せずにはいられなかったりと、「かんべんしてよ」な展開にだーっとなだれこんでしまったことにあるかと思います。

でもアメリカの人は「神の奇跡を信じよ」と言われて最初はそれを否定している人が最期は信じたら、「うおおおおーやっぱり神さまはいるのだー!!(号泣)。」ってなるのでしょうか。
………いや、宗教・信仰の自由は民主主義の大事な一項目であるからして、いーけどさ。
でもそれを他人におしつけないでくれよエンタメの中でまで。って思うのはわたくしだけでございましょうか。

あと、「妻子を殺されて復讐する男」という設定、ハリウッド映画には非常に多いですね。
映画が始まる前にティム・バートンの『スウィーニー・トッド』の予告編もやっていたのですが、ジョニー・デップをただのトチ狂った殺人鬼にするわけにはいかんという営業判断なのか、『スウィーニー・トッド』まで復讐譚に変えたのかと、開いた口がふさがりませんでした。(スウィーニー・トッドはイギリスに実在した殺人犯です)
これだけ妻子を殺されるお話が叢生するからには、もしかして、アメリカの男性諸君は本当は「あーいっぺん妻子に死んでもらいたい!」とか思ってるんですかねー。
これがあらゆる創作活動のおそろしいところなのですが、自覚がなくてもうっかり出ちゃうんですよねーああおそろしい。

「グラウンド・ゼロ」という言葉でNYを表して、NYにいて戦うんだ!と言う主人公も、何だか感染した人をテロリストに見立てているようで、あんまり良い感じがしませんでした。それで最後もろともに自爆しちゃうんですよね? 人類の救世主となって。

なので、どー考えたって、これ、基本はエンタメなのに、後半は宗教色、政治色が強くなるから、そしてお得意の「アメリカが世界を救う」ドリーム神話になってしまっていて、「何だかやな感じ」ということなのではないかと思います。

ウィル・スミスの娘役の子役の名前が、ファミリー・ネームが同じだったのでIMDbで見ましたら、本当にウィル・スミスの娘さんなんですね。(パンフレットを買わなかったので)
ウィル・スミスさん、自分の実の娘を映画の中とは言え"She is beautiful."と言わせるなんて、どんな親バカですか。いや可愛い子だったですけれども。
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by n_umigame | 2008-01-12 02:58 | 映画・海外ドラマ | Trackback | Comments(0)
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